概要
ほぼ全てのクモは毒を有している。彼らは牙(鋏角)から毒液を注入することで獲物を麻痺・殺害し、消化して摂食する。
ただし、そのほとんどが昆虫並の小動物を仕留めることに用いるため、人間にとってその毒はかなり弱い。また、クモ自体もむやみに人間を噛むことはしないため、基本として無害である。
しかしその中でも、人体に害が出るほど強力な毒を有するクモの事を「毒グモ」と称することが僅かにあり、皮膚が焼けただれる程度から心臓麻痺で絶命しかねない強い毒を持つ種類までいる。
著名な毒グモ
タランチュラ(オオヅチグモ)
オオヅチグモ科に属するクモのこと。見るからに毛深く巨大でインパクトがあるが、人間に直接被害を齎すほど強力なのはほんの一握りであり、多くのタランチュラは大して毒は強くない。
ただし牙の噛む力は人間の皮膚を破るほど強く、また毛に毒が含まれているタランチュラもいるため、刺激を与えないように注意したい。
カバキコマチグモ
日本産唯一の毒グモ。咬まれると赤くはれ、高熱にうなされ寝込む。
葉っぱを折りたたんで糸を張りその中に巣をつくる習性をもち、母グモは孵化した子グモに自分自身の身体を食わせ死んでいくというせつない習性をもつ。
セアカゴケグモ
オーストラリア原産。日本でも様々な自治体で発見され、特定外来生物扱いされている。
クロゴケグモ(ブラックウィドウ)
北アメリカ原産。セアカゴケグモに比べて毒が更に強い。セアカゴケグモ同様、特定外来生物に指定された。
シドニージョウゴグモ
オーストラリア原産。心臓を麻痺せるほど強力な毒をもち、血清が発明される以前では死亡ケースが出回っていた。世界最凶の毒グモの一つとされる。
ドクイトグモ
アメリカ原産。臆病な種であるが、皮膚組織を壊死させる毒をもつ。
クロドクシボグモ(バナナグモ)
ブラジルなどの南アメリカ原産。毒は不整脈から肺水腫や痙攣まで様々な症状を引き起こし、シドニージョウゴグモに並ぶ世界最凶の毒グモとされている。