クレジットカード
くれじっとかーど
概要
カードを所有する会員に対し信用(credit)を供与するシステムであることからクレジットカードという。
クレジットやクレカ、と略される事も多い(厳密には、前者はカードを使用しない信用販売の意味で使われる事が多い)。
いわゆるポストペイ(後払い)の手段の一つである。当然ながらプリペイドカードや電子マネーと違い入会には審査が必要で有り、自身の収入が見込めない、あるいは過去にクレジットカードの事故情報(支払い遅延等)がある場合審査が通らない事がある。なおクレジットカードの契約が行えるのは18才以上からとなっている。
また、初めてクレジットカードを取得しようとする際の審査はやや厳しめであると言われている。(一切のクレジットカード利用実績がないため)
利用の流れ
クレジットカードは、その加盟店(以下店舗)で用いる事が出来る。会員(以下利用者)は店舗でカードを提示することになる。店舗はカードが正常に利用出来れば商品やサービスを利用者に提供する。店舗は代金の伝票をカードの管理会社(アクワイアラー)へ送り、その管理会社が代金を店舗に建て替えて支払う。
そしてアクワイアラーは店舗との取引データを処理センターを経由する形でカード発行会社へと送る。
そしてその発行会社から利用者へカードの利用情報、と請求が送られ、利用者はその代金を銀行口座引き落とし等の方法で支払うことになる。そして最終的に発行会社がアクワイアラーに代金を支払う、というプロセスである。
前述の通り後払いの形式であるため、支払いが遅延すれば利用停止などカードの資格を取り消される場合もある。(このような場合はいわゆるブラックリストに記録され再取得時の審査に影響する。)また、このように手元に現金が無くても高額の商品を購入出来る、というシステム上、借金を作ってしまいやすい。
国際ブランド
Visa
アメリカの銀行、バンク・オブ・アメリカ発祥。世界的にはMasterCardと並ぶトップシェアの一つである。
日本では長らく住友銀行(現・三井住友銀行)傘下の住友クレジットサービス(現・三井住友カード)を中心とするビザ・ジャパン協会(現・VJA)主導で展開されていたが、JCBの後塵を拝しMasterCardの猛追撃を受ける事態を打開する為に、日本信販(現・三菱UFJニコス)他へ提携先を拡大している。
MasterCard
アメリカのチェース・マンハッタン銀行を中心とする地方銀行協会発祥。…なのだが、イギリスの「Access」やベルギーの「EuroCard」等と協力関係にあった(後に統合)事も関係し、むしろヨーロッパ方面で強い傾向があった。
Visaと並んで使える店舗数が多い。…と言うより、そもそも両方に加盟している銀行・発行会社が多く(事実、それぞれの大元のバンカメもMaster、チェースもVisaを発行している)、もうお前ら合併しろと言っても良い状態なのだが、反トラスト法(独占禁止法)との絡みで併存が続いている。
JCB
日本発の唯一の国際ブランド。後述のChina UnionPayが登場する以前は米国系ではない唯一の国際ブランドでもあった。地方ではJCBのみ利用可能、という加盟店も少なくない。
長らくアジア圏やハワイ等を除く外国では使用できない場合が多く、一時は海外渡航者向けに臨時のAMEXカードを発行するサービスも存在していたが、その後オプション扱いながら加盟店の相互開放提携を結び、直にJCBカードをAMEX加盟店で利用可能となった(逆も可能。その後、DinersやDiscoverとも同様の提携をしている)。
American Express(AMEX)
元々は旅行関連事業の会社である。1958年にアメリカホテル組合のクレジットカード会社を買収し、トラベラーズチェックの延長としてカード事業へ参入した。
日本で最初にゴールドカードが発行されたブランドであり、長らく高級カードの代名詞的な存在であったが、近年は西友の「ウォルマートカード」(クレディセゾンによるライセンス発行)のような年会費永年無料のカードも登場し、単純に「ブランドを持つ」だけであれば敷居はかなり下がっている。
Diners Club
世界で最初に発行された汎用型のクレジットカード。利用限度額には一律に制限を設定していない事に加え、ゴールドカード以下のグレードを発行しておらず、入会に際しては収入・地位等の高いステータスが要求される。
