概要
白亜紀前期のイタリア・ピエトラローヤ(サムニウム)に生息していた獣脚類。
属名は「スキピオの爪」を意味するが、これはスキピオ・アフリカヌス(大スキピオ)と、発見地の調査を最初に行った18世紀の地質学者スキピオーネ・ブライスラークの二人に由来している。
1998年に命名されて以来、全長50cm程度の幼体の化石しか見つかっていないが、この標本は主要な軟組織や内臓がほとんど欠損せずに保存されており、恐竜の生理を考えるうえで重要なものとなっている。
その一方で幼体であることから、明確な分類を推定するのに役立つ顕著な特徴が確認できず、獣脚類のどのグループに属するのか分類作業が難航した。
一時期はドロマエオサウルス科とされたが、その後コエルロサウルス類の中でもコンプソグナトゥス科に近縁とされ、長い間主流であったが、2021年にはカルカロドントサウルス科の幼体である可能性が指摘され分類は再び混沌としている。