概要
PC/PS4/XboxONE/NintendoSwitchにて発売中。
タイトルのBlasphemousとは「冒涜的」という意味である。
近年元気のいいインディーズゲームのメトロイドヴァニアにおいても、制作側の地域性・宗教性を貫徹した尖った作風で突き抜けた一作。
衝撃的でおぞましいデザインの巨大ボス、道中のザコに対する処刑アタック(いわゆるフェイタリティ)などのグロ要素が表面上の特徴としてマーケティングされたが、実の所はシビアなアクションデザインと極めて宗教的なテーマに満ちたストーリー演出が本性である。
4GamerやGameSparkといった著名なゲームサイトで、日本のインディーゲームプレイヤーから大きな注目を集めた。
制作スタッフのインタビューによれば日本のアクションゲームの影響も大きいとの事。
ストーリーを明確に語って導かず、断片的な情報から読取ることをプレイヤーに要求するスタンスやチェックポイントのシステムはダークソウルの影響が明らかだが、他にも大魔界村やストライダー飛竜などの影響を受けたという。
制作チームは南スペインの出身であり、本作の美術デザインやストーリーラインは彼らのルーツであるアンダルシア地方の文化や、その地に根付くカトリックから強い影響を受けている。
主人公「悔悟者(Penitent One)」のとんがり兜は、スペインでカトリック信徒がかぶる「カピロテ」という帽子を金属製にしたものである。
カピロテは元はスペインにおける道化師の装いで、「おろかもの」「いやしいもの」のシンボルでもあった。
そこからカトリックの苦行者が「私はおろかな、いやしい者です。それを償うために修行中です」と自己表明するためにカピロテをかぶるようになった。カピロテを被って苦行を実践する人はスペイン語で「PENITENTE」といい、英訳は「Penitent One」である。
開発者曰く、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの絵画「鞭打ち苦行者の行列」から影響を受けているという。この絵にはカピロテを被って苦行を実践する人々が描かれている。
BGMも強烈で、全編がアンダルシア地方名物のフラメンコギターをベースとしており、悲しげで切々たる旋律が陰鬱な雰囲気を強調する。
2019/12/19にNintendo SwitchとPS4で配信されたのと同時に日本語訳にも対応した。
本作は現代日本人には馴染みが薄い宗教用語・古い熟語が続出するためローカライズは難航が予想されたが、架け橋ゲームズが手掛けた日本語訳の品質は上々。
もっとも、難しい単語が容赦なく並ぶ上にテキストが膨大なため読み手は辞書が必要かもしれない。
2020年8月4日、無料DLC「The Stir of Dawn」がリリース。
クリアデータから2周目「真なる苦悶」を選択できるほか、スペイン語音声の追加、新アイテム・演出・アニメーションの追加、新たなエリアとストーリーなどが実装された。
「真なる苦悶」では自らにペナルティを科す事が出来、選択によっては回復手段や死亡時のペナルティがかなり縛られる事になる。
またアルベロの教会で寄付をする事により街が復興し、祭壇がアップグレード。祭壇でのテレポートが可能となる。
2021年2月18日、『Bloodstained: Ritual of the Night』とコラボする「Strife & Ruin」がリリース。
異世界から迷い込んだミリアムを元の世界に戻すため、トラップ満載の特別なエリアを進んでシャードを集めていく事になる。クリア後は報酬としてコラボ祈詞が手に入る。
「ボスラッシュモード」も追加される。メインストーリーをクリアした後にプレイ可能で、本編に登場したボスと次々に対戦。いくつかのルートが用意され、クリア後には胆汁のフラスコ(回復アイテム)や回避の使用回数、被ダメージ回数などのプレイ内容や、クリアタイムによってランク付けがおこなわれる。
2021年12月9日、最後のDLCである「Wounds of Eventide」がリリース。
新たなエリアやボス、NPCにストーリーが追加され本作の真の終わり、そして「Blasphemous Ⅱ」への橋渡しが描かれる。
2021年3月2日、全世界合わせて100万本セールスを達成した事が公式で発表された。
