『時として、人間的な場所が、非人間的な怪物を生み出す。』
──スティーヴン・キング
禍津ナギが登場する異空郷についてはこちらからどうぞ。
概要
種族 | 邪神 |
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二つ名 | 災厄の神霊・混沌の媒介者・忌み嫌われる邪神様 |
絶望のルーラー・風変わりな神様・巫女を守る傀儡師 | |
幻怪の邪神・阿鼻叫喚の傍観者・異空を彷徨う不可思議な厄神 | |
天泣の狐憑き・奈落の支配者・最凶最悪の邪神 | |
私欲の厄神・ミステリアスな邪神様・禁忌!禍の詰まった箱 | |
洒落怖!呪いの箱・邪悪の出所・腹黒な禍神 | |
黒風白雨の厄災・メシウマな殺人犯・梯子酒する悪神 | |
能力 | 禍を司る程度の能力 |
主な活動場所 | 如何なる場所でも |
危険度 | 極高 |
人間友好度 | 最悪 |
身長 | 取り憑いた相手によって変わる・本来の姿だと135cm |
年齢 | 不明 |
誕生日 | 7月9日(79=なぎ) |
五行 | 水 |
好きなもの | 金平糖・和食全般・動物・自然・負のエネルギー |
嫌いなもの | 人間・希望・辛い食べ物・苦い食べ物 |
趣味 | 最近は花を育てるのにハマっている |
生き物に例えると | 蛇 |
イメージ花 | 凪・チグリジア・クローバー・彼岸花 |
弱点 | 穢れを祓うことのできる能力・プラスのエネルギー・腕力がない |
嘘テーマ曲 | サイレントカラミティ〜Ominous fantasy |
愚陋愚劣な人間に禍を〜Girl dreaming of a genocide | |
狂気の深淵、そして歪み〜Chaotic mediator | |
死屍累々の頂点・ニヒルエレジー |
※ただし危険度や人類友好度等の評価などは作中登場人物の景里清良によるもの。
容姿
今は器である東雲枇文の姿をまねているらしい。実は、女性にでも男性にでもなれるらしく、特に性別なども決まってはいない。(この記事では''彼女''とする)容姿的には枇文の色違いで、青色だった部分が赤に変わり、白い部分が黒色に変わっている。髪は黒から白になり枇文に比べるとはねっ毛。目は青から真紅色になり、たまに真っ黒になったりする。普段はないのだが、力を使っている時に体の左側に禍々しい奇妙な痣がきざまれる。靴は少し赤みがかった黒い靴である。
本来の容姿
足まである長い白髪に、白い瞳を持っている。服も全体的に白く、三つの黒いリボンが目立つ服装。
ある事件があり左目を潰されてしまうが、姉である禍津ヤトの左目を代わりとしているらしい。そのため左目分のヤトの力も受け継いでいる。目が紅くなったのはヤトの目を代わりに入れてから。
性格
いつもは妙に明るくにこにこしている。時折芝居がかった台詞やミステリアスで何を考えているのか分からない笑みを浮かべては楽しげに微笑んでいる。ときたま狂気じみた発言や気が触れたような形相を浮かべる事もある。精神攻撃を得意とし、言葉巧みに相手を貶めたり、相手の心の隙につけ込んだりと、いつのまにか彼女の手のひらで踊らされていたりする。それもあってか幻想郷の中でも最強と謳われる狭霧鶯にさえ引けを取らない。嘘をよくつく二枚舌。内心は極めて狂気的、残虐非道で拗けた性格。表面上には出さないが、過去のこともあり人間をあまり好いてはいない。しかし人間だというだけで嫌うことはなく、枇文のようにお気に入りの人間もいる。本来の計画の為なら神様でも妖怪でも欺き利用する。自分の邪魔になればすぐ切り捨てたり裏切ったりする邪神の名に恥じない性格となっている。その性格のせいで大体信用されないし、種族などを問わずだいたい嫌われる。だが、妖精などの比較的弱い立場の者や無害で純粋な心を持っている者には好感を示しており、自身の計画に巻き込んだりしない、してもきちんと守りはするとちゃっかりしている。そのため純粋な性格や少し癖のある子に懐かれやすく、ナギ自身も意外と友達感覚で接している。そのため一部では「素の彼女は優しいのかも?」と囁かれている。しかし、父親への復讐に関連する事柄に対しては彼女は善の感情を消し、どんな者でも邪魔をすれば倒し、殺めることも厭わない性格となる。しかし、そんな状態でも一様警告はしてくれる。基本、わざと彼女を怒らせたりしなければ、残虐性もなく、拗けた部分や少々狂った側面を見せるものの、邪神にしてはフランクな態度で接してくれる。
