ノエル・ベルトレ
のえるべるとれ
概要
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」のヒロインの1人。
本名は「ノエル・ジル・レスピナス」。
ゲーム2作目の主人公で瞳の色は黄色。その正体はレスピナス家の生き残りである「巫女」。
スレンダーで手足が長く、モデル並の体型の少女(リオン曰く「胸のサイズはCカップくらい」※但し、挿絵等ではどう見ても巨乳と言って差し支えないサイズで描かれている)。
髪はゴールドとピンクのグラデーションで、サイドポニーテール。
web版では髪型はツインテール。転生者の妹レリアの判断ミスでエリクに監禁されるバッドエンドルートへ進行中だった為、リオンが保護。
その後に聖樹の苗木の巫女に選ばれた。
聖樹の苗木と巫女の存在が300年後の王国の国益になると判断したアンジェにより、リオンとの政略結婚を行う事が決定。バルトファルト家からも受け入れられ、リオンの母リュースには「こんな娘が欲しかった」と言われるほど気に入られている。
しかし、3人目の嫁になった後は仲間やハーレムが増えた弊害で出番がアンジェ、リビア、マリエ、5馬鹿よりも減少。ノエルの役割もリビアやユメリア、エリクと被っている。
短編集では二児の母となったことが描かれている。
※以下、書籍版
経歴
ある理由からラウルト家令嬢のルイーゼにしょっちゅう絡まれており、ロイクにはしつこく言い寄られるわ、妹レリアからも冷たくされるわで色々と苦労していた。
友人のジャンと共に留学生の世話係に任命された事でリオン達と出会い、交流していく内に彼に惹かれていく様になり、リオンを守護者に選んだ聖樹の苗木に巫女として選ばれる。しかし、既にリビアやアンジェという婚約者がいた事実を知り、身を引こうとしたが、運悪く巫女に選ばれた事がロイクを通して六大貴族にバレてしまい、政治的な思惑に巻き込まれる羽目になる。リオンの助けもあって彼の元で保護されるが、その後も共和国内の問題は悪化の一途を辿り、遂にはロストアイテムであるイデアルの謀略によりクーデターが発生。
その混乱の最中、両親の仇であるアルベルト達ラウルト家と話し合いを行う機会を得るが、そこで両親が国に対して裏切り同然の計画を進めていた事と、かつて婚約破棄をしたラウルト家の利用を企み、自分には何も伝えずに生前のラウルト家嫡男リオン・サラ・ラウルトとの婚約を進め、そのリオンが亡くなると掌を返すなど心無い酷い仕打ちをしていた事実を知らされる。決して良い思い出は無かったが、それでも娘として両親を信じたかったノエルは落胆する。しかし、それを気にする余裕も無く事態は急変を続け、クーデターを起こしたセルジュが魔装の力に取り込まれた直後、密かにイデアルと通じていたエミールがレリアを襲撃し、妹を庇ったノエルは致命傷を負ってしまう。
ルクシオンの医療カプセルやマリエとリビアの治療でも助けられない状態で、最早絶望かと思われていたが、リオンに敗れた直後のイデアルがその様子を見て何を思ったのか、より高性能な医療カプセルの隠し場所をルクシオンに伝えて機能停止する。
かくして辛うじて一命を取り留める事になり、リハビリも兼ねてホルファート王国のバルトファルト家へと招かれ、リオンの弟コリンに懐かれるなど良好な関係を築いている。
人物
レリアとは逆サイドのサイドテールの髪型にしている。
1作目主人公のリビアが大人しめの外見だったのに対し、サバサバした感じのギャルと言っていい容姿の女子。勝気で元気があり、悪い相手には貴族でも喧嘩腰で対応する強気な性格。
また、リオン側の人間にありがちなお人好しな面を持っており、自分に酷い仕打ちをしたロイクがそれを後悔し、自ら死を選ぼうとした際には必死で思いとどまる様に説得したり、対立関係にあったルイーゼが生贄にされかけた時もリオン達と共に救出に向かっている。
