ベルゼブブ←もしかして
CV:沼倉愛美
人物
強力な力を持つ魔族の女性。
見た目は主人公のアズサと同年代(アズサは外見17歳)だが、褐色肌で頭に2本の角が生えている。背中に虫のような羽をはやして飛行も可能。
正確な年齢は不明だが、本人いわく約3,000歳と、アズサの10倍は生きている。
「わらわ」「~なのじゃ」など、偉そうな口調で話し、「戦隊物の悪の女幹部」(アズサ談)のような露出が多めの服装を好んで着ている。
半面、性格は面倒見がよく、気さくな人柄。口調や格好とは逆に庶民派と言える。
魔族の国では農相を務めており、態度だけではなく本当に偉い人。秘書にファートラとヴァーニアの姉妹がいる。
仕事ぶりは非常にまじめで、さらには野心や権力に対する欲もない、よくある汚職大臣とは程遠い。
これらミスマッチさについては、彼女の過去が関係しているのだが…(後述参照)。
ハルカラの作った薬「栄養酒」がらみの一件でアズサと関わって以降、何かにつけてアズサの家に遊びに来るようになった。アズサにとっては友人であり、困ったときに頼りになる「お姉ちゃん」的存在。
戦闘能力自体はアズサに及ばないが(それでも、登場人物の中ではかなりの実力者)、農相としての人脈や魔族としての知識、魔族専用の魔法などを生かして何度もアズサを助けている。
また、子供好きな一面もあり、ファルファ&シャルシャを養子にしようと虎視眈々と狙っている。お土産などで二人を懐柔しようとしてはアズサが止めるのがお約束となっている。さらにアズサが毒キノコを食べて幼女の姿になったときは「天国なのじゃ~」と愛でまくっている。
過去
彼女の過去はスピンオフ小説で語られている。そのタイトルは
『ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました』
…このタイトルで気付いた人もいると思うが、ベルゼブブは元々エリートではなかったのである。
「ハエの王」の異名を持つ最高位の悪魔である「ベルゼブブ」の名を持つ彼女だが、本来の「ハエの王ベルゼブブ」は遥か過去の偉大な魔族であり、彼女自身は同じ名前をたまたま付けられた地方の青果店出身の庶民だったのである(本編では「上級魔族」と自称しているが、出自から元は下級魔族と思われる)。
本編の数百年前、ベルゼブブは農務省の下部組織でヒラ役人を長きにわたり続けていた。
と言っても成績や態度が悪いわけではなく、むしろ優秀だったのだが、責任が伴わないヒラのままプライベートでだらだら過ごしたいがため、適当に理由をつけて辞令を断り続けていたのだ(偶然にもレベル99が判明する前のアズサと似た生き方である)。
加えて目立たないように、ダサ目の服に伊達メガネ。家はアパートそのもので、そこでの格好はジャージ一択。口調も一人称が「私」といたって普通であり、何から何まで現在とは違う生き方をしていた。
そんなある日、新魔王「ペコラ」の即位式が行われ、そこで新しい閣僚人事が発表されたのだが、「あなたの成績で昇進していたら今ごろ大臣になっても問題ない」と、半ば強引に農相に任命されてしまう。
もちろん、「前例がない」「大臣は貴族が就くのが慣例」等と言って断ろうとしたが、ペコラに逆に言いくるめられた上に貴族の地位と屋敷(※)も与えられ、断りきれなくなってしまう。
農相をやることになった彼女が最初にしたことが、屋敷への引っ越しと、今の地味キャラでは確実に舐められるため、キャラを変えることだった。つまり、現在の口調も格好もすべては後付けである(今では完全に板についているが)。
その後も、「自分がヘマをやって失脚しては、自分を登用した魔王様にも迷惑がかかる」と、手探りの中、懸命に仕事や自主トレに打ち込み、周囲に徐々に認められていった。
また、実は本編の前にアズサやライカ、フラットルテ、ファルファ&シャルシャなどと会っているのだが、いずれも当時はあまり印象に残っておらず、お互いにおぼろげにしか覚えていない。
※与えられた屋敷は、元々アパート住まいだったベルゼブブには手に余るものであり、使用人も雇っていないため、生活に使っている1階部分はともかく、上の階は全く使っておらず埃と蜘蛛の巣まみれ。
庭も彼女の物になる前から放置されていたこともあって樹海と化しており、いつの間にかマンドラゴラのサンドラが住み着いていた。