倉田てつを
くらたてつを
概要
1968年9月11日生まれ。本名は柿本哲夫(※)。
千葉商科大学付属高等学校卒業。友人に勧められて応募した、100万円の賞金付きの仮面ライダー主役コンテストで見出され、1987年10月に『仮面ライダーBLACK』に主演、俳優としてのデビューを飾った。また翌年の『仮面ライダーBlackRX』にも引き続き主演、2021年現在でも仮面ライダーの主人公をシリーズを越えて2年間続演した唯一の俳優として知られる。
そんなわけでpixiv上でも仮面ライダーBLACK関連の投稿が大多数を占めている。
原作者の石ノ森章太郎が劇場版の撮影で「君を超えるヒーローは現れないだろう」と断言する程にヒロイックな青年であり、石ノ森にとってはかなりストライクにハマった俳優だったようであるが、一方で続編のRXが始まる際、当初倉田は続投を断ろうとしていた。自身はBLACKですべてを出し切ったうえ、「俳優が当たり役のイメージが付きすぎると将来マイナスになる(イメージが固着して役柄が狭まる)」のが当時からの定説であった事から、今後を考えてオファーを断ろうとしたのである。
しかし石ノ森は先の通り「君を超える主役は居ない。その気持ちはわかるが申し訳ない、やってくれ」と言われ、流石に覚悟を決めるしかなかったという。
その後も映画、ドラマを忠臣に俳優として徐々に地位を固めていく。『BLACK』での南光太郎を始め、好青年として役を貰うことが多かったが、ヒーロー役から始まった爽やかなイメージに囚われず、歳を重ねてからは悪役なども演じるようになった。
しかし懸念は常にあり、1991年放送のNHK連続テレビ小説『君の名は』での主演に際して、インタビューでは仮面ライダーの話はNGとし、イメージの固着化を避けようとした。それでも一時期は「仮面ライダーBLACKの南光太郎」としてしか見られず、このことにコンプレックスを抱いていたようで、倉田自身もしばらくの間は『BLACK』を見返す事はなく、そのイメージを払拭しようとかなり苦心していた時期があると語る(と言いつつ、後述の通り息子の名前はズバリ光太郎だったりする)。
もっとも、時が経るにつれてそうした心理は薄れたという。特にきっかけとなったのはステーキハウスの経営に乗り出した時、ファンが大勢やってきて思い出を語ってくれたことが大きかったという。長らく見返さずにいた『BLACK』も徐々に息子や娘と見るようになり、自身も当時を思い出して涙したという。
こうした経験を経て、2000年代以降は仮面ライダー関連のイベントに出席する機会も増えた。恐らく自身の店でBLACK・RXをイメージしたステージを出したのもそのためと思われる。2009年には『仮面ライダーディケイド』でおよそ20年ぶりに、南光太郎=仮面ライダーBLACKを演じ、さらにBLACKとRXの同時変身を披露するなど話題をさらった。これを皮切りにその後もしばしば光太郎=BLACK役として、映画・ゲームと出演している。
この再演に至るまでおよそ20年ものブランクがあったにもかかわらず、撮影時には変身ポーズのキレが当時よりも数段増していたことを、古株のスタッフから突っ込まれていた。てつを自身も、南光太郎のイメージを壊さないようにというのに加え、何より役者として体型のキープは欠かせないため、スタイルの維持は意識していると語る。
『ディケイド』での再演時には、原点である作品を演じることで自分を見直そうという意図や、作品に対する思い入れから快くオファーを受けた一方で、「これが最後」というつもりで撮影に挑んだという。そのため『仮面ライダー3号』で三度オファーを受けた際、流石に最初は渋ったと後に明かしている。このように毎回「最後にしたい」とする理由について、「変身は青春の良い思い出であり、今は年齢的にヒーローを演じることに恥が生まれているため」と説明している。よって「南光太郎」としてではなく「倉田てつを」として演じるような心境になってしまうのだという。
ちなみに息子の「柿本光太郎」も俳優であり、若い頃のてつをにそっくりな美青年である。
(※ デビュー当時から2000年代初頭まで、「高山哲夫」が本名として関連書籍に記載されていた時期もあった)
オーナーとして
