概要
特異な出自ゆえにガストラ帝国に操られてきたティナは、物語冒頭で帝国の操りから解放され人間としての自我を持つが、目を覚ました場所は帝国が侵略するため攻め込んだ炭鉱都市ナルシェだった。ゆえに、町の自警団から帝国の手先として命を狙われたが、この時に気を失った彼女を「守ろうとした存在」が、ロックである。
その後に仲間になったエドガーもティナを守ろうとするが、ロック本人が自分の意思でティナを守ろうとする姿勢は協力者が増えても変わっていない。また、物語中盤で幻獣説得のためティナが抜擢されると、「ティナが行くなら俺も行く」とロックは宣言。それまでの物語でさまざまな仲間が加わり・抜けたが、それでも彼の姿勢に変化は見られず、生半可な決意ではないことがよくわかる。
本作でロックとくっついたのはセリスだが、FF6の移植版のTVCMで、ティナのコスプレをしながらFF6をプレイする女優(おそらく、ティナに自己投影する女性プレイヤーという設定)が「また会えた、ロック」というシーンがある(オリジナル版のSFC版のTVCMにも、オードリーというティナのコスプレをする女優が登場していて、こちらは「FF6の中からティナが出現した」といった演出になっている)。
おそらく6とロックをかけた駄洒落なのだろうが、公式が暗に「(6EDにロックがおらず、セリスがロックと別の道を歩んだ場合は)ロクティナ的な解釈もありだ」だとか「この二人は公式カプではないが男女バディだ」だとか「ロックとセリスはティナに男女の恋愛を教えてくれた存在であり、ティナはディーンとカタリーナを似た目で見守っていた」だとか「ゲームの中のFF6とプレイヤーの中のFF6は別世界だ」とほのめかしているのかもしれない。ちなみにセリスは、ロックを最終パーティーに加入させてない場合はセッツァーといい感じになる(ただし、『バンダナ』を介してのフラグであり、セリスがロックを思い続けている描写がされており、セッツァーがティナに印象的な台詞を残す形で物語が締めくくられる)。ティナはフィガロ兄弟に出会った時は女の子らしい反応(どっちもときめきではないが)を見せているのに、ロックに「守る」と言われた後は瞬きを繰り返すだけであり(遠くにいる人を愛する人を珍しがっているような演出)、セリスもオペラ座の歌詞、ラスボス戦前の台詞など、重要なシーンではロックの名前を出さない為、妄想の余地が散りばめられている。
ゲーム序盤の「エドガーさんから聞きました。泥棒なんでしょ?」「トレジャーハンターだよ」のやり取りや、ロック&エドガーのコンビがティナが使う火の魔法に驚き、ティナのウィンクにデレ(萌え?)る演出や、ティナが記憶を取り戻した後もアルブルグの町の港でティナがロックにセリスの気をそらす(気を引く?)ためのフェイクに利用されてしまうやり取りが人気なようである(ロックが恋愛よりもリターナーの仕事を優先する演出にも見え、ティナはロックについていく際に、一瞬セリスを眺めて立ち止まっている。ティナは愛を知らないので「セリスの様子がおかしい」「レオ将軍とセリスに感じるこの気持ちは何だろう」「自分はこのままロックについて行っていいのだろうか?」と疑問に感じていた可能性大である。同イベントで、ティナはレオ将軍と共に帝国と帝国に協力していた自分たちの存在に疑問を持ち、シャドウに「愛を今知りたい」と話しており、ティナが辛い気持ちを押し殺すように、リターナーの仲間を追ってレオ将軍とセリスの前から立ち退くシーンで締め括られている)。
ロックが一番好きな女性はセリスだが、ティナが(自分の恋愛対象か否かはともかく)女性としてかわいいのは認めている様子。ロックは序盤にティナの記憶喪失にレイチェルを重ねていたこと、レイチェルからセリスに気持ちが移っていることになかなか気付かなかったこと、安易にセリスに流れずにレイチェルへの愛(トレジャーハンターの自分への試練でもある)を全うしたことから、案外色仕掛けには強いのかもしれない。
ロックとティナは、共に「帝国に大切な人を殺されている為、帝国の善悪両方キャラの異性に好きと言いたいが、できなかった」というキャラ付けが共通している。
FF6を他のゲームに例えるなら、ロックとセリスは主人公とメインヒロイン、ロックとティナは男勇者と女勇者といった感じか(セリスとリルムにも女勇者の要素はあるが、セリスは贖罪というダークヒロインの要素が強く、リルムは子供である点が強調されている)。
世界崩壊後にロックがナルシェを探索する際にウィンクを繰り返していたのは、ティナの影響なのだろうか。