ノエル・ベルトレ
のえるべるとれ
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」のメインヒロインの1人。
本名は「ノエル・ジル・レスピナス」。
乙女ゲーム「アルトリーベ」2作目の主人公。その正体はアルゼル共和国の七大貴族の1つだったレスピナス家の生き残りである「巫女」。
幼少期、ある理由で両親が他の七大貴族達と決裂した事で家を滅ぼされてしまい、両親を喪った後は生き残った臣下に護られながら素性を偽って生きながらえていた。
ラウルト家令嬢のルイーゼにしょっちゅう絡まれており、バリエル家のロイクにはしつこく言い寄られるわ、妹レリアからも冷たくされるわで色々と苦労していた。当然の如く、ロイクには好意どころか嫌悪の感情を抱いており、レリアの事も気遣ってはいたが、内心では彼女の身勝手さに辟易していた。
友人のジャンと共に留学生の世話係に任命された事でリオン達と出会い、交流していく内に彼に惹かれていく様になり、リオンを守護者に選んだ聖樹の苗木に巫女として選ばれる。しかし、既にリビアやアンジェという婚約者がいた事実を知り、身を引こうとしたが、運悪く巫女に選ばれた事がロイクを通して六大貴族にバレてしまい、政治的な思惑に巻き込まれる羽目になる。リオンの助けもあって彼の元で保護され、事情を知ったアンジェも、いずれ聖樹の苗木が大きな利益を生み、それによってノエルが揉め事に巻き込まれる事になると判断し、政治的な建前を利用して彼女の保護をリオンに提案する。
婚約者二人から事実上の許可を得た事もあり、ノエルはリオンに対して遠慮が無くなりつつあったが、女性関係ではヘタレになってしまうリオンはノエルとの関係に迷っていた。そして、その後も共和国内の問題は悪化の一途を辿り、遂にはロストアイテムであるイデアルの謀略によりクーデターが発生。
その混乱の最中、両親の仇であるアルベルク達ラウルト家と話し合いを行う機会を得るが、そこで両親が「聖樹の支配」という、国に対して裏切り同然の計画を進めていた事と、かつて母が婚約破棄したアルベルクのいるラウルト家の利用を企み、自分には何も伝えずに生前のラウルト家嫡男リオン・サラ・ラウルトとの婚約を勝手に進め、そのリオンが亡くなると掌を返すなど心無い酷い仕打ちをしていた事実を知らされる。決して良い思い出は無かったが、それでも娘として両親を信じたかったノエルは落胆する。しかし、それを気にする余裕も無く事態は急変を続け、イデアルに騙されてクーデターを起こしたセルジュが魔装の力に取り込まれた直後、密かにイデアルと通じていたエミールが聖樹と一体化してレリアを襲撃し、妹を庇ったノエルは重傷を負ってしまう。
激闘の末にイデアルと彼の尖兵と化してしまったセルジュとエミールは倒れ、責任を感じてエミールに特攻を仕掛けたレリアは逆に土壇場で正気に戻ったエミールによって救われる。
しかし、ノエルはルクシオンの医療カプセルやマリエとリビアの治療でも助けられない状態で、最早絶望かと思われていたが、リオンに敗れた直後のイデアルがその様子を見て何を思ったのか、より高性能な医療カプセルの隠し場所をルクシオンに伝えて機能停止した。
かくしてノエルは辛うじて一命を取り留める事になる。
戦後、リオンとの婚約が正式に決定。リハビリも兼ねてホルファート王国のバルトファルト家へと招かれ、やがて無事に回復する。
その後、共和国のクーデターを裏で煽っていたラーシェル神聖王国のホルファート王国への敵対行動が本格化。ノエルはリビア達と共にリオンを支え、紆余曲折を経てラーシェルとの戦いに勝利するのだが…
スレンダーで手足が長く、モデル並の体型の持ち主(リオンからは「Cカップくらい」と評されるが、挿絵等ではどう見ても巨乳と言って差し支えないサイズで描かれている)。
髪の色はゴールドとピンクのグラデーションで、web版での髪型はツインテールだが、書籍版などではレリアとは逆サイドのサイドテールの髪型にしており、瞳の色は黄色。
1作目主人公のリビアが大人しめの外見だったのに対し、サバサバした感じのギャルと言っていい容姿の女子。勝気で元気があり、悪い相手には貴族でも喧嘩腰で対応する強気な性格だが、家庭的な人間でもあり、実際の家事スキルは相当に高い。
また、リオン側の人間にありがちなお人好しな面を持っており、自分に酷い仕打ちをしたロイクがそれを後悔し、自ら死を選ぼうとした際には必死で思いとどまる様に説得したり、対立関係にあったルイーゼが生贄にされかけた時もリオン達と共に救出に向かっている。
