概要
オブスキュラスとはウィザーディング・ワールドに登場する力のこと。
虐待などにより魔法力を抑圧された魔法族の子供の中に宿る。
非常に不安定かつ破壊的な闇の力で、一度溢れ出すと宿主の意思に反して暴れる。
オブスキュラスの誕生
魔法族の場合、通常魔法力は7歳までに目覚める。
杖や専門知識なしでは魔法力をコントロールすることはできないため、魔法力はあたかも水が小さく溢れ出すように、無意識に子供の周りに影響を与えることが多い。
例を挙げるとハリー・ポッターはホグワーツ入学前に伯母一家のダーズリー家で様々な珍奇や現象を引き起こしており、伯母のペチュニアに丸刈りにされた髪が一晩でなぜか伸びるなどしている。
また、トム・リドルのように自分の力を自覚してある程度我流で操る子供もごく稀ながら存在する。
しかし、精神的・肉体的なストレスにより自己の魔法力を抑圧してしまうケースも存在する。
例えば両親が魔法力を持たない通常のマグルであるマグル生まれの魔法使い・魔女などの場合、魔法力に理解がない家庭の子供が自分の力を意識して抑え込んでしまう。
他にも、マグルたちが暮らすコミュニティー内で魔法力をコントロールできない時期にその力が露見し、迫害を受けたショックで魔法力が子供の体に押し込められてしまう。
この自己抑圧が継続されると、その子供の中にオブスキュラスが宿る。
オブスキュラスが宿った幼い魔法使い・魔女たちはオブスキュリアルと呼ばれ、その力に蝕まれ、一般的に早くに亡くなっており、ニュート・スキャマンダーはある青年と出会うまで十歳以上生きた例を見たことがないとコメントしている。
オブスキュラスの危険性
感情や精神の限界に達するとオブスキュリアルは制御を失うとされ、暴風のオブスキュラスを放出する。
実体のない飛行物体や黒い液体のような雲、赤いコアを持つ黒い靄として目に映る。
目に見えない又はあるいはほとんど見えないオブスキュラスだが、極端な場合宿主であるオブスキュリアル自身がオブスキュラスに変身することもある。
オブスキュリアルが体内のオブスキュラスを放つ際は目は白くなり、肉体は振動して歪められる。
オブスキュラスは目には見えないが、オブスキュリアルは実際の接触を経ることなく外界と交信できる。
しかし、この能力は持ち主の苦痛、怒りなどの感情によっては制御できない。
これは持ち主の周りに大規模な破壊をもたらすことになる。
宿主の感情によってその力は増し、一度解き放たれると周囲を破壊し尽くす。
オブスキュリアルが死ぬとオブスキュラスもともに消滅する。
ニュート・スキャマンダーは魔力を示したために村から迫害を受けたスーダンの少女のオブスキュラスを魔法の泡で包むことで宿主が8歳で死んだ後もオブスキュラスを保存することに成功し、研究のために保管していた。
その結果、持ち主の苦痛や怒りなどの感情によって放出されるこの力は持ち主の死後は危険性がなくなることが判明する。
グリンデルバルドとの関係
『ファンタスティックビースト』シリーズでクリーデンス・ベアボーンがオブスキュラスとして登場する。
彼は魔法族の血を引くにも関わらず魔法力を使うことができないスクイブであるとされたが、実は異常なほど長くオブスキュラスをその身に宿していた青年であった。
元々オブスキュラスを求めていた闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドはそこに目をつけ、彼を自身の従者とすることになる。
そもそもグリンデルバルドの元親友であったアルバス・ダンブルドアの妹、アリアナ・ダンブルドアがオブスキュラスであった可能性が高い。
原作でアリアナがオブスキュラスであったか定かではないが、アリアナのもう一人の兄であるアバーフォース・ダンブルドアの証言から「過去にマグルの少年たちに魔法を使っているところを見られて暴行された結果、魔法が上手く使えず精神不安定な状態になった」ということと、幼い彼女の発作に巻き込まれて母親が死亡しているのでオブスキュラスである可能性は限りなく高い。
アリアナはグリンデルバルドとダンブルドア兄弟の三つ巴の戦いの末に死亡したが、それが誰の手によるものなのかは不明。
しかし、死の間際に発作を起こしていると原作では記述されている。
まだ若かったとはいえ屈指の決闘者であったダンブルドア兄弟とグリンデルバルドの三人を同時に相手取ったことからもオブスキュラスの力は絶大であり、グリンデルバルドはアリアナを通してその力を知り、自分の目指す「より大いなる善」のために利用することを思いついた可能性がある。