名実ともに、インディーゲームのスマッシュヒットタイトルの仲間入りをしたと言える。
ゲームシステム
サイドビューの任意スクロールアクションゲーム。
ステージの概念がない広大なひと綴りのマップを探索し、ボスを倒すなどのイベントを経て進行範囲を広げるいわゆるメトロイドヴァニア系である。
システムは比較的オーソドックスで、主人公は剣を武器とし、属性耐性や防御力アップなどのパッシブ効果がある「ロザリオの数珠玉」、新しい道を開く「聖遺物」、敵を攻撃したり自傷行為を行う事で蓄積される「熱情」ゲージを消費する大技「祈詞」といった多様なカスタマイズを駆使して敵を倒し、道を乗り越え、謎を解明して進行していく。
この種のメトロイドヴァニアには珍しく、転落やトラップが即死判定。そのため、探索はプレイヤーへの負担がかなり大きい仕様になっている。
ストーリー
――敬虔にして残酷な神の意志、それは「奇蹟」と呼ばれた。
クヴストディアと呼ばれる世界に降り注いだ「奇蹟」は、すべての魂に潜む罪を具現化し、厄災となって人々に邪悪な呪いをかけた。
あなたは悔い改める者、「悔悟者」となってクヴストディアを旅することとなる。死と生の輪廻に閉じ込められたあなたは、たった一人で「奇蹟」の根源を突き止めなければならないのだ。
しかし、その道は困難に満ちあふれている。
異形なる恐ろしいモンスターや、ひどく荒れ果てた土地が行く手を阻むだろう。あなたの体を引き裂こうとするモンスターを打ち砕き、その手に持つ「懺悔の剣」を強化する償いの涙を手に入れよ。
(公式サイトより)
ストーリーは直接にはあまり語られないが、断片的な情報を元にプレイヤー自身が独自に背景を読み取っていく事が前提になっている。この辺のスタンスもダークソウルに近い。全てのアイテムに伝承が付記されており、これが重要な情報源になる。
ダクソとは違って価値感が全編を通してロウフルであり、困っている人を助け、他者の業を肩代わりする事はよい結果につながる。
キャラクター
悔悟者(Penitent One)
プレイヤーの分身たるとんがり兜の戦士。前日譚を描くコミック「Blasphemous:The Kneeling」にも登場する。
自らに沈黙の行を課しており、台詞は一切存在しない。
かつては「『黙する悲哀』修道院」に所属する一員だったが、修道院が襲撃を受けた上に殺害され、大勢の死体と共に遺棄されていた。しかし「奇蹟」により蘇生、死ぬことのできない身となり、「『黙する悲哀』同胞団」最後の生き残りとして「奇蹟」の根源へと至り地上の災厄を打ち払う為、贖罪の旅に出る。
NPC
デオグラシアス(Deogracias)
緑の装束と全身に縄を巻き付けた大男。「奇蹟」の証人を自称し、手には巨大な巻物を携えている。
悔悟者の行く先々に現れ、目指すべき場所と進むべき道を示唆する存在。
かつては『黙する悲哀』修道院に所属する書記だったが、各地で発現する様々な「奇蹟」を見聞して書き記す為に修道院を離れた。
ちなみにほとんど膝立ちなせいか、膝が傷だらけで真っ赤に染まっている。
ティルソ(Tirso)
「アルベロ」の街で病人を治療する「口づけの廉施者(Wound Kisser)」。
絶望的な状況下でも仲間とともに献身的に病人の世話をしており、悔悟者に治療用の軟膏の材料を見つけたら持ってきてくれるよう依頼する。
材料は全部で6つあるが、入手後にそのままボス戦をクリアすると周囲の仲間が次々に死亡し、アルベロ郊外に墓が立つ。最終的にティルソ自身も倒れてしまう為、材料を入手したらボス撃破前にアルベロに戻って手渡す事が重要。全てクリアするとロザリオのスロット数を増やす結び目をくれるほか、実績が解除される。
モデルは聖人・アッシジのフランチェスコ。膿みただれたらい病患者に抱擁して口づけをした事で恐怖が歓喜となり、献身的な奉仕を行うようになったという。
ルウドヴィコ(Lvdovico)
「アルベロ」の「真聖遺物教団(Order of the True Burial)」司祭。窓越しにのみ会話が可能。
人々が等しく「正しい形で埋葬されること」を目的とし、悔悟者に遺体を見つけたら持ってくるように依頼する。
「奇蹟」が発現した為に惨殺された少女・修練者テンチュディアの遺体の一部(遺肉・遺骨・遺髪)はクヴストディアの各地に捨てられており、持ち帰ると感謝して報酬をくれる。
