CV:津嘉山正種
概要
TVスペシャルシリーズ作品『ワルサーP38(ルパン三世)』に登場する世界各国の政府に公認されたの暗殺組織「タランチュラ」に所属する人物で、通称通り医療を担当する。
組織内では穏健派の中心人物でもある。
温厚な性格の持ち主で、医療技術や薬学にも優れており、諍い等を起こした者達を諌め、自らが率先して危険な役目を担う決断力も持ち合わせる為、メンバーからの信頼は非常に厚い。
エレンやボマーといった政府や組織に言われるまま殺しを行う日々に嫌気が刺したメンバーと共に、組織から脱出して自由を手に入れる為の計画を考案。そんな中で、タランチュラの島に乗り込んできたルパン三世をエレンに連れて来させ、計画の為に彼と取引を行い、協力を得る事になる。
計画の最初の要として、タランチュラの開発した特殊な「毒」を除去する為の解毒薬を開発すべく、ルパンに研究班から毒の成分表のデータを入手してもらい、それによって解毒薬の開発に着手。自らが率先して実験体になり、解毒に成功する。
完成した解毒薬を製造を続ける中で、ルパンの相棒である次元大介や石川五ェ門は、ボマー達と共に組織の保管している大量の金塊を入手すべく暗躍。一方でルパンはエレンと共に、タランチュラの島周囲を監視する静止衛星レーザー砲を破壊すべく、暗殺任務に乗じる形で衛星を管理する軍事基地への潜入へと試みる事になる。
しかし、彼女の亡き弟で組織のエレクトロニクス担当でもあったアレックスの遺した静止衛星の自爆プログラムに1時間の猶予の設定が施されていただけでなく、組織への脱出計画の漏洩、奪取した金塊が全て偽物とすり替わる、解毒薬の効果が短時間で切れる、あくまでも混乱の為に設置した爆弾による爆発が大規模になる等、次々と予想外なアクシデントが発生してしまい、やむなく脱出用のタンカーを出発させる中で、穏健派と過激派による戦闘が勃発する。
その最中で、ボマーはゴルドーとの戦いで死亡。自身もゴルドーに追い詰められる中、自爆していない静止衛星レーザーにより、ゴルドーや穏健派、過激派のメンバーと共にタンカー諸共消滅する事になってしまった。
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正体
「待ってたのさ…。この銃を利用して最大の報酬を得る機会をな…」
その正体は、ルパンが次元や五ェ門と出会う以前に初めて「相棒」としてコンビを組んだ人物で、駆け出しの彼が愛用していたシルバーメタリックのワルサーP38を奪い取った張本人。本名は不明。
温厚で誠実な人柄は完全に演技であり、その本性は冷酷非道かつ狡猾そのもの。また、本性を表した時の表情も演技時の面影の残らない醜悪な凶相となっている。
医療技術や薬学のみならず、戦闘能力も非常に高く、長年使っていなかったシルバーメタリックのワルサーで精密射撃を行う射撃能力の高さや、ナイフや斧を用いてルパンとほぼ互角に渡り合える程の格闘能力も持ち合わせている。
更に計画立案能力にも優れており、穏健派の脱出計画を「表向きの計画」とする中で、自らが独自に考案した「裏の計画」も思惑通り着実に進めている。
脱出計画時における様々なアクシデントは、全て自身と秘密裏に結託していたゴルドーとで故意に仕組んだ物であり、アレックスのプログラムもまたエレンの存在を盾にする形で製作したアレックス本人を脅して描き直させた物で、そしてアレックス自身の死も過労に見せかけて自らが殺害したというのが真相であった。
更には、物語の冒頭にてタランチュラが実行した某国副大統領の暗殺作戦にも参加しており、作戦のドサクサに紛れる形で銭形警部をシルバーメタリックのワルサーで銃撃。その光景を見せつける事でルパンがタランチュラの島へ乗り込むよう仕向けている。
