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誘導・表記揺れ編集

この項目では、菊田一夫によるラジオドラマを原作とした恋愛物語について説明しています。

新海誠監督のアニメーション映画については「君の名は。」を参照してください。

アニメ映画「君の名は。」との表記分けのお願い編集

君の名は。(54年度版)

2016年夏に公開された新海誠監督によるアニメ映画「君の名は。」のタグ誤記(混同)が目立っております。

(上のイラストはいわゆる合体事故混ぜるな自然に代表されるイラストの一つ)


タグに関しては「」の有無のみという非常に紛らわしいものですが、タグの設定ミスをしないように再度ご確認をお願いします。

詳しくはタグの大百科も合わせてご覧ください。

現状でもタグ間違いが増え続けているため、本項で解説している作品を検索する場合はマイナス検索を利用して「-新海誠 君の名は」等の検索方法に一工夫を加えると発見できるかもしれません。


なお、ピクシブ百科事典上でもおそらくアニメ映画を指すものと思われる隠しリンクに「君の名は」でリンクを仕込んでいるものもあるため、明らかにこちらの方(本項で解説する作品)でない場合は差し替えを推奨いたします。

解説編集

君の名は』とは、昭和戦後に一世を風靡した脚本:菊田一夫によるラジオドラマを原作とした恋愛物語である。

あらすじ編集

第二次世界大戦末期の昭和20年5月、東京大空襲の夜に出会った後宮春樹氏家真知子は、一晩中逃げ回って命からがら生還を遂げた後、半年後に数寄屋橋でまた再会しようと約束して互いに名前も伝えられないまま別れる。


その後、幾度となく再会しようとするが、戦後の混乱に巻き込まれるまま、なかなか再会は叶うことはなく………。


ラジオドラマ編集

原作となるラジオドラマは1952年から1954年に放送。実は当初の半年間は恋愛物語がメインではなかった

昭和20年代の東京志摩半島佐渡島を舞台にした社会派ラジオドラマであり、あまりにも重い内容から当初は人気が出なかった。

しかし物語の中心が真知子と春樹の恋愛に移ってからは「放送時間になると銭湯の女湯から人が消える」とまで言われるほどの大人気ドラマとなった。

その「すれ違い」の物語は恋愛物語パターンの一つとなっている。

キャスト編集

  • 後宮春樹:北沢彪
  • 氏家真知子:阿里道子
  • 加瀬田修造:古川ロッパ
  • 後宮悠起枝:夏川静江
  • 浜口勝則:臼井正明
  • 綾:七尾伶子

主題歌編集

「君の名は」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:高柳二葉

劇伴を担当したのは作曲家の古関裕而で、彼が主人公のモデルになっているNHK連続テレビ小説エール」でも制作現場が描かれている。

ドラマ内でヒロイン真知子を演じたのは恒松あゆみ、相手役春樹を演じたのは三木眞一郎だった。


映画編集

ラジオドラマの大ヒットを受けて1953年から1954年にかけて松竹で映画化された。

メイン画像と冒頭の合体事故の元ネタは第一部のポスターである。ポスターにあるように第一部の表題には「第一部」の表記は無く、ラストシーンで「君の名は 第一部 終」と表示される。

第一部には特撮に円谷英二が参加している。円谷は公開前年に公職追放を解除されて東宝に復帰しており、復帰前に受注したのではないかといわれている。


その人気により、真知子が巻いていたストールの巻き方が「真知子巻き」として流行にもなった。

この真知子巻きは北海道ロケで現地の寒さをしのごうとした岸恵子が、私物のストールを巻いて耳や頭をくるんでいたまま撮影したのが始まりで、アドリブに近いものであった。

第一部の冒頭、佐渡へ渡る船のシーンでも真知子はよく似たストールの巻き方をしている。

春樹役の佐田啓二は中井貴一の父親である。


タイトル公開日監督
君の名は 第一部1953年9月15日大庭秀雄
君の名は 第二部1953年12月1日大庭秀雄
君の名は 第三部1954年4月27日大庭秀雄

キャスト編集

主題歌編集

第一部「君の名は」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:織井茂子

「君いとしき人よ」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:伊藤久男

第二部「黒百合の歌」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:織井茂子

第三部「忘れ得ぬ人」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:伊藤久男

「数寄屋橋エレジー」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:伊藤久男

「君は遥かな」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:佐田啓二、織井茂子

「綾の歌」

  • 作詞:菊田一夫
  • 作曲:古関裕而
  • 歌:淡島千景

舞台編集

1954年に宝塚歌劇団によって舞台化された。脚本は菊田一夫。

舞台をポーランドワルシャワに移し、『ワルシャワ恋の物語』という副題が付けられた。春樹に相当する男役はジュリアン、真知子に相当する娘役はエリーナという役名だった。

配役編集

花組(11月公演)