しかし人間らしい面も持っており実は甘党らしく、苦いもの辛いものが苦手な子供舌である。甘いもの全般は何でも好きらしいが、特に金平糖が大好きである。金平糖は初めて口にした食べ物であり、それは姉がくれたものである。なので、いつもどこからか金平糖をとりだして食べていたりする。悪心を持った人間や父親以外には彼女なりの優しさで接しており、特に自分と境遇が似てる子供や、人間に危害を加えられている動物や自然などにも優しい。か弱い妖精や妖怪などにも少し遠回りではあるが手助けをしていたりする。因みにナギを人間基準の年齢にすると、枇文より年下であり、クランベリーより一つ二つ上ぐらいの歳らしい。いわゆるこれ。「邪神らしい面と善神らしい面を持っている、物凄く変わった奴」と枇文に評されている。
昔の性格
温厚で優しく、困った人には手を差し伸べて、助けが聞こえれば自分を犠牲にしてまでも助ける根っからの善人である。ただ、結局は禍の神であり、良いことをしても自分に返ってくるのは災いばかりだったらしく、いくら良い行いをしようが報われることは無かった。禍の神にしては純粋すぎたのだ。それでもナギは困った人や妖怪を救うのをやめなかったらしい。ましてや人を殺めることや殺めようなどとも思ったことはなかったのだが...。一人称は「私」である。
能力
禍を司る程度の能力
禍の源であり、禍を司る神でもあるのでこの能力は彼女に適した能力である。全ての災厄、凶事をコントロールできる能力であり、逆に言えば災厄を取り除き幸福を運んでくることもできる。悪心を抱えた者を操ることもでき、呪いや黒魔術なども災いを招くことからこの能力の操れる範囲内である。その他の災厄系の能力で効能は最優先される。憑依談では空雪姉妹と対峙したさい、夕星が神百の能力によって過去を書き換えられそうになったとき夕星自身がその事を不幸に思ったことで、能力を発動させ守ることができたという例もあり、まだまだ未知数なところが多い、可能性のある能力である。
人や物に乗り移る力
普段は枇文の体に完全憑依しているが、他の者にも完全憑依さえすれば乗り移ることができるらしい。しかし、完全憑依した際の主導権は取り憑かれた側が握っているので、魂のような形で出てくることはできるが実体として出てくることはできない。そのためスレイブ側の際は会話はできるものの、相手と弾幕勝負をしたり接触したりなどは取り憑いているマスター意外とはできなくなる。他にも彼女には決まった姿、形がない為、見た相手の容姿を真似する事もできる。対象が物になれば、自分の意識を分担させ、複数の物を一気操ることも可能になり、容易く乗り移ることができる。
マイナスの感情とプラスの感情を感じとる能力
ナギは人間・妖怪・神様等のネガティブな感情・マイナスな感情・負の感情をエネルギーとしており、負の感情が途絶えない限りナギは死んだ(倒された)としても何度でも蘇生することができる。この世から負の感情を一つ残らずかき消すことはナギ本人や瀬織意外には難しい。その反対であるプラスの感情やポジティブな感情などを嫌う。彼女の力はマイナスな感情、それを持った人や場所に近いほど強くなり、プラスな感情、それを持った人や場所に近いほど弱まる。だが、その場にあるポジティブ、プラスな感情などは自身の能力でかき消すことも可能ではあるが、その環境などによっては多少時間がかかることもある。
