概要
定義では人手を要さずに自ら開閉する扉をさすが、公共交通機関のように扉を操作をする人がいても自動ドアということがある。タクシーのように、てことリンクによって開閉するものや、鉄道車両やバスのように圧縮空気を使うもの、最近の鉄道車両や店舗のように電動モーターで開閉するものがある。用途によっては油圧式もある。また寒冷地用やローカル線用などの鉄道車両の扉のうち停車中に乗客がスイッチ操作で開閉できるものは半自動ドアとよばれる。
マンションでは防犯のために暗証番号を入れないと開かないものや、専用の鍵が必要なもの、住人が操作しないと開かないものもある。
一般的な「ドア」と異なり、引き戸や折りたたみ扉、開き戸であっても自ら開閉するものは自動ドア(又は自動扉)と呼ばれる
ホラーやSF物では凶器としても使われる事がある。
主な採用機構
タクシー
てことリンケージを使用した機構を運転手がレバー(てこ)を動かすと開閉するものが使われてきたが、最近はエンジンからの負圧を利用して運転手のスイッチ操作で負圧で動くシリンダーを制御して開閉するものもある。
バス
運転手のスイッチ操作により圧縮空気で動くシリンダーなどを使い開閉する。
店舗
扉の来客用操作スイッチに触れたり、センサーが人を検知すると電子回路の制御により電動モーターを使い、開く。その後一定時間人がいない事を検知すると電子回路が電動モーターを使って閉める。
1990年代まではセンサー式の完全自動型がほとんどを占めていたが、自動ドアの開閉で遊ぶ子供や、頻繁な来店客の往来等で、頻繁にドアが起動して自己や故障が起きやすい面もあった。2000年以降は小店舗ではボタン式や生体電流による感応式の採用率が高まり、不要な開閉による故障・事故の頻発や電気代の浪費を抑える傾向にある。
マンション
暗証番号の入力や専用の鍵による操作、また来客時は住人がインターホンで確認した後に操作して開く。その後は店舗と同様。
鉄道車両
車掌(ワンマン線区では運転士)の操作により、空気圧で開閉するのがオーソドックスだったが、21世紀の車両には保守簡易化のため電動モーターを採用する車両も増えている。
その構造と性質上、挟まれる事例が非常に多い自動ドアでもある。空気圧式の場合だと閉まるスピードが速くても圧力自体はさほどでもないのだが、電動モーター式の場合ではたとえ閉まるスピードが遅くても人力では押し返せないほど強力なため、事故が起こらないよう対策が欠かせない。1970年代頃までの車両は閉まるスピードが早く、「ギロチンドア」と言われるものも多い。
寒冷地やローカル線では、半自動ドアという機構で、開閉は乗り降りする乗客がスイッチ操作(国鉄時代に製造されたものは夏季は自動モード、冬季は取っ手を引き手動閉開するものであった)で行い、発車時の施錠・扉の閉鎖、到着時の開錠は車掌(線区によっては運転士)が行う。
ところが115系などの古い車両はドアボタンが付いていない。JR東日本は普通列車に対して徹底的に低コスト路線であるためドアボタン改造を行わず、さらに他の季節においてもエアコン冷気保持を口実にドア開閉を完全手動化。北日本では21世紀のご時世に手動ドアという切ない光景が長らく見られた。
ホームドアに関しては個別記事を参照。
エレベータ
かごが到着すると電動モーターにより開く。その後、一定時間経つか乗客が戸締めボタンを押すと閉まる。ただし、かごが動く前はボタン操作で再び開けることができる。