リビアを快く思わなかったマリエからもその人柄を好かれ友人となっている。
紆余曲折を経てリオンの三人目の嫁となるが、リビアとアンジェの友人を超えた関係やどこかズレている感覚には戸惑い気味で、ポジションとしては常識人のツッコミ役に近い。
人間関係
本来ならば存在しない双子の妹レリアの影響もあってか、一作目主人公のリビアの比では無い程に本来あるべき運命や人間関係が変貌し、複雑化してしまっている。
何の因果かリビアと同じくリオンに懸想してしまったことで事態は更にややこしくなり、ゲーム通りなら味方になる筈の攻略対象達はほぼ全員が敵側に回ってしまい、遂には殺し合いにまで発展する有様で、ロイクの様にバッドエンドルートに進むも済んでのところで回避し、何とか和解できた者もいるが、戦いの中で犠牲者も出る最悪の展開となってしまった。
また、レリアの存在から察する通り、彼女の運命は誕生直後から既にねじ曲がってしまっている。
当時、レスピナス家の令嬢だったノエルの母は、共和国の聖樹を身近なものと捉えており、共和国の一般認識における聖樹を絶対的な存在とする考えに共感できずにいた。管理している様に見えて、実際には貴族も巫女も聖樹の道具に過ぎないと理解していたからである。
そんな時、学園で後の夫となる平民の男性と出会う。
彼は「聖樹の加護がなくても人は生きていける」という考えから、聖樹に支配されるのではなく支配する事を計画しており、お互いに共感した2人は恋に落ち、母はアルベルクとの婚約を破棄して結婚する。
双子の娘であるノエルとレリアにも恵まれるが、一連の経緯から母は巫女の資格を失い、それ以降父は守護者以外でも聖樹を利用できる方法を模索していた。だが、研究の末に聖樹の真意と目的を知ってしまい、共和国を滅亡させる前に聖樹の破壊を決意するが、それを良しとしない他の七大貴族と聖樹を敵に回してしまい、娘達を残してレスピナス家諸共2人は謀殺されてしまった。
「両親は巫女の適性を持つ姉ノエルを一番可愛がっていた」とレリアは思い込んでいたが、実はそのレリアにも巫女の適性はあった。しかし、子供らしい性格のノエルよりも(前世の記憶を持つが故に)優秀な人間として振る舞うレリアを溺愛していた二人は、自分達の真の意志を彼女に継がせる事に決め、周囲には「レリアに適性は無い」と偽りの発表を行い、辛い立場でしか無い巫女の役をノエルに継がせ、挙句に「姉としてレリアを守れ」とまで言い聞かせていた。
子供ながら両親の負の面を感じつつも愛情を欲していたノエルはそれを承諾するが、前世での半端なゲーム知識に囚われていた上に、片方の側面からでしか両親を見ていなかったレリアはこの話を聞かされるまで姉と両親、そして仇敵であるラウルト家の真意を誤解する事になり、ノエルもまた両親や周囲の愛情を独占しながらその自覚が全く無く、自分勝手な言動が絶えないレリアにわだかまりを抱いていた。
おそらく、本来のゲーム展開であれば両親はノエルに(一応は)愛情を持って接していたと思われるが、レリアというイレギュラーの影響で彼女を見限るなど冷たい毒親となってしまい、そんな二人に疑念を抱いていたノエルは母親の婚約破棄と言う前科もあって、暗殺に関しても「両親の方に非があったからでは無いか?」と常々考えており、その疑いもあって仇敵である筈のラウルト家への恨みはレリアと比べて薄く、自分に何度も絡むと同時に助け船も出すルイーゼに対しては鬱陶しく思いつつも、その真意を図りかねていた。
そして、母の元婚約者だったアルベルクとの対話で、ラウルト家を利用しようとした企みから出た自分とラウルト家嫡男リオン・サラ・ラウルトとの婚約話や、聖樹を支配する計画などの全ての真実を知り、自分達親子に愛憎混じった複雑な感情を抱き、ずっと苦しんでいたラウルト父子に謝罪。こうしてリビアやアンジェとは経緯は違えど、本来なら敵だった筈の相手が味方になると言う皮肉な事象が繰り返される事になった。