現在は俳優業の傍ら、フランチャイズ・ステーキハウスのオーナーも務めている。当初は東京都東陽町店のオーナーを務めていたが、近年は八王子店も担当しているという。
同店には「ブラックステーキ」「RXステーキ」という無許可だが仮面ライダーをモチーフにした特製メニューも用意されており、連日ライダーファンで賑わっている。
ただの名義貸しというだけでなく、時折倉田本人が接客している時もあり、ファンとの交流の場として用意している側面もあるという。
また、お店主催での旅行企画なども行っている他、家族ぐるみで経営を行っているとのこと。
握手には快く応じてくれるが、サインについては現在は断っている。理由は「友達の分も欲しい」と言われて書いたものが転売されたためと言われている。
YouTuberとして
2020年8月には「てつチャンネルJUSTICE」を開設し、YouTuberデビューを果たした。内容は岡元次郎を始めとする人物との対談などのトークや、倉田自身の散歩動画がメインとなっている。
ファンとのトラブル
こうした中、東映に無許可でBLACKのマークをあしらったマスクを販売したり、自身が若い頃から使っていた鉄アレイをオークション形式で売りつける、彼にイベントで会った造形作家に「等身大のブラックを作ってほしい。」と頼み「営利目的でないなら良い」といざほぼタダ同然で送られてきた等身大ブラックをお店に飾り続け挙句息子の店にRXを作ってほしい、と言いそれを「営利目的では駄目」と拒否した造形作家をブロック、“ファンに金銭などを要求”“参加費30万円のイベントに参加しないファンをブロック”などといった疑惑が、2021年2月頃より浮上。被害が芋づる式に報告されており、なおかつこれが倉田氏の長年のファンたちからのカミングアウトであったこともあり、ネット上では「金の亡者じゃん……」「ちょっとBLACK過ぎる」「これじゃあ仮面ライダーBLACKじゃなくてBLOCKだ」と話題になってしまった。噂によると被害に遭ったものの、本当に倉田氏のファンで泣き寝入りしたファンもいるという。
こうした疑惑に対して、倉田自身は公式な声明を出しておらず、なおかつそれに対して引用リツイートで指摘を行ったファンをSNS上でブロックしている他、氏の運営しているビリー・ザ・キッドの宣伝部長もその告発を行ったファンをブロックするなど、事実上黙殺を決め込むかのような対応を取り続けていた。
そして同年4月、17LIVEでの動画配信に際してファンから仮面ライダーの話題が振られたのに対し「俺は仮面ライダーの話は好きじゃないから」などといった、仮面ライダーに対してネガティブな内容の発言を連発。
折しも動画配信が行われた4月3日には『仮面ライダー生誕50周年』を迎え、歴代俳優がSNSなどで祝福の言葉を送っていただけでなく、生誕50周年記念企画の一環として『BLACK』のリブート作品である『仮面ライダーBLACKSUN』の制作も発表されていた。こうした状況下での倉田の発言は、前述した仮面ライダーシリーズへの再出演に至るまでの経緯や、近年の『BLACK』との関わり方、それに未解決なままのファンとのトラブルなどと併せて、より一層の物議を醸す格好となったのである。
上記の不祥事に関しても「お店に置けないならBLACKの立像なんていらない。」等の失言も飛び出している。
一応、配信の中ではファンに向けて「ごめん」という言葉も複数回に亘って言い添えていたり、後日にはFacebookやInstagram上で謝罪を行っているが、その謝罪文も友達しか見れない設定になっていたり、後者では応援コメントのみを残して批判コメントを削除したりと、依然として事態の収拾には程遠い状況が続いている。
これら一連の経緯から、今後の仮面ライダーシリーズへの再客演への影響なども含め、ファンからはさらなる事態の悪化も懸念されている。
主な出演作品
南光太郎:仮面ライダーBlack、仮面ライダーBlackRX
水上始:勝手にしやがれヘイ!ブラザー※
並河才蔵:水戸黄門(最終回スペシャル)
※仮面ライダーBlackRX放映終了直後の作品ということもあってか、変身ポーズを劇中で披露する等仮面ライダーBlackのネタをよくやっていた。しかし南光太郎の役柄とは真逆の頼りないキャラクターであり、上記の変身ポーズの後はやられてしまうのが定番である。