概要
公安とは治安維持を意味する単語である。組織またはその構成員を指す場合、日本では主に以下の二つの組織のどちらかを指す。
- 公安警察 警察庁警備局を中心とした日本の警察機構における公安部門。本記事で扱う
- 公安調査庁 法務省の外局。公共の安全に反する団体や諸外国に関する情報収集を任務とするが警察官としての権限は持たない。 → 公安調査庁を参照。
この両者とも公安と略すことがある治安維持組織なので、どちらを指すかは文脈を考慮する必要がある。また区別する為に公安調査庁を公調、公安庁などと略すこともある。
その他にも、以下の組織がある。
- 公安検察 検察庁公安部。検察庁の公安部門。
- 公安審査委員会 法務省の外局。
- 国家公安委員会 警察庁を管理する内閣府の外局(行政委員会)。
- 公安委員会 都道府県に置かれる警察を管理する行政委員会。
公安警察
日本警察の中で国内外のテロリスト、過激派などを捜査対象とする部門。機密性が高く、違法捜査に当たるような捜査手法を使うこともある。知られている事例としては、例えば盗聴(1985年日本共産党幹部宅盗聴事件)、個人情報収集(2010年警視庁国際テロ捜査情報流出事件)、身分を詐称した潜入捜査(いわゆるスパイ、1952年菅生事件)など。
組織系統は日本警察の統括管理を行う警察庁の警備局を頂点に、各都道府県の警察に置かれた公安部、警備部、及び日本中の警察署の警備課などを指揮監督する。指令の内容によっては各都道府県警察の幹部を飛び越えて指示をすることもあり、その辺りは一般的な警察組織とは異なる。
戦前でいう特高警察の後継組織である為、初期は主に日本共産党などの左翼政治勢力を監視対象としているとされ、しばしば共産党の抗議も受けた。しかし実際にはこれも特高警察同様に右翼団体の活動も監視しており、さらに近年は宗教団体や諸外国系の政治団体など監視対象も多様化しているとされる。
公安警察組織
警察庁警備局(公安警察の頂点。司令塔。)
警視庁公安部(日本最大の公安組織)
各都道府県警察本部警備部
警察署警備課
公安警察が登場する主な作品
関連項目
特別高等警察(戦前における公安警察)