星組(12月公演)


テレビドラマ編集

1962年にフジ、1966年に日テレ、1976年にNETでそれぞれテレビドラマ化された。


そして1991年にはNHK朝の連続テレビ小説として放送。通常半年の放送期間である朝ドラだが、なんと1年間通しで放送された。

これは年々視聴率が下降気味の朝ドラのテコ入れを兼ねてのものだったが、前評判に反して視聴率は振るわず放送中に何度もテコ入れが行われ、全6部構成となっている。

新潟県が舞台となった最初の朝ドラであり、2023年時点で三重県が舞台になった最後の朝ドラである。


なお、大河ドラマおんな城主直虎」第21回のサブタイトルである「ぬしの名は」は「君の名は。」が由来ではなくNHKとゆかりがあるこちらが由来と思われる。


ちなみにNHK朝ドラ版は真知子役・鈴木京香氏のメジャーデビュー作として知られるが、pixivユーザーにはある意味お馴染み倉田てつを氏が春樹役を張っていた事でも知られる。特撮ヒーローを演じた俳優が朝ドラでメインキャラを演じた事例の原点といえよう。

NHK朝ドラ版キャスト編集

主題歌編集

「君の名は」

挿入歌編集

「黒百合の歌」


余談編集

物語の冒頭にある「東京大空襲」とは有名な3月10日に行われたものではなく、5月下旬に行われた最後の空襲のことである。東京駅丸の内口の駅舎が焼失したのもこの空襲。

ふたりが再会を約束した数寄屋橋は映画の完結後1957年に首都高速道路の建設に伴い撤去されてしまった。現在では数寄屋橋交差点付近にある数寄屋橋公園に菊田一夫の筆による数寄屋橋の石碑が残されている。


初代ゴジラとほぼ同時期の映画と思われがちだが実際には『ゴジラ』よりも半年前の1954年春に完結している(『ゴジラ』公開は1954年11月)。しかし完結編となる第三部は東宝の黒澤明監督作品『七人の侍』と激突し、1954年度の配給収入は同時期の『七人の侍』はもちろん後発のゴジラをも下して第1位を記録した。

2016年にほぼ同名のアニメ映画と『シン・ゴジラ』が公開された(こちらは前者は8月、後者は7月公開でほぼ同時期である)ことにより、ゴジラとの因縁が運命じみたものになった(どちらも同年に公開され、ゴジラの観客動員数を喰っている)。


もちろん『君の名は』と『君の名は。』にストーリー上の繋がりは無いが、会いたいのになかなか会えずすれ違う二人という点では同じである。このタイトルに引っ張られて観てしまったご年配の方もいたとかいないとか。

また『君の名は。』は公開当初実質メインとなるロードショー館が無くシネコンのみでの上映だったが、あまりの人気ぶりに急遽『TITANIC』や『アナと雪の女王』で知られるTOHOシネマズ日劇1での上映が追加されるという異例の対応がとられた。そこはまさに、『君の名は』で二人が再会を約束した数寄屋橋に建つ当時も今も日本一の大劇場だったのである。


2017年の大みそかに、テレビ神奈川が第一部限定ではあるもののテレビで放送された。どう考えても『君の名は。』がテレビ朝日系列で2018年に地上波初放送される事が影響を受けているのは間違いない(参考リンク)。

この放送が好評だったのか、テレビ神奈川では翌年の2018年3月21日に第二部を放送している。


関連リンク編集

君の名は - Wikipedia


関連タグ編集

ラジオドラマ

舞台 映画 テレビドラマ

恋愛物語

すれ違い

連続テレビ小説

倉田てつを 鈴木京香

エール(朝ドラ)

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