概要
本名:中井 寛一、(1926年(大正15年)12月9日 - 1964年(昭和39年)8月17日)
女優・エッセイストの中井貴惠と、俳優の中井貴一は実子である。
1947年(昭和22年)、木下恵介監督の『不死鳥』で、いきなり、大スター田中絹代の相手役に抜擢される。田中とのラブシーンは話題となり、早くもスターの地位を獲得。続いて、菊田一夫原作のNHKの人気ラジオドラマを映画化した『鐘の鳴る丘』に主演し、さらに人気を高める。
ほぼ同時期にデビューした高橋貞二、鶴田浩二と人気を分け合い「松竹戦後の三羽烏」と言われた。
その人気を決定的なものとしたのは、1953年(昭和28年)に公開された『君の名は』である。当時の大人気ラジオドラマを映画化したこの作品で岸恵子と共演し、名実共にトップスターの地位につく。
1956年(昭和31年)の小林正樹監督の問題作『あなた買います』では、札束で大学生を釣るアコギなプロ野球のスカウト役として伊藤雄之助を相手に鬼気迫る演技を見せ、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞の主演男優賞を獲得した。
1957年2月28日、松竹大船撮影所の前にあったレストラン「月ヶ瀬」の看板娘・杉戸益子と交際10年を経て結婚し、その後2人の子供(貴恵、貴一)に恵まれる。
1963年には、いわゆる「五社協定」を破ってNHK大河ドラマ第1作『花の生涯』に長野主膳役で出演した。
1964年(昭和39年)8月13日、妻子と共に蓼科高原の別荘に避暑に訪れる。8月17日、NHKドラマ『虹の設計』の収録のため東京へ帰る途中、乗っていた車が横滑りし、橋の柱に衝突する事故を起こし、搬送先の病院で死亡した。37歳だった。