「ワシの持っている車に似とるなあ…これワシの車じゃないか? ウヌは盗人なのか?」
概要
悪魔が人間の死体に憑依した「魔人」と呼ばれる存在である。本来ならば駆除対象となるが、魔人の中では比較的知能や理性が備わっていたため、4課のリーダーであるマキマが保護しデビルハンターとしての訓練を受けさせていた。
その正体は「血の悪魔」。本人によると魔人になる前は他の悪魔から恐れられる高位の悪魔だったとか。
デンジとバディを組んでからは彼と共に早川アキの家で暮らすことになる。
外見
頭頂部に二本の赤い角が生えたロングヘアの美少女。髪色は亜麻色だがピンクに見えることもあり、ファンアート等ではこちらの色で描かれていることも多い。細身だが巨乳……と思いきや豊胸パッドを着用している(貧乳を気にしているのではなく「付けると胸が大きくなる」のが面白いらしい)。
第一部ではこの容姿の持ち主、すなわちパワーが憑依した死体の女性の素性は明かされないままだった。外見年齢からすると10代後半で亡くなったと思われる。
瞳はオレンジ色で、照準の様な模様がある。
性格
一人称は「ワシ」。他者を「ウヌ(汝)」と呼び、尊大な老人語混じりの口調で話す。デンジ曰く「キャラ作り」。
好戦的で強気な印象を与えるが、実際は子供っぽくワガママで臆病。相手の強さによって態度が大きく変わる上に、逃げ癖や重度の虚言癖も判明している。(具体的には「麻婆茄子が好き」と注文したのに、いざ食べる時になって「野菜(=茄子)は嫌い」と発言。デンジに好きと言っていたことを指摘されても、平然と「そんなことは言っていない」と宣う。他にも、デンジの制止を聞かず勝手に民間デビルハンターの獲物を横取りした時、そのことを叱責されるとデンジの指示だと責任転嫁し、デンジに怖がられていた)
未収録の番外編ではコベニ姉妹が持参したおにぎりを脅し取ろうとするなど、欲深い面もある。
理不尽かつ奇天烈な言動が多く、虫を殺すのが大好き・入浴をしない・トイレを流さない・他人のポイントカードを勝手に使う・寝ているデンジの血を勝手に吸う・自分の記憶を都合よく改変する……など、主人公サイドにしては難がありすぎる性格。
自分の容姿が可愛いことも自覚しており、作中ではセクシーなポーズを決めることもしばしば。
擁護しきれないほどのクズっぷりだが、好意的に解釈するならば子供なだけ。素直な性格を垣間見せることもあって、徐々に愛おしく見えるようなそうでないような、不思議な魅力を放つキャラクターである。
対人関係
バディで同居人その1。バディを組んだ当初は喧嘩ばかりしていた(女性経験の乏しさから大体の女性に鼻の下を伸ばし、ゲロチューをされてもゲロは嫌がりつつも相手自体は嫌悪しないデンジがほぼ唯一険しい顔をする相手だった)が、岸辺による稽古や任務、早川家での共同生活などを通じて親しくなる。アキよりも先に懐いていたが、突然噛み付いて血を吸う癖は直っていない。
同居人その2。はじめはアキの作った料理の野菜を投げ捨てたり、盗みを咎められて逆ギレしたりとわがまま放題だった。しかしデンジ同様に共同生活などを通じて蛮行も改善しつつあった(アキの躾のおかげだろうか……)。
上司だが、異様に恐れている。彼女が目の前に居ると冷や汗をかき、口数も減って敬語を使うようになるなど、普段の彼女からは想像できない姿を見せる。
基本的に人間嫌いだが、動物や花を愛でる感性はあり、特に自分が拾った猫の「ニャーコ」を大切にしている。
戦闘能力
「血の悪魔」が人間の死体に憑依した魔人であるため、通常の魔人と同様に高い身体能力と回復力を持つ。
血を操る能力を持ち、自身の血を凝固させて武器を生み出す事ができる。自身や他者の怪我の止血などの応用も可能(本人は他人の血を操るのはあまり得意ではないと語っている)。
血から生成する武器はハンマーやナイフのような単純な近接武器がほとんどだが、あらかじめ瓶に入れた血を設置し、近付いた敵に向けて血の武器を射出するといった罠のような使い方もできる。
ただし、この方法はパワー自身の血を大量に消費するため、貧血になりやすいのが欠点。
ちなみに、血を飲みすぎると側頭部からもツノが生え、本人も驚くほどにパワーアップできる。
しかし、より傲慢な性格になってしまう危険性から、定期的に血抜きをする必要があるらしい。
作中での活躍
動向
「おうおう! ひれ伏せ人間!! ワシの名はパワー!」
「バディとやらはウヌか!?」
デンジのバディとしてマキマに紹介され、尊大な口上と共に登場。
喪ったポチタを想うデンジに「愚かな現実逃避」と言い放って神経を逆撫でする、民間デビルハンターが発見した悪魔を横取りして失点と見做されるなど、空回りが続く状態だった。
実はコウモリの悪魔にニャーコを人質に取られ、ニャーコを返してもらう為にデンジを売ろうとしていた。その後コウモリの悪魔にニャーコが食べられてしまい、「ポチタを二度と撫でられないと言っていたデンジの気持ちがわかった。酷い気分じゃな」と述べ、共に食われたが、デンジに助けられたことをきっかけに彼を信頼するようになる。
永遠の悪魔戦では貴重な兵糧を一人で全部食べた上で白を切るなど、そのトラブルメーカーぶりは健在。
