CV:伊藤健太郎
概要
ただし、その存在自体は1作目にて示唆されていた。
神としての名は無慙。彼の在り方を象徴する「無慙無愧」に由来する。
黒白のアヴェスターにおいては、神になる前の彼が謎めいた黒騎士という姿で登場。彼が神に至るまでの軌跡が語られる。
来歴
彼の次代であるネロス・サタナイルによると始まりから人ではないとされる。
第一神座時代では二つの相争う勢力のうちの片方、義者の中枢である聖王領に属する人物であった。
20年前以前は全てに対して無視を決め込むなど、後の神格達にも通じる世界から乖離した人物。そんな彼でも当時の聖王領の勇者であった兄ワルフラーンにだけは常に罵倒するという関係があった。
だが、20年前に七大魔王の一柱である破滅工房・クワルナフの襲撃でワルフラーンを失ったことで大きな慚愧を抱くようになった。その兄の死は、それを目撃していた全ての生存者に異常をきたすほどの凄惨なもので、避難した9割以上が発狂死し、生存者には大きな傷を残した。
黒白のアヴェスター本編時には謎めいた命令違反の常習者である聖王領最凶の戦士となっている。全身を血に染まった黒い甲冑に身を包み、一切の素顔を晒さない。
口を開いても殺意そのものの言葉しかない。
第一神座の戦いの果てに、対立し合う義者と不義者無関係に当時の宇宙の全生命を絶滅させて、神座へと登り詰めて当代の神であった真我を討ち、新たな神・無慙となった。
統治する第二神座においては、新たな神に到達する者を待ち続け、ついに現れたネロス・サタナイルを前に生涯唯一の安堵を抱いて、サタナイルに座を譲った。
殺し合いにおいては生涯無敗であったとされる。
神座に秘められた機構、極奥神座においては二度とその顔と声を見たくも聞きたくも無かった真我と不本意な再会、理想を託したサタナイルと再会、以降の時代に現れた新たな神と対面となった。
人物
神になる前と神となった後では人物像がいくつか乖離しているが、共通項としては悪に対する異常な殺意と憤怒と怨嗟があげられる。第一神座時代の善とされる側の勢力に属する者は破滅的だったが、彼だけはその全てが桁が違った。怨念だけを武器に戦い続けた男。あえて一言で言うなら、その在り方は無慙無愧。自分がどんな所業を行おうと、恥じない、悔いない。
彼にとって味方なんて概念はなく、存在するのは敵と敵の敵のみという苛烈な価値観。パンテオン結成時でもそれを宣誓し、全てが終わったら歴代の神座を全て殺戮する気であるとかなりの危険人物。
悪の絶滅に関しては無駄なことは一切せず、合理的な行動しかしない。
自分の体を両断されても、両断して殺害できたと思っている敵の虚を突いて、自分の臓物を撒き散らしながら攻撃してくるなど彼の思考には攻撃以外の文字は無い。
第一神座においては、そんな彼を信仰するものが善悪問わず全員で、全ての時代を見てきたコウハ曰く、「第一神座のヒーロー」とされる。
そんな彼でも、自分が理想を託したサタナイルに対しては自分のスタンスは納得しろとは言わないが理解しろという通り苛烈な彼としては柔らかい対応をしている。
波旬が滅尽滅相しようとしたことについては、案外似た者同士だと自嘲している。
破天荒に見えるが、真面目な男で曖昧なことを許さず、全てを理解しなければならないとしている。理解しないまま物事を進めても、より上のわからない理屈によって全て潰されるために、そうすることを選んでいる。
能力
武才は無いが、殺し合いに関しては異常に強い。
戦士としては、星霊加護を複数重ねがけしたことで発生するバグを攻撃に転用するという手段で戦う。普通の戦士なら、自爆同然でしかない技。
第一神座時代の異能である戒律を三つも有している。神としての彼は神座の歴史においては、攻撃性能では波旬と同列に挙げられるほどの極めて高い殺生能力を持つ。
絶し不変なる殺戮の地平(サオシュヤント・アウシェーダル)
