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2012-01-20 03:38:21 バージョン

まんじ

『卍』とは、主に東洋で用いられる代表的な宗教紋章。

概要

ヒンドゥー教仏教で用いられる『吉祥印』(神仏の体に発現する神聖な印)であり、特に仏教の伝播と共に東アジアに広まった宗教紋章の1つ。英語表記に見られる「swastika」(スワスチカ)は、サンスクリット(インド宗教における最高の権威を持つ古代言語)での呼称に由来する。

歴史

紋章自体の発生は非常に古く、最古のものは新石器時代のインドでその痕跡が確認されている。すでにこの頃から特別な紋章として用いられており、インドで発展した古代宗教のバラモン教、ヒンドゥー教、仏教などは宗派を越えてこれを前述の吉祥印として重く用いている。


後に、中国を中心とする周辺国への仏教伝播によってこの文様も仏教の象徴、または仏教における神聖な紋章として広まって現在に至る。


日本では、神仏の加護を得るために武家家紋として用いる、弾圧を逃れる隠れキリシタンが十字架の代用として祈りを捧げるなど、神聖な印ではありながら形や用法を変えて利用される例が多く、身近な所では寺院を表す地図記号としての利用がそれである。

種類

卍には様々な意匠が存在するが、大別すると上部の鉤が左に向く『卍(左まんじ、または鉤十字』と右に向く『卐(右まんじ、または逆鉤十字)』の2種類に分類される。


本項では前者の説明を目的としているため、後者の詳細についてはハーケンクロイツを参照されたい。

誤解

NSDAP(国家社会主義ドイツ労働者党)および第三帝国の象徴となったハーケンクロイツが原因となり、第二次大戦後のドイツを始めとする大半の欧州国家では、左右の向きに関わらず『ナチスおよびナチズムを連想させる紋章』として使用を厳密に規制する法律が施行されている。


このため、作品表現としてナチスが登場する漫画アニメなどの取り扱いも厳しく、欧州へ輸出する場合には該当部分を削除する、または書き換えるといった配慮と処置を必要としている。

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