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2020-08-24 18:56:27 バージョン

しん

蜃気楼を起こすとされる幻の生き物の事。時に巨大な二枚貝として、時に異形の龍として表現される事がある。

概要(二枚貝説)

蜃を二枚貝とする説は中国の古書『彙苑』『史記』などに確認出来る。それによると「蜃」はハマグリの別名であるとされ、「劫を経たハマグリは春や夏に海中から気を吐いて楼台を作り出す」とある。

鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』の一節「蜃気楼」も前述の『史記』に準拠する形で、二枚貝としての蜃が描かれている。


概要(龍説)

一方で蜃をとする説は、同じく古代中国の『本草綱目』に「の一種に属する生き物」とある他、『卑雅』『礼記』にも記述がある。この蛟の一種としての蜃がツバメを捕食する為に気を吐いて幻の楼閣を作り出すのが蜃気楼だとされている。

記述によると(龍としての)蜃はヘビに似て角、タテガミ、赤いヒゲを有し、腰から下の鱗がすべて逆さに生えているとされる。また蜃の発生については「ヘビがキジと交わって卵を産み、それが地下数丈に潜って孵化してヘビとなり、さらに数百年後に天に昇って蜃になる」と言われている。因みに、地下に潜らなかった卵からは普通のキジが誕生するが、これらも何かのきっかけで海に没する事があると蜃に生まれ変わる、と言う(七十二候のうち、立冬の末候の一つ『雉大水に入りて蜃となる』はこの話を基にしたものかもしれない)。

蜃の脂を絞り、それを蝋に混ぜて作ったろうそくに火を灯すと、蜃の吐く気ほど鮮明では無いものの、炎の中に幻の楼閣が見られると言う。また蜃の脂で作ったろうそくは、勉学や勤労の目的で灯すとぼんやりと灯るが、宴会や夜遊びの時に灯すとずっと勢い良く燃えると言う変わった特徴がある。


『礼記』の「月令」では、蜃の文字に「ハマグリ」「龍」と2通りの意味があるのは、ハマグリの蜃が竜族の蜃と同名であるが故に、両者が混同された為だと述べられている。

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