尚、聖女の血筋である事が知られていないリビアとは違い、「アルゼルの巫女」という出自を世間に認知されている為、リオンの婚約者の中で最も特別な存在だと見なされており、ラーシェルの様な敵対国からは優先的に身柄を狙われている。
本来ならば存在しない双子の妹レリアの影響もあってか、1作目主人公のリビアの比では無い程に本来あるべき運命や人間関係が変貌し、複雑化してしまっている。
何の因果かリビアと同じくリオンに懸想してしまったことで事態は更にややこしくなり、ゲーム通りなら味方になる筈の攻略対象達はほぼ全員が敵側に回ってしまい、遂には殺し合いにまで発展する有様で、ロイクの様にバッドエンドルートに進むも済んでのところで回避し、何とか和解できた者もいるが、セルジュやエミール等、戦いの中で犠牲者も出る最悪の展開となってしまった。
また、レリアの存在から察する通り、彼女の運命は誕生直後から既にねじ曲がってしまっている。
当時、レスピナス家の令嬢だったノエルの母は、共和国の聖樹を身近なものと捉えており、共和国の一般認識における聖樹を絶対的な存在とする考えに共感できずにいた。管理している様に見えて、実際には貴族も巫女も聖樹の道具に過ぎないと理解していたからである。
そんな時、学園で後の夫となる平民の男性と出会う。
彼は「聖樹の加護がなくても人は生きていける」という考えから、聖樹に支配されるのではなく支配する事を計画しており、お互いに共感した2人は恋に落ち、母はアルベルクとの婚約を破棄して結婚する。
双子の娘であるノエルとレリアにも恵まれるが、一連の経緯から母は巫女の資格を失い、それ以降父は守護者以外でも聖樹を利用できる方法を模索していた。だが、研究の末に聖樹の真意と目的を知ってしまい、共和国を滅亡させる前に聖樹の破壊を決意するが、それを良しとしない他の七大貴族と聖樹を敵に回してしまい、娘達を残してレスピナス家諸共2人は謀殺されてしまった。
「両親は巫女の適性を持つ姉ノエルを一番可愛がっていた」とレリアは思い込んでいたが、実はそのレリアにも巫女の適性はあった。しかし、子供らしい性格のノエルよりも(前世の記憶を持つが故に)優秀な人間として振る舞うレリアを溺愛していた二人は、自分達の真の意志を彼女に継がせる事に決め、周囲には「レリアに適性は無い」と偽りの発表を行い、辛い立場でしか無い巫女の役をノエルに継がせ、挙句に「姉としてレリアを守れ」とまで言い聞かせる始末だった。
子供ながら両親の負の面を感じつつも愛情を欲していたノエルはそれを承諾するが、前世での半端なゲーム知識に囚われていた上に、片方の側面からでしか両親を見ていなかったレリアはこの話を聞かされるまで姉と両親、そして仇敵であるラウルト家の真意を誤解する事になり、ノエルもまた両親や周囲の愛情を独占しながらその自覚が全く無く、自分勝手な言動が絶えないレリアにわだかまりを抱いていた。
おそらく、本来のゲーム展開であれば両親はノエルに(一応は)愛情を持って接していたと思われるが、レリアというイレギュラーの影響で彼女を見限るなど冷たい毒親となってしまい、そんな二人に疑念を抱いていたノエルは母親の婚約破棄と言う前科もあって、暗殺に関しても「両親の方に非があったからでは無いか?」と常々考えており、その疑いもあって仇敵である筈のラウルト家への恨みはレリアと比べて薄く、自分に何度も絡むと同時に助け船も出すルイーゼに対しては鬱陶しく思いつつも、その真意を図りかねていた。そして、彼女の生贄騒動で精神が繋がった際、ラウルト家を利用しようとした企みから出た自分と故人である嫡男リオン・サラ・ラウルトとの婚約話の一件と同時に、これまでのルイーゼの行動は亡き弟への強い想いからだった事を知る。そして、後のアルベルクとの対話では両親が聖樹を支配する計画を企てていた事実を告げられ、全てを知ったノエルは、自分達親子に愛憎混じった複雑な感情を抱き、ずっと苦しんでいたラウルト親子に謝罪。こうしてリビアやアンジェとは経緯は違えど、本来なら敵だった筈の相手が味方になると言う皮肉な事象が繰り返される事になったのだった。その後、ルイーゼとの関係はある程度改善されたのだが、生贄騒動で彼女が亡き弟に恋愛感情を抱いていた過去を知ったノエルは、その弟と瓜二つのリオンに対するルイーゼの本当の気持ちを察しており、これが後述の最終章での一悶着に繋がる事になる。