縛り | 「殺意以外の物理接触の禁止」 |
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効果 | 自他の殺意を自身の攻撃力に変換する |
第一戒律。マグサリオンの異常な攻撃力の源であり、格上であっても殺害できる力を持つ。
絶し不変なる凶剣の冷徹(サオシュヤント・マーフ)
縛り | 「常在戦場であること(瞬き、睡眠、飲食、排泄、武器を手放さない、殺し以外の思考はしないなどの殺し合いに関わらない広範囲のことの禁止、隙を一切見せない)」 |
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効果 | 第六感の強化 |
第二戒律。具体的な効果は事象に隙間を捻じ込み、強大な敵でも隙を強引に作り出して殺戮する機会を作り、また敵の攻撃をずらす。第一戒律との連動でそれはさらに研ぎ澄まされ、己を殺戮の凶器である剣とする、もはや人間の生き方ではない戒律。
最後の一つは現時点では不明。
縛りの内容は不明だが、敵を理解してその矛盾を暴き立て、真実を白日の元に晒せば、どんな敵に対しても特攻性能を獲得できる解体の刃とも言うべき力を持つ。縛りに近いかと思われるのが、他者に自分を理解されてはならないということ。魔王の惑星の破壊が当たり前な上位二人を連続討伐した後に下位の魔王にその真実を暴かれそうになった時には不壊であるはずの体を傷つけられていた。
三つの戒律とは別の異能もあり、それは剣を振るうだけで世界そのものを斬り裂くもの。こちらは三つの戒律とは違い、マグサリオンが自分の慚愧を晴らすことができてないために制御不能となっている。
他作品での活躍
PARADISE LOST
この作品ににおいては世界に原罪をもたらした者(神)として登場。
ラスボスであるネロス・サタナイルが打倒すべき存在としている。
しかし詳細な描写は少なく、以後に見られる設定がこの時点であったかどうかは不明。
神咒神威神楽
神座の世界における二つ目の世界「堕天奈落」(=PARADISE LOSTの時代)を作り上げた二代目の神と作中で紹介された。
二つの陣営に分かれて永劫の闘争を続ける世界で、悪を滅ぼしたくとも滅ぼせぬ世界に悲憤した、高い知性を持った統治者の老人……と語られていた。
Dies irae PANTHEON
だが、上述の経歴は波旬を本尊とし、神座システムそのものを憎んでいた邪教団・転輪王の花輪(サンサーラ・ヴァルティン)の主観に基づくものでしかない。
のプロローグとして明らかになったその真実はもっと苛烈かつ、波旬に並ぶ最大規模の問題児であった。
3作目のイメージとは異なり、ダークスーツに身を包んだ若者の姿となっている。
パンテオン結成時にはあの波旬に喧嘩を売るというとんでもないことをかまし、誰もが驚く驚愕のことをやってのけた。
余談
このように物語の主人公として極めて異端であり、彼の視点から話を展開することは(共感しにくい、様々な行動をとらせづらい、謎が多いことが肝なので第三者視点から見る必要がある、といった理由からか)非常に困難と考えられる。
そのため、黒白のアヴェスターはヒロインであるクインから見た形(つまり彼女が実質的な主人公である形)をとっている。
こうした事情から、章によってはセリフがないどころか登場しないことさえある。
関連タグ
神座万象シリーズ 黒白のアヴェスター DiesiraePANTHEON
ネタバレ注意
その出生の真実とは、第一神座においてあらゆる枠から外れた正体不明の怪物である男、ワルフラーンと、神の代行者である神剣アフラマズダが人に憑依した状態が交わることで生まれた存在。それにより、神の代行者の因子を持つマグサリオンは始まりからヒトではない。
前述の理解した者への特攻能力と不壊の肉体はそれぞれ第二戒律と第三戒律に由来する能力。