旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 とは、電撃文庫から刊行されて居るライトノベルである。萬屋直人作・方密画。
作品の特徴的な部分として、作中の登場人物及び舞台に固有名詞が存在せず「姫」や『北の島』と云った代名詞で呼ばれて居る。是は作中世界で「喪失症」と呼ばれる怪現象により固有名詞が喪われ、世の中から名前が悉く消えた為である。
その一方で消えやすさには何かしらの差があるのか会話の中に能登半島やドーバー海峡が出て来たり、大手運送会社の名前が社章ごと消えたにも関わらずスーパーカブ及び製造元のホンダや少年少女のアウトドア用品等はロゴがくっきりと確認できる。
作者は続編の執筆について「編集部と交渉中」と語って居たが、10年が経とうと云う2021年現在も一向に出版の兆候は無い。
作品解説
名前をそして存在を奪う怪現象「喪失症」の蔓延により、人類の大半が消失した世界。8月北の島に、銀色のスーパーカブが走り抜けて行った。野宿用具一式、そして一冊の日記帳と共に乗るのは少年と少女。四半期程前に家族と名前を喪い無一物となった二人は、壊滅状態の首都を学校と共に放り出して旅に出たのだと云う。目指すは「世界の果て」―――
登場人物
少年
スーパーカブの運転と整備をする少年で、基本的には大人しい一方で一度出した手は決して緩めようとしない狡猾さを持つ。
少女
旅の料理担当で、口より先に手が出るタイプ。旅を立案したのも、彼女である。少年の事が好きだがなかなか関係は進展しない。
関連作品
キノの旅 - 一人旅をする少女が名前も語られない国々を二輪車で巡る、電撃文庫のライトノベル。今の所世界が滅んでは居ないが、主人公が立ち去った途端に滅んだ国は数知れない。
スーパーカブ(小説) - 家族に蒸発された少女がスーパーカブで日常を取り戻す、角川スニーカー文庫のライトノベル。
関連イラスト
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