かつてはルパンと共に様々な泥棒家業をしていたが、ルパンの犯罪者として甘過ぎる姿勢に内心苛立ちを覚えていたらしく、大量の札束を盗み飛行機で警官隊から逃走した際に、裏切りを画策。腕時計に仕込んだガスでルパンを怯ませた隙に、彼の愛用するシルバーメタリックのワルサーを奪い取り、それによって至近距離からルパンを銃撃。海へと落下させている。
しかし、ルパンは九死に一生を得る形で生存し、それを知り報復を恐れたのか、以降は整形して姿をくらます事になる。
その後、暗殺組織であるタランチュラに加入して医療担当の地位を得た後、エレンやボマーといった殺しに嫌気が刺していたメンバーを集め脱出計画を「表向きの計画」として提案する中で、同じく自身を顎でこき使う政府の官僚達に嫌気が刺していたゴルドーとも接触。ルパンを利用する形でタランチュラの島を襲撃されて自分達も殺されるように見せかける事で、保身に走った政府の官僚達が証拠隠滅の為にタランチュラの島の原子炉を自爆させるよう仕向け、それと同時に静止衛星を自爆させる事で脱出ルートを確保し、金塊を持ち出して脱出する「裏の計画」を立てている。
計画の準備が順調に進んでいく中、毒蜘蛛から助けた時に見せた殺気から、ルパンには正体を察知されてしまっているが、殺しに嫌気がさし自由を望んでいたエレン達を脱出計画に巻き込んでいた事で、彼が自らの計画に従わざるを得ないように仕組んでいた。
そして計画が実行に移され、タランチュラのメンバーほぼ全員を始末し終えた後、後は大量の金塊を積んだ飛行船で脱出するだけとなり、そこで自身を危険視していたゴルドーが裏切って始末しようとするが、余裕な態度を崩す事は全くなかった。
実は、ゴルドーがいずれ自身を裏切って自分だけ自由になろうとするのを予測していた事で、ゴルドーが射殺される演技の際に使用した血糊にあらかじめ遅効性の毒を仕込んでおり、もがき苦しみながら最後の悪あがきで自身を殺そうとするゴルドーをワルサーで難無く射殺。そこに現れたエレンを捕らえ、追ってきたルパンと対峙。互いのワルサーを向け合う。
ドクター「愛だの優しさだの、おめぇの甘さは変わらない…!反吐が出るんだよ…!!」
ルパン「貴様だけは容赦しねぇ…!ワルサーは二丁もいらないんだよ…!!」
エレンを人質に飛行船で逃走する中、原子炉の自爆の阻止を次元達に託したルパンがバイクで走りながら飛行機へと乗り込んで来た為、激しい激突を繰り広げる。
戦いは互角であったが、毒の消えていなかったルパンは島のガスの効果が切れかけた事で窮地に陥り、飛行船から突き落とす形で射殺しようとする。しかし、そこに駆け付けたエレンがルパンを庇って致命傷を負った事で、失敗。逆に自身が右肩を討たれてワルサーを落とし、追い詰められる事になる。
だが、ここに来て自身が作成した本物の解毒薬を盾にする形で、ルパンに自身への攻撃を止めさせようとするも、エレンの意を組んだルパンは互いにワルサーP38を握る形で自身への照準を定める。
「ま、待て!!解毒剤がどうなっても…良いのかぁーーーっ!?」
「やめろぉっ!!や、止めろおおおぉーーー!!」
自分達の生死よりも譲れない物がある…。
そのルパンとエレンの想いを理解出来ず、必死に命乞いをするものの、最後は額をワルサーで打ち抜かれた直後、固定装置から外れた大量の金塊と共に、海へと落下していった。
自らの死後、奪い取ったシルバーメタリックのワルサーはルパンの手元に戻ったが、忌まわしい記憶を思い出させる象徴でもあった為か、エピローグにてルパン自らの手で海へと葬られた。
真の関連タグ
モルガーナ:中の人が同じTVスペシャルシリーズの黒幕。
エミリー・オブライエン:こちらも善人を装った黒幕。