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F-86の編集履歴

2011-11-09 21:02:03 バージョン

F-86

えふはちじゅうろく

F-86はアメリカ合衆国のノースアメリカンが開発したジェット戦闘機のこと。愛称はセイバー。対戦闘機戦、つまり格闘戦を重視して開発された。しかし、この後アメリカは戦闘爆撃機による開幕一番を重視するようになって、格闘戦戦闘機の血統は途絶えてしまう。格闘戦戦闘機は冷戦後期にF-15として復活する事になるのだが、その頃すでにノースアメリカンは消滅していた。

概要

第1世代ジェット戦闘機であり、朝鮮戦争における活躍によりその名を世に知らしめた。

また、世界で始めて空対空ミサイルによる敵機撃墜を経験した戦闘機としても有名であり、開発国のみならず世界各国で使用されたF-86の全てのバリエーションを含めた総製造数は9000機を越える。

日本においても、航空自衛隊がF-86Fを採用。防空の要として日本の空を守ったほか、初代ブルーインパルスの機体としても知られる。航空自衛隊による日本名の愛称は旭光(きょっこう)だが、ファンの間ではF-86ということからハチロクと呼ばれることが多い。


フィクションでは1954年の映画ゴジラ』が有名。東京を壊滅して去ろうとしたゴジラを編隊飛行で攻撃。劇中では空自ではなく、架空の組織・防衛隊の所属。


実戦

F-86は朝鮮戦争ではじめて実戦投入された。

ソウルを奪還し、いよいよ反転攻勢という国連軍の前に、新たなる敵が立ちはだかった。

中国義勇軍の参戦である。

その実態は「義勇軍」にほど遠く、事実上の中国軍であった。

(このあたりは中国国内の政治事情、戦争拡大派と穏健派の政争による)


強敵、それはMiG-15。

中国軍が投入したのは、ソビエトより供与されたジェット戦闘機である。

この後退翼を採用したジェット戦闘機の登場は、

最新鋭であった「はず」の国連軍ジェット機を一夜にして時代遅れにした。


中でも、一撃離脱に特化した高い上昇力、一撃必殺を実現する大火力は脅威となった。

大戦中はとりわけ重防御であることを知られたB-29も、たった一回の機銃掃射で撃墜されてしまう事実に、国連軍司令部は蒼白となった。

B-29を護衛するべき戦闘機でさえ、ミグから身を守るだけで精一杯だった。

「十分な戦闘機に護衛された重爆で、敵の生産力を破壊する」

ここにアメリカ必勝の法則は崩れ去ったのである。


新たなる翼、その名は『剣』。

新たなるミグの脅威に、アメリカは試作段階を終えたばかりの新型戦闘機、F-86A「セイバー」の投入を決定する。

ドイツからもたらされた後退翼のデータを盛り込み、急いで再設計されたF-86だが、またたく間に頭角をあらわした。

ここに来て、国連軍はようやく対抗策を手にしたのだった。

F-86の強さは、15:1の撃墜:被撃墜比で表わされた。

(のちにソ連や中国の資料が公開され、それを受けて4.1:1までに下方修正された)


中台海峡上空にて

F-86は中華人民共和国(共産党)と中華民国(国民党)の紛争にも投入された。

ここで初めて空対空ミサイル「AIM-9」が実戦投入され、戦果を挙げた。

投入されたミサイルの数が少なく、撃墜数の上で多い訳ではなかったが、

・簡単な改造でミサイルを使用できる事。

・複雑なレーダーを必要とせず、またミサイル自体も軽い。

などの理由により、AIM-9はミサイルの主役となった。

F-86は初めてのミサイル搭載戦闘機にもなったのだ。



ブルーインパルス

いわずと知れた空自のアクロバットチームの初代機体としてF-86Fが使われている。採用機体には、高い負荷をかけるアクロということもあり、オーバーG(機体に設定されている重力加速度超過)を経験していないうえで、機関砲の調子が悪いなどの機体が選ばれ、スモークの噴射装置などの改修を受けた機体がブルーインパルスとして日本各地の空を飛んだ。

東京オリンピック開会式で五輪の輪を描いたほか、大阪万博開会式でEXPO70の文字を書いたことで有名。

ファンの間ではハチロクブルーの愛称で親しまれている。


その後のノースアメリカン

F-100「スーパーセイバー」を送り出したノースアメリカンではあったが、

その後は経営が振るわず、完成させた機体も軍民問わずに不採用・不採算が相次いだ。

戦闘機としてはF-107「ウルトラセイバー(非公式名称)」を最後に戦闘機事業から撤退し、

戦闘機の名門、ノースアメリカンはその歴史に幕を閉じたのである。


86戦1964年10月10日

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戦闘機

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