ミニドラ救助隊
みにどらきゅうじょたい
ドラえもん「フー…フー…のび太ぁぁぁ!!」
朝、のび太が起きると、何故かドラえもんがめちゃくちゃ怒っていた。
のび太を無理矢理台所へ連れて行き、無理矢理朝ご飯を食べさせた。
その後、学校へ向かったのび太が給食袋を忘れたことに気づいたドラえもんは猛ダッシュで登校途中ののび太に追いつくがその際に給食袋がジャイアンとスネ夫にぶつかる。
そのせいでスネ夫が足をドブに突っ込んでしまい「おニューの靴が汚れたじゃないか」と怒るスネ夫だが、ドラえもんは「そんなこと知ったことか!」と一蹴。勢い余ったドラえもんに足で踏んづけられて倒れていたのび太に「何をそんなところで寝ているんだ!」と理不尽に注意しつつ給食袋を渡してさっさと帰ってしまう。
家に帰ってようやく落ち着いたドラえもんは調子が悪いのかと思い、ミニドラを小さくして自分の体の中に入れ修理を試みたが、当のミニドラは誤って変なところをぶっ壊してしまった。
場面は代わり今朝からドラえもんの調子がおかしいことを友人達に話しつつ下校しようとするのび太。
この際今朝のことを根に持っていたジャイアンは「ったくもう、いい迷惑だよ!」とのび太に苦言を呈しのび太も軽く謝っていた。
のび太が学校から帰るとドラえもんは今朝と打って変わって何をしてもニコニコ笑って全く怒らない。ドラえもんをたぬきと呼んでもつい先日のび太がドラえもんの残しておいたどら焼きをコッソリ食べてしまったことを白状しても全く怒らなくなった。
安心して面白くなったのび太はドラえもんと遊びに出かけ、話しながら前を見ず歩いていたのび太に対し
ドラえもん「あのねのび太くん…前見て歩かなきゃ危ないよって言おうとしたのに先に落ちてぇ〜」
とのび太が工事中の作業穴にうっかり落っこちてから注意するなど怒らないばかりか超マイペースともなっていたドラえもんであった。
のび太「もう、早く言ってよー!」
ドラえもん「ふふふ、短気は損気でーす♪」
その後空き地でジャイアンとスネ夫に会う。
ジャイアンとスネ夫はドラえもんが何をしても怒らない(髭を引っ張られても顔に落書きされても)と知るや否や、今朝の恨みを晴らそうとドラえもんをあの手この手で痛めつけ、しまいには調子に乗ってドラえもんを的にしてサッカーを始めてしまう。
さすがに「何もそこまでしなくたっていいだろ」と言いながら止めようとするのび太だが、ジャイアンとスネ夫はドラえもんにサッカーボールをぶつけまくる。そしてニコニコ笑って「ふふふ、来るものは拒まずです」と呑気に言いつつそれにじっと耐えるドラえもん。ボコボコにされて倒れても怒らないと言い張るドラえもんを見たのび太も「もう!2人ともやめてよ!」と怒り出していた。
だが、その頃ドラえもんの体内では、ミニドラがドラえもんの壊れた部分の修理を完了させた所だった。
するとドラえもんは、怒れない間に溜まりに溜まった怒りの感情が限界となったのか、そのボールを素手で受け止め、この世のものと思えないほどの鬼の形相でマジギレ。ボールを両手で潰してしまう。
その気迫にフリーズするジャイアンとスネ夫は、文字通り怒りの大爆発に巻き込まれKO。
元に戻ったドラえもんは口からミニドラを出し、直してくれた事にお礼を言う。しかし訳がわからないのび太は茫然とするのだった。
（パパとママの前で）「のび太君は人の3倍ノロマだから、3倍速くしないとダメなんです!」
「ったくぅ、ドラえもんは短気なんだからぁ!」→「!!? タ、タ、タ、タヌキとは何だー!?タヌキとはー!!」
「あーっ!ボクのおニューの靴がぁー!? どうしてくれるんだよ!」「そうだよ!」→「そんなこと知ったことか!! それより、のび太君はどこだー!」
「ウハハハハハ、ダメ、やめてー……ダメだって言っただろ、ブッ飛ばすぞ!……うわぁぁぁん、ダメだって言ったでしょ」
「短気は損気で～す♪」
（ジャイアンとスネ夫に落書きされて）「ちっとも怒る気にならなぁい」→「……ホントだ、神様みたいだ」「へぇ、神様ねぇ……」
「怒らない怒らない、短気は損気、ふふふふ～♪」→（ドラえもんをかばって）「…何も、そんな事までしなくたっていいだろー!?」
「ドラえもん、一体どうしちゃったんだよ? もう！二人ともやめてよー!」
「おかしいじゃん！ボクのボールだけさぁ! ……?」
↓
(鬼の形相で振り向くドラ)「……ッ!」
↓
(ジャイアンとスネ夫、恐怖の表情で硬直)
↓
「～～～～～～～～ッッ!!!!」（サッカーボールを素手で割る）
↓
(ジャイアントスネ夫、上と同じ構図だが、表情が虚無状態に……)
この話の見所はなんと言っても、あれだけ口うるさいのび太のママがドン引きする程のドラえもんの暴走っぷりであろう。
無理矢理ご飯をのび太の口に突っ込むどころか『短気は損気』という言葉をたぬきと聞き間違えてキレたり、挙句の果てには目に入った紙切れをねずみと勘違いして家ごと爆弾で吹き飛ばそうという暴挙にまで出ている。
そして話の最後では顔芸レベルのキレ顔を見せ、それを見たジャイアンとスネ夫のシュールな程の凍りつきっぷりがなんとも言えない笑いを誘った。
ちなみにサブタイトルにもなっているミニドラだが実際の出番自体はそんなに多くはなかったりする。