独立系の時期が長く加盟店は少なかったが、2000年のシティグループ傘下入りで、北米地区限定ながらMasterCardとの提携が実現、また日本においては先述の通りJCBと加盟店開放契約を締結、利用可能店を急速に拡大させた。
2008年4月にはシティグループから後述のDiscoverに売却されるが、引き続き独立ブランドとして運営されている。
Discover
1985年、アメリカの百貨店運営企業・シアーズによって設立され、後にモルガン・スタンレー傘下を経て2007年より独立企業となる。
大半の加盟店はアメリカ国内であるが、南米地域でも積極的に加盟店開拓を行う他、JCB及びUnionPayとの加盟店相互開放でアジア地域でも利用可能店を急速に拡大している。
2015年現在、日本国内の会社から発行されていない唯一の国際ブランドである。
China UnionPay
正式表記「中国銀聯」が示すように、中国の銀行連合が設立した決済ネットワークシステム。JCBに続く非米国系の国際ブランドとなる。主体はデビットカード(口座からの即時決済)であるが、クレジット形態も存在する。
前述のDiscoverやJCB、VJA等と加盟店の相互開放を行っており、中国以外にもアメリカ、日本、シンガポール…等約20カ国で利用可能。発行する銀行によってはVISA・MasterCard・JCBとの複合タイプも存在し、それらについては当該ブランド加盟店での利用も可能。
主要イシュアの一例(日本)
- VJA(三井住友含む)
- 三菱UFJニコス
- クレディセゾン(UC含む)
- イオンクレジットサービス
- ジャックス
- アプラス
- 楽天カード
支払いの手段
一回払い(一括払い)
支払い分を次の請求時に纏めて払う支払い方法。最もシンプルな支払いであり、手数料が掛からないことから多用されやすい。
分割払い
支払いを2回~に分けて支払う方法である。一回あたりの請求額が少なくなるが回数が増えれば増えるほど手数料が増える。
リボルビング払い
毎月一定の金額までを支払う方法である。一月あたりの請求額がある程度予測出来る為支払いやすい手段であるが、金利が高くなりがちであるため利用金額によっては支払い総額がかなり増加しやすい。分割払い以上に金利による収入が見込めカード会社にとっては利ザヤが大きいため積極的に推している節がある(例えばカードのポイントが2倍になる、など)。
ボーナス払い
ボーナスの時期(7月や1月)に支払うという支払い方法。支払い猶予が長いことが特徴的であるが、基本的に1万円以上の買い物が対象である。当然ながらボーナスが支給される事を前提として組まれる為、経済情勢に左右されない公務員が使用する事が多いといわれる。
また、消費した利用可能枠は引き落とし日を待たずとも、ATMで入金する事によって回復する事も可能(ただし当月の決済額が変わるわけではなく、その月の金額消費が増す事になる)
限度額
クレジットカードには審査時の収入などを元に利用限度額が定められている。
多くの場合5万~50万程度であるが収入や利用実績によっては100万程度である場合もある。また、ショッピングクレジット(物品購入)枠の他にキャッシング(借用)枠というものが定められている場合もあり、後者の場合はATMなどでその枠までの金額をキャッシングすることも可能。なおキャッシングした場合は当然ながら返済義務が生じる。
希望すればキャッシング枠そのものをなくす事も可能である。
限度額は上流階級向けになればなるほど高く、加入特典も良くなる傾向があるが
そんな中で世界一なのがプライベートバンク(スイス銀行に代表される機密性の極めて高い銀行)の一つであるJPモルガンの発行するパラジウムカードである。
文字通りレアメタルたるパラジウムと23金による特殊合金であり、貧弱一般金持ちの金属製クレカと異なり完全なる金属製。カードそのものに数万から十数万の価値があるとてつもない代物。
審査通過には3000万ドルもの財産(コネと権力次第で下限500万ドルという噂)が必要で、保有者は世界で5000人にも満たないとかなんとか。
一方で年会費はたった595ドル。マンガの中から飛び出たような超絶ウルトラ富豪はいちいち会費を取らなくてもカード会社にたんまりとカネを落としてくれるから、らしい。