共和国での一連の騒動を経てリオンの3人目の嫁となるが、リビアとアンジェの友人を超えた関係やどこかズレている感覚には戸惑い気味で、ポジションとしては常識人のツッコミ役に近く、リオンの兄ニックスの見合い騒動では、彼の見合い相手であるドロテアの度を越した性癖に唖然とし、特にペット発言には震えが止まらなくなる程の衝撃を受けた様子を見せ、その当たり前の反応は異様な環境に馴れてしまっていたリビアを感動させた。
リビアを快く思わなかったマリエからはその人柄を好かれて友人となっているが、彼女が1年生の時にしでかした数々の騒動の詳細を知った際には当然ながらドン引きしており、「他人の婚約者に手を出したら駄目でしょ」と至極真っ当な突っ込みを入れている。
また、リオンの母であるリュースには婚約者の中で最も話しやすい相手であり、弟のコリンからは非常に懐かれている。
web版ではエリク(書籍版ではロイク)のルートに進んでいたが、その彼がDV彼氏と化していた為、「命が危険」と判断したマリエとリオンに保護される形となっていて、初登場時は書籍版とは大きく異なっている。そうして3人目の嫁になった後は仲間やハーレムが増えた弊害で出番がアンジェ、リビア、マリエ、五馬鹿よりも減少。役割もリビアやユメリア達と被っており、どうも影が薄くなりがちだった。そして、IFのマリエルートでは出番が短く、リオンがアルゼル共和国に関わらなかった事もあり、独自に行動を起こしたイデアルの暗躍によって共和国が崩壊し聖樹も暴走。駆け付けたリオンに手を貸して事態を収束に導くも、力尽きて呆気なく死亡してしまう結末となった。
この様に扱いが良いとは言えなかったが、書籍版のルートで出番が多めとなり、ようやく本当の意味でメインヒロインの一人となった。
上述にある通り、本編では「Cカップくらい」とリオンが言及しているのだが、明確に巨乳美女の設定であるリビアやアンジェ、ルイーゼ程では無いものの、挿絵等ではやはり巨乳にしか見えない大きさで描かれている為、読者からはそれに関して結構な突っ込みがある。
単にリオンの目利きが違ったのか、絵の都合かは不明。
逆に妹のレリアはマリエと同様に小柄な貧乳で、書籍5巻の表紙では姉妹が一緒に登場しているのだが、姉と比べると絶壁も同然であり、胸も含めてノエルのスタイルの良さがやや過剰に強調されてしまっている。
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ネタバレ注意
本編最終章
神聖魔法帝国戦が勃発し、ルクシオン以上の能力を持ったアルカディアの出現でリオンは窮地に陥る。ノエルはイデアルの残した戦力を持って援軍として駆け付けたレリアを始めとする共和国の面々と再会し、開始された戦いではレリアと共に巫女の力を駆使して勝利に貢献した。
そして、リオンは辛うじてアルカディアを倒すも、ルクシオンは機能停止し、彼も命が尽きてしまった。それでもリオンを救うべく、マリエが禁術で死者の国に赴いて彼の魂を捜索する事になり、ノエルもリビアやアンジェと共に同行。そして、その道中でマリエがリオンと前世の兄妹である事と、自分達の生きる『アルトリーベ』世界の秘密を初めて教えられる。
ルクシオンの魂の後押しによって何とか無事にリオンは生還し、ホルファート王国の新国王に即位。
ノエルもアンジェ達と共に彼を支える事を誓うのだが、直後にライバルであるルイーゼを含め、リオンと親しい仲の令嬢達が彼から「望むだけの報酬」を受け取る事を希望。実は、生きて帰れるか解らぬ戦いを前に自暴自棄な思考になっていたリオンは安請け合いな行動に出ており、協力してくれた者達に対する「報酬」について内容もろくに確認せずに契約書にサインしていた。その空手形を持って彼女達が希望したのは「リオンの側室」という立場。
「新国王との関係強化」と言う建前だったが、ルイーゼのリオンに対する気持ちを知っているノエルは彼女が個人的な希望を優先したと直ぐに気付いて辟易する事になった。
ちなみに、この後リオンが最も欲したミレーヌ・ラファ・ホルファートも押しかけてくる事態となり、そこで本当の家庭内修羅場となったが、何とか丸く収まった模様。
後日談ではノエル自身は子供を二人出産しており、相変わらずゲームの展開で発生する世界の危機の対応に動かなければならないリオンを支えつつ、彼の留守中には他の女性達と共にまだ幼い子供達の面倒も見ている。
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