概要
1964年に神戸本線・宝塚本線の1500V昇圧と輸送力増強に対応するべく投入された通勤型電車。本来3000系は神戸本線向けで、宝塚本線向けは3100系と別形式に分けられており性能も異なる。
車体は2021・2071系に準じているが、制御系は電動カム軸制御・発電ブレーキに簡略化され、連結部の貫通路が狭幅へと変更されている。なお狭幅貫通路は後の形式でも採用され、デファクトスタンダードとなっている。
3000系は定格出力170kwの直流直巻電動機、3100系は120kwの直流直巻電動機となっており3100系は歯車比が低速向けのセッティングとなっている。
回路構成は架線電圧昇圧に確実に、かつすぐ対応できるよう回路が簡素化され、600Vでは1両のM車で運転可能としながら、1500Vでは2両の電動車のうち1両を高圧車、もう1両を低圧車として直列制御するという珍しい構成となっていた。この電動車構成は冷房化改造時に通常の1C8M方式へと改められている。
形式番号は計画当初は2500・2600系が検討されたが、大量増備で番号溢れが起きることが懸念されたため、3000・3100系となった。京都本線の特急専用車である2800系は2500系が登場することを見越して付番されたものの名残りである。
阪神大震災で被災した3100系3109号車を皮切りに廃車がスタート。1996年に3100系3156Fが編成単位で廃車となり、能勢電鉄へ移籍。
2000年に甲陽線・今津南線のワンマン化で余剰となっていた3161Fが廃車となる。
以後7年ほど大きな動きはなかったが、2007年より本格廃車がスタート。当初は表示幕を設置しない編成と短編成化で余剰となった中間車が優先して廃車対象となった。
9000系、1000系の増備進行で廃車と支線区への転属が推し進められ、最後まで残存していた伊丹線所属の3054Fが2020年2月を以て運用を終了。同年6月に解体処分のため搬出された。
能勢電鉄へ移籍した3156Fは車番を3170-3620-3670-3120へと改め、全面腰部に標識灯を移設して飾帯を設置するなどの改造を施し、2021年4月まで運用された。
