概要
007シリーズ第17作目。監督は後に「007 カジノ・ロワイヤル」も手掛けるマーティン・キャンベル。
俳優ピアース・ブロスナンが5代目ジェームズ・ボンドを演じた初めての作品であり、007シリーズ初のドルビーデジタル作品でもある。
主題歌を歌ったのはティナ・ターナー。
また、1997年にニンテンドウ64でこの映画をゲーム化した「ゴールデンアイ007」が発売(開発はあのレア社)。劇中のストーリーが再現されている他、歴代007シリーズに登場したキャラクターもいくつか参戦した。
2010年11月、Wii、Xbox360、プレステ3など対応のリメイク版が発売された。ストーリーの大筋は映画を踏襲しつつ、時系列の入れ替えや装備や施設の近代化など様々な差別化が図られている。なお、ボンド役は原作映画でボンドを演じたピアース・ブロスナンではなく、発売当時のボンドであるダニエル・クレイグである。
ストーリー
MI6からの密命を受け、ソ連のアルハンゲリスク化学兵器工場に侵入した007ことジェームズ・ボンドと006ことアレック・トレヴェルヤンだが、アレックが責任者であるウルモフ大佐に捕まってしまう。ボンドは止む無くアレックを見捨て秘密工場を爆破、任務を完遂させる。
それから9年後、ロシアの犯罪組織「ヤヌス」のメンバーであるゼニア・オナトップとロシア軍高官となりヤヌスと内通していたウルモフが、セヴェルナヤにあるソビエト連邦時代の秘密兵器「ゴールデンアイ」を管理する宇宙センターに侵入。兵士と職員を皆殺しにした上、ゴールデンアイの起動キーを強奪。ゴールデンアイを宇宙センターに使用して壊滅させ、全ての証拠を消し去った。しかし、女性技術士ナターリア・シミョノヴァは奇跡的に脱出しており、事の顛末を全て目撃していた。
この様子をMI6本部から衛星中継を通じて見ていたボンドは、上司のMの命令により、ゴールデンアイとヤヌスの関係の手掛かりを求めてロシアのサンクトペテルブルクへと赴く。しかし、そこで死んだ筈のアレックと再会したボンドは意外な真実を知ることになる・・・。
登場人物
ジェームズ・ボンド(演:ピアース・ブロスナン)
本作の主人公。MI6のエージェントで、コードネームは007。これまでに幾つもの困難な任務を成し遂げてきたスーパースパイ。今作では国際犯罪組織「ヤヌス」を相手に立ち回る事になる。
因みに、今作でボンド役になったピアース・ブロスナンはアイルランド人で、歴代ボンド俳優で唯一、英国出身ではない。
ナターリア・フョードロヴナ・シミョノヴァ(演:イザベラ・スコルプコ)
本作のボンドガール。ロシアの衛星兵器「ゴールデンアイ」を管理するセヴェルナヤ宇宙センターの職員で二等プログラマー。ヤヌスによる殺戮から運良く生き残り、今作の事件に巻き込まれていく。
アレック・トレヴェルヤン(演:ショーン・ビーン)
006のコードネームを持つMI6のエージェント。コサック出身の孤児。ボンドとは同僚であると同時に親友。アルハンゲリスク化学兵器工場の任務で殉職したと思われていたが……
因みに、アレックを演じたショーン・ビーンは元々ボンド役のオーディションに参加していた。
アルカディー・グリゴリビッチ・ウルモフ(演:ゴットフリート・ヨーン)
ロシア軍の高官。かつてはソ連軍の大佐で、現在はロシア軍の将軍。犯罪組織「ヤヌス」との黒い繋がりが噂されている。
ゼニア・ザラゲヴナ・オナトップ(演:ファムケ・ヤンセン)
国際犯罪組織「ヤヌス」の幹部。グルジア出身で、元ソ連空軍の戦闘機乗り。殺人嗜好の残忍なサディストで、行為中に相手を両脚で挟み込んで締め殺す事を最も好む。
ボリス・グリシェンコ(演:アラン・カミング)
セヴェルナヤ宇宙センターの職員で一等プログラマー。ナターリアの同僚。コンピューターオタクで、卓越したハッキング能力の持ち主。
M(演:ジュディ・デンチ)
MI6長官であり史上初の女性。今作の事件の少し前に就任した。従来とは全く異なるやり方で組織を運営している為、ボンドなど古参のエージェント達からは内心煙たがられている。
衛星兵器「ゴールデンアイ」
本作のタイトルにして鍵である、ソ連が開発した秘密衛星兵器。核攻撃に対する報復を目的としたもので、いわゆる電磁パルス兵器である。
普段は衛星軌道上を周回しているが、地上からの指令で起動すると、設定された標的地点に軌道を修正して移動する。標的地点到達後は、内蔵した小型核爆弾を起爆させて高出力の電磁パルスを発生させ、それを衛星軌道上から撃ち込むことで、標的地点周辺の電子機器を悉く破壊する。
その威力は凄まじいもので、セヴェルナヤ宇宙センターに対して使用された際には同センターの電子機器を破壊し尽くした上、宇宙センターからの警報で駆け付けたMiG-293機が巻き添えを食らって墜落、おまけにMI6やアメリカの衛星も巻き添えを受けて機能停止した。