武器
ナイフ
ナギのメイン武器。お祓い棒の代わりだろうか。基本はこのナイフで攻撃をする。切れ味は抜群。
ナイフ型弾幕
黒色と赤色の、弾幕でできたナイフで攻撃してくる。が、時々本物が混ざっていたりする。
戦闘能力
本人の力はそこまで強くないのだが、彼女の能力と持っているナイフがそこをカバーしてくれている。なので、ナイフや能力を抜きにした戦闘では少々ふりである。しかし、身体能力は並大抵の人よりも高く、そのため素早い。なので、能力などを抜きにしたとしても、体術で戦うことは可能。彼女の持つ包丁は、一発の威力はそれほどでもないのだが、彼女の並外れた身体能力とあわさることにより、相手を連続で斬り刻むことが可能となり、何回も斬り刻まれ蓄積されたダメージは計り知れない。腕力は、ナギ>枇文 素早さは、ナギ>枇文 身体能力は、ナギ=枇文である。
弱点
彼女は禍を祓う能力を持った者に弱く、彼女の過去を唯一知る早川瀬織も禍を祓う能力を持っており、近寄りがたいそう。ナギは自身の父親を深く憎んでおり、父親のこととなると情緒不安定かつ、感情的になり暴走し始めてしまうので父親の話は極力避けた方がいい。
憑依
彼女は東雲枇文に鶯によって封印されていたのだが、今はそれを食い破り完全憑依という形になっている。普段は内側から枇文に話しかけている。枇文はナギのことをその性格もありあまり好いてはいない様子(でも意外と仲が良さそう)枇文と交換する形で彼女は現れる。人格を交換(乗っ取る)することで、内側にいる時には出せない力を解放することができる。最初の頃の人格交換の主導権は枇文が握っていたが、長く憑依してる内にナギからでも交換することができるようになった。人格がナギに切り替わった時に、服の色、目や髪の色が変わるのは枇文が「人格がナギなのに私と思われたらたまらない」ということでナギに見た目を多少変えさせている、なので見た目が枇文のまま人格だけがナギという事も出来てしまうので、時折それをナギが利用することもある。
人格が枇文だった場合、記憶はナギに共有されるらしいのだが、逆に人格がナギの時の記憶は枇文には共有されない。理由は枇文の人格の時、ナギは枇文の体の中から魂のような形?(体が透けたような見た目で)でてきて会話などに参加していたりするので記憶が共有されるそうだが、ナギが主人格の時枇文は会話に参加しているときもあるのだが、ナギの力によって強制的に交換できなくされて、渋々自分の人格が戻ってくるまで待っているそう。枇文に普段から憑依し続けるのは、ナギが枇文のことを気に入っているという理由もあるが、枇文の結界を管理できる力を利用し、外の世界に逃げた自身の父親に復讐を果たすことが本当の理由である。しかし今の枇文の力では鶯の張った結界を破ることができないので、異変などについて行き枇文にアドバイスをしてあげたりして枇文の強さを高めている。
名前の由来と元ネタ
禍津は元ネタの禍津日神から、ナギはイザナギのナギからである。
他にも、禍津ナギ→禍繋ぎ という解釈もできる。名前の発音の仕方は「ま↑が↑つ↓な↑ぎ↓」である。
ナギは大禍津日神と八十禍津日神が元となっており、ナギ一人で2人分の禍神の力を持っている。八十禍津日神のポジションはナギの姉ヤトだが、ヤトがナギに力を託したことによりナギは2人分の力を持っている。
逢魔時
逢魔時(大禍時)、つまり夕方の薄暗くなった時間や昼と夜の移り変わる時刻。 黄昏どきなどに彼女の力は普段の何倍も増すらしく、その時間になると出てくる魑魅魍魎共を従えているらしい。因みに、ナギに関係するこの「逢魔時」だが、対義語が「東雲」であり、枇文の苗字とかけられている。
チャームカード
- 滄溟郷
禍符「ダークネス・デプレッション」
暗鬱「デスぺレート・ホリブルナイト」
- 蓮華道
暗鬱「デスぺレート・ホリブルナイト」
