身体的特徴
四肢の指が偶数で、それぞれの指に蹄を持つ。歩く時は中心2本の指(主蹄)に力がかかるようになっている。かかとにあたる部分に小さな蹄が2つあり、副蹄とよばれる。
同じく四肢に蹄を持つウマ目(奇蹄目)との共通点は、収斂進化によるものとする見解が現在では有力である。
分類
大変繁栄している動物群であるが、ウシ、シカ、キリンなど複数の胃を持つ反芻動物(反芻亜目、ウシ亜目)がその繁栄の中心である。反芻動物は他の哺乳動物が消化できない食物繊維(セルロース)を複数の胃の中の微生物に分解させ、その代謝産物と微生物そのものを消化することにより活用する。この消化能力に奇蹄目は対抗できず、その種数を大幅に減らすことになった。
反芻しない偶蹄目は、カバ(カバ亜目)及びイノシシ(猪豚亜目、イノシシ亜目)、足の構造が少々特殊なラクダ(核脚亜目、ラクダ亜目)に大別される。近年ではクジラ(イルカを含む)がカバに近縁であると見做されるようになり、クジラ亜目として位置付けられる。それらも含めて「鯨偶蹄目」と呼ぶ事も多い。