その後、ゾンビの血を吸ってパワーアップしすぎたことから調整のために一時戦線離脱。初めての失恋を経験したデンジの元へ絶妙のタイミングで再登場し、図らずも彼を元気づけた。
闇の悪魔戦後には幼児退行を起こしてしまい、居もしない闇の悪魔の気配に怯えて夜泣き、デンジとアキに3時間おきに交代で監視させたり、入浴や着替えなど全ての行動をデンジに依存するようになる。その後はデンジらの甲斐甲斐しい世話のおかげか精神的に持ち直し、本来の調子を取り戻した。この出来事から絆が深まりつつあった早川家だが、銃の魔人の襲撃を受けてしまい……。
コベニカー
デンジの心臓争奪戦では、援軍に訪れた東山コベニの買ったばかりの新車に興味を示し、「ワシの車と似てる。もしやワシの車では? 盗んだのか? ウヌは盗人か?」と理不尽な脅迫を行い、無理矢理ハンドルを握る。直後、運転ミスでデンジと京都公安の黒瀬ユウタロウを轢き殺してしまう。
流石のパワーもやっちまったとばかりに脂汗を流していたが、次の瞬間、
「ウヌの車じゃ、ワシのせいじゃない」
と無茶苦茶な論理で平然と助手席のコベニに罪を押し付け出した。
しかも、あまりの酷さに泣き出したコベニに対し、
「まさか人のせいにするのか…!? この…人殺しがア!!」
と追い打ちの罵倒。過去最大級の理不尽っぷりを披露した。
だが、轢いたのが黒瀬ではなく彼に化けていた刺客(アメリカのデビルハンター三兄弟の長男)だったと判明するや、
「敵の正体に気付いてたのはワシだけだったようじゃなあ~!」
と言を翻して自分の手柄と主張するという、かなり浅ましい言動をとっている。
戦力として
4課の戦力として永遠の悪魔やサムライソードなど、公安メンバーと共に数々の敵を相手にする。雑魚相手には圧倒的な強さを発揮する一方で強敵からは早々に逃げるという相変わらずな一面も。その後の戦闘ではクァンシや闇の悪魔といった格上の相手との連戦でダウンを繰り返している。
#コンパスにワシも参戦じゃ!
NHN×ドワンゴにより共同開発されたTPS(三人称視点シューティング」リアルタイムオンライン対戦ゲームの『#コンパス』にてデンジと共に参戦。初めてのジャンプ作品からの出演となる。
パワーのロールはスプリンター。攻撃倍率が高めで攻める事を得意とするキル型スプリンター。『近』『周』の発動速度は速いので接近戦は勿論、広範囲にも得意とするがそれ以外は遅いので大方接近戦か広範囲攻撃がメインとなる。
アビリティ「ワシの名はパワー!」はライフが75%以上の時は必ず攻撃力が上がる。なるべく効果を維持したいが75%はかなり調整が難しいので『癒』などを使うか当たらないように立ち回りたいところ。
ヒーロースキル「勝負じゃ!勝負じゃ!戦いじゃ!」は攻撃範囲内で三回ジャンプ攻撃を繰り出す。一見シンプルだが狙った相手を撃破するまで攻撃を繰り返す。しかも攻撃時間は長く当たると必ずダウンするのでハマるとすぐ撃破されてしまう。ただし倒しきるかパワーの近くに相手が居ないとその場で攻撃するので使い道は考えよう。
余談
バスト76.1センチ説
初めてアキの家に来た時には胸に「76.1」と書かれたシャツを着用している。
何かの日付かスポーツ選手の番号かと思われていたが、胸パッドを外した胸囲がその程度であったため、ファンの間でこの説が広まる。
モデルは作者の知人?
作者は自身の好みを「高圧的で理不尽な女性」と語っている。彼の大学時代のエピソードとして、ある日学校で自分の自転車がひっくり返されており、その実行犯である知人女性に「お前の自転車をひっくり返してやったぞハハハ!」と言われた際に幸せを感じたというものがある。
いかにもパワーがやりそうなことであるため、パワーのモデルとなった可能性もなくはない。
人気投票
第1回人気投票では主人公のデンジやメインヒロイン(※)のマキマらを抑えて1位を獲得するという快挙を達成。人気投票結果発表のセンターカラーイラストでは制服姿のパワーがドヤ顔でポーズを決めるイラストが描かれた(いわゆる学パロ)。しかし残念ながらこのイラストは単行本ではカットされており、現在はジャンプ本誌と一部のグッズ、ジャンプ+の広告でしか見ることが出来ない。ちなみに第2回人気投票では3位。
※…2020年36・37合併号にて矢吹健太郎氏が描いたジャンプヒロイン集合水着ポスターでは、チェンソーマンのヒロイン枠としてマキマが描かれているため。
名前の由来など
ジャンプフェスタでは名前の由来が天使の階級である「能天使(Powers)」と判明。
また、性格のモデルは1998年のアメリカ映画『ビッグ・リボウスキ』に出てくるキャラクター(恐らくウォルター・ソブチャック)とのこと。
ちなみに作者が動かしていて一番楽しいキャラクターらしい。
CV担当について
パワー役のファイルーズあい氏はチェンソーマンのファンで、CVなどの情報が公開された生配信にてパワーのコスプレ(髪をパワーの角のようにまとめ上げ、服装も4課の制服のようなスーツ)で登壇した。
関連イラスト
関連タグ
入間美兎:パワーと似通っている点が多い残念な美少女。性格が悪さはこちらの方が若干上。また、パワーとは違い正真正銘の巨乳だったりする。
血の悪魔(リンク先ネタバレ注意)