憂鬱「エンヴィー・ルサンチマン」
虚符「インフィニティヴォイド」
厄符「オーメン・カタストロフィ」
- 童妖牙
暗鬱「デスぺレート・ホリブルナイト」
虚空「アンノウン・ゼロ」
禍符「アングザイアティ・ミゼラブル」
不運「アディクト・ミスフォーチュン」
禍符「ペルソナノクターン」
幻想「ポジティブ・イリュージョン」
禍符「デュアルアンチテーゼ」
禍心「幸災楽禍」
惨禍「死屍累々」
禍符「ブラックリリカル」
虚符「ブラフ・パライソ」
邪符「ハピネスナンセンス」
- 隠林伝
暗鬱「デスぺレート・ホリブルナイト」
憂鬱「エンヴィー・ルサンチマン」
虚符「インフィニティヴォイド」
厄符「オーメン・カタストロフィ」
虚空「アンノウン・ゼロ」
不運「アディクト・ミスフォーチュン」
厭世「ペシミスティック・アンハッピー」
惨憺「クルエル・シャーデンフロイデ」
禍符「シニカル・アイロニー」
失恋「サイコロジカル・ハートブレイク」
禍福「エフェメラル・ハッピー」
邪符「オルタナティブ・インベーダー」
邪符「アイデンティティ・クライシス」
「イクスクルーシーエイティングリィ・ネガ」
- 彼岸魂
禍符「ダークネス・デプレッション」
邪符「エクスクルシュマティング・アブジェクト」
虚符「ドラマティックアイロニー」
- 東天紅
虚空「アンノウン・ゼロ」
禍符「アングザイアティ・ミゼラブル」
不運「アディクト・ミスフォーチュン」
禍符「ペルソナノクターン」
幻想「ポジティブ・イリュージョン」
惨憺「クルエル・シャーデンフロイデ」
虚符「キャットウォーク・ヴォイド」
禍符「ブライトネス・フィロソフィー」
紅符「バイオレンス・アンハピネス」
邪符「シニスター・カラミティ」
災厄「オミナスディザスター」
「ファシネイト・インサニティ」
「イクスクルーシーエイティングリィ・ネガ」
- 正翔船
禍符「ダークネス・デプレッション」
禍母「椿説弓張月」
- 無頂色天
暗鬱「デスぺレート・ホリブルナイト」
虚空「アンノウン・ゼロ」
禍符「アングザイアティ・ミゼラブル」
不運「アディクト・ミスフォーチュン」
禍符「ペルソナノクターン」
幻想「ポジティブ・イリュージョン」
厭世「ペシミスティック・アンハッピー」
虚符「キャットウォーク・ヴォイド」
禍符「ブライトネス・フィロソフィー」
紅符「ブラッディコフィン」
禍殃「デストルドー・タナトス」
惨憺「バイオレンス・サイコパシー」
「ムーンストラック・ファジーナイト」
「イクスクルーシーエイティングリィ・ネガ」
- ミステリアスインシデント
斬符「対パパラッチ用撃退ナイフ」
斬符「戒めのカットアップブレイク」
暗鬱「ダークサイド・カルネージ」
- 聖霊廟
禍符「ダークネス・デプレッション」
- 感呪論
失恋「サイコロジカル・ハートブレイク」
暗鬱「メランコリーリフレイン」
厄災「パンドラ・モノクローム」
禍符「ファビュラス・アンハッピー」
暗鬱「トラッシィ・ポジティブシンキング」
「イクスクルーシーエイティングリィ・ネガ」
- 城土封
禍符「ダークネス・デプレッション」
- 怪奇録
禍符「ダークネス・デプレッション」
失恋「サイコロジカル・ハートブレイク」
暗鬱「メランコリーリフレイン」
虚符「ラジカル・パラノイア」
暗鬱「エニグマ・ララバイ」
墓跡「80kgの御影石」
斬首「ハローイング・スタブワウンド」
*箱庭ノ幻葬想儀*
- 奈楽華
禍符「ダークネス・デプレッション」
- 異無崩
寒凪「スニーアアンハッピー」
- 憑依談
禍符「ダークネス・デプレッション」
失恋「サイコロジカル・ハートブレイク」
暗鬱「メランコリーリフレイン」
狂星「アステリズム・ホリブルナイト」(スレイブ/九霄夕星)
邪恋「サイコロジカル・クローズユアハート」(スレイブ/雪月夜いろは)
禍幻「メランコリー・パラレルドリーム」(スレイブ/狭霧鶯)
「リベリオンファンタズム」
*箱庭ノ幻葬想儀*
- 幻獣鬼
禍符「ダークネス・デプレッション」
人間関係
東雲枇文
表面上では手を組んでいるが、実際はお互いに利用し利用される関係である。自身と反対の立場であり善悪としても対立している。それと同時に、同じ境遇同士と思っており、自分のことを本当に理解できる人だと思っている。枇文と他の敵の戦いには手出しはせず、アドバイスなど気が向いたら少し話を挟む程度(そうでない時もあるが)。ナギは枇文に対して自分のことを嫌ってほしいという願望があり、それは自分を枇文の中で、誰よりも一番嫌悪、恐怖し、自分のことを忘れないでほしいという裏返しである。つまり、「誰と戦ってもいいし、誰と親しくなってもいいが、いつも必ず自分こそが枇文にとって特別な存在だと認知していてほしい」ということ。
しかし、それと同時にこんな自分を枇文に救ってほしいという気持ちが無意識に少なからずあり、本人は気づいていないが、唯一理解してくれる存在だからこそ、助けてほしいと思っている節がある。ナギは枇文に自分を嫌悪させたい気持ちもあるが、枇文を想う気持ちも強く、自分にとって大きな存在、特別な存在、かけがえのない者と思っている。誰よりも優先すべき存在であり、目に見えるほど枇文に対しての執着は凄まじく、渇愛している。嫌ってほしいが好き(特別)でいてほしいという感情で、共依存の関係を望んでおり、枇文に対して自分を特別だと認めるよう促す場面も見受けられる。そのため、枇文が自分と同じ境遇から外れるような出来事があれば原因を排除するという、逃がさないという決意まで見られる。普段は利用し利用されつつの関係で理解を深めあおうとしたり、話術で枇文に自分を愛憎させ執着するよう仕向けたりする。そして、しばしば敵として現れ弾幕勝負を挑み、自身の歪んだ部分に触れさせ、この歪みを理解できるのは枇文だけ、そしてお互いに大きな存在であるということを認識させようとしている。
九霄夕星
バックストーリー
ナギの父(名前不明)は、自身の亡き妻に会いに行くため、黄泉の国へと赴く。黄泉の国で亡き妻と再会したものの、黄泉の穢れにより変わり果てた妻の姿を見て驚き、それに怒った妻はナギの父を追いかけ回した。その後何とか逃げ帰って来たナギの父は、黄泉の穢れを禊で祓う。その時に産まれた禍の神こそナギである。因みにヤトというナギより先に産まれた実の姉がいる。ナギの母はというと、黄泉の国の神となり(元ネタは黄泉津大神だと思われる)、夫を今もを恨み続けている。ナギの父親は妻のことでそうとう参っており、精神的なショックも大きかった。いつしか「''黄泉の穢れ''から産まれたナギ達が自身に不幸を招き入れた。」と考える様になり、自身の行き場のない不安と怒りの感情をナギ達にぶつけた。姉のヤトは何も言わず至って冷静だったが、ナギはヤトより幼く父親の心情なんて理解できるわけがないため、わけもわからずただ「ごめんなさい」と謝り続けいつもナギは自分に対して酷いことをする父親の気持ちを理解しようと必死だった。
ナギが少し育った頃、日頃の父のナギへの行いを見かねたヤトはナギを連れ出し父親の元から逃げる。ヤトとナギは人里へとおりるが、そこでも居場所がなかった。ヤトに止められたが、父親から逃れられたことで希望を持ったナギは、人里の人間と友好関係、いわゆる友達というものを作りたいと思っていた。父親のもとにいた頃は他の兄弟、家族からも嫌われており、一緒に遊ぶような相手は姉ぐらいしかいなかった。ナギは人里の人間と仲良くなるために自身の能力で災いから守ってあげたり、困っている人間を助けたりと人間のために行動をするようになった。しかし、所詮は「禍の神」であり、人間はナギ達を差別し恐れた。人里に姿を見せれば、ナギに良き感情を持っていない者から、ナギを里から追い出し名誉を得たい者まで色んな人々が抵抗してこないナギを一方的に痛めつけた。ナギ達のいないところでは彼女達の悪い噂を流し、なかにはナギの良心につけ込み、自分の利益のためだけにナギの能力を利用する者もいた。それでもナギは人間と和解しようとし、利用されていると知りながらも自身の能力を人間のために使った。しかしそんなことをしても「今更善神ぶるなこの偽善者」と言われ続けるだけであり、ナギも日に日に自分のしていることが本当に正しいことなのか分からなくなっていった。
ある日、ナギは出来るだけ姿を見られない様人里の裏道を歩いていると四人の人間と出会う。いつものように何か言われるんだとナギが思っていると、その人間達はナギを探しており一緒に遊びたいと言う。それを聞き、「今までしてきたことは無駄じゃなかったんだ!」と大はしゃぎをし、溢れ出す嬉しい気持ちをなんとか抑え、その人間に連れられ魔女の森へと向かった。魔女の森につき何をして遊ぶかと問いかけると急に背後から体を抑えられ、身動きをとれなくされる。状況を理解できないナギに四人の人間のうちの一人が懐からガラスの破片をとりだし「人里から出て行けこの化け物!一生その面を見せるな!!」と言い放ち、必死に抵抗をし恐怖で歪んだ声をあげるナギの目に破片を突き立てた。その人間は自身の母親が突然重い病を患ったことをナギのせいだと思い込み、一方的な逆恨みという形で報復をした。
当然ナギの左目は機能しなくなっていた。激しい苦痛と浴びせられた言葉のせいで頭が負の感情でごちゃごちゃになったナギは感情を制御することができなくなり、その負の感情にのせる様にして、無意識的に能力も放出した。能力の前に四人の人間は無力であり血液を滴らせながら朽ちていった。その負のエネルギーは人里全体にまで及び、人里は一種のパニック状態だった。その負のエネルギーの処理は狭霧鶯率いる数名の妖怪や神様が行っていた(この負のエネルギーによって力の弱い妖怪達は凶暴化した。その凶暴化したうちの一人がメアリーを唆した妖怪であり、この負のエネルギーを処理している時に枇文とメアリーの戦いは起こっていた。鶯は処理で手一杯だったため、枇文とメアリーが戦っていたことには気づいていなかった模様。鶯は旧巫女に処理の手伝いを頼んでおり、その処理をする途中で旧巫女はメアリーと出会したと思われる)。その後意識を戻したナギの目の前に広がっていた光景は血だらけになり原型を留めていない人間と、自身の体にべったりとついた返り血であった。その光景を目にしたナギは、吹っ切れたような、ナギの中で何かがぷつんと切れた音がした。
その後帰ってきたナギは、今までのヤトの言葉を理解したようで、ヤトに植え付けられた意識を悔やみその場にいたヤトの左目を報いと言わんばかりに奪いヤトを黄泉の国へと追い返す。そしてナギは自分を突き放した父親と人間を憎む様になった。人里に何度も禍がもたらされたら危ないと考え、人々はナギを祀ることで災いから逃れようと祈願した。だが、ナギはそんな人間を見て、「私達を忌み嫌っていたくせに今更手のひらを返す。人間は愚かだ。」と思い、能力の影響を解かず人里を後にした。その後魔女の森内でレイラに出会っていたりする。一人になりたい気分だったナギは人気の少ない神社の方に必然的に歩みを進めていた。その途中、強い負のエネルギーを感じその心地よい感覚に誘われて近づいて行くとメアリーと枇文が戦っている場面に出会した。姉の左目がまだ完全に馴染んでいなかったナギは枇文に「その体に憑依して負のエネルギーを吸い取らせてくれたら力を貸す」と言い、それに承諾した枇文に取り憑きメアリーを倒した。その後意識の戻った枇文が目にした光景が自身と似通っていることを感じたナギは枇文に対し親近感を抱いていた。その後左目を馴染ませるため枇文の中でエネルギーを吸収していた時に、ナギが人里を騒がせた犯人ということを知った鶯によって枇文の体の中に封印される。ナギ自身は好都合だと考えており、そのことを運命だと受け入れている。