カンデラリア(Candelaria)
クヴストディア各地に店を構える胡散臭い女商人。様々な品が入った巨大な壺を背負っている。
クエストに関連するアイテムもある為、見つけたら可能な限り購入したい。全ての店で全ての品を購入すると実績が解除される。
アイテムのフレーバーテキストによるとジプシーであり、「ある者には賢者、ある者には魔女」という謎の存在。
ヴィリディアナ(Viridiana)
ボス戦前に佇んでいる女性。「祝福されし場所」より悔悟者を見守る為につかわされたと語る。
協力を要請する事ができ、ボス戦で悔悟者の体力を回復してくれる。しかし協力するごとにその姿は老化し、三度ボス戦をクリアするとその場に倒れて死んでしまう。実績に関連するため、ここぞという時に協力を要請したい。
その姿は乙女・母・老婆(Maiden,Mother,Crone)の三相を象徴しており、いわゆる「三女神」なのではないかと考察されている。
ジェミノ(Gemino)
「枯れたオリーブ畑」でオリーブの木に縛られ矢を撃たれ、木と半ば融合した男。教会による罰で、生きたまま徐々に木と同化する運命にある。
悔悟者に「『焦貌の聖女』修道院」にある「聖なる煮えたぎる油」を持ってきてくれるよう依頼。これは時限イベントで、油を渡さずに別エリアのボスを倒すと完全に木と同化してしまうため、攻略チャートには注意が必要。
モデルは聖セバスティアヌス。ローマ皇帝ディオクレティアヌスにより迫害され、木に縛りつけられた上で無数の矢を射かけられ殉教、死後に聖人となった。
レデント(Redento)
後ろ手に自らを戒めた、腰を折り曲げた老人。首からは重しをぶら下げ、足も縄で繋いでいる。
苦行者・巡礼者であり、悔悟者の行く先々で遭遇する。足止めを食らっている事が大概なので道を開くと、感謝の印に色々なものをくれる。
後述するクレファスと思いがけない形で面会する事が可能だが、双方のフラグ管理が必要。最終的に「万母の母」に到達するが……。
ソコロ(Socorro)
「万母の母」にて、永遠の苦痛に悶絶する聖女。寝台に両手を拘束されたまま、全身に絶え間なく生じる傷により血を流し続けている。
元は処刑場の麓の村に暮らす優しい少女だった。苦痛に泣き叫ぶ人々の声を聞いて育ち、その苦しみに共感し、傷と痛みを引き受けたいと神に祈った結果、「奇蹟」により他者の苦痛を引き受ける事となった。悔悟者は彼女を開放、介錯をして痛みを終わらせるか選ぶことになる。
クレファス(Cleofas)
ソコロの「奇蹟」を前に祈っている修道士。かつては真聖遺物教団の一員であり、レデントの知己でもあった。
ソコロが解放されると、それまでの祈りが無為だったことに絶望。この時ルウドヴィコから事前にアイテムをもらっていれば希望を見出してアルベロに戻る事になるが、そうでない場合は……。トロフィーに関連したイベントが発生する為、フラグ管理が必要なNPCの一人。
アルタスグラシアス(Altasgracias)
三人の女が出たらめに融合し、長い顎鬚をたくわえた怪物。「怨嗟の縦穴」にてアイテムを捧げると謁見が可能。
かつては三姉妹だったが、望まぬ婚姻を拒否し「決して結婚しない」と誓いを立てた後、「奇蹟」により異形の姿となった。悔悟者に「奇形の卵」を授けるが、とある場所で孵化させる事で便利な聖遺物にトレードできる。
聖ウィルジュフォルトがモデル。異教徒の家に生まれたがキリスト教を信じていた彼女は、同じく異教徒のシチリア王との結婚を強要される。純潔の誓いを立てる為に神に祈ったところ髭が生え、失望したシチリア王は立ち去った。この事に激怒した父親により殺されたが、以後は解放者および女性の守護聖人として絶大な人気を博した。
ホジネロ(Jocinero)
「眠れる画廊」の、雄牛と月が描かれた巨大な絵画の中にいる、巨大な赤子。
クヴストディア各地で見つかる「月光の子ども達」の兄弟であり、救出した数に応じてアイテムと祈詞を授けてくれる。
会話によるとホジネロと兄弟は「万母の母」教会と対立する立場にあり、兄弟は捕らわれの身となり、ホジネロも絵画の中に封印されていたらしい。
元ネタはフラメンコの曲「雄牛と月(El Toro y la luna)」。また「ホジネロ」という名は
1862年に著名な闘牛士ホセ・ダマソ・ロドリゲス(ペペテ)を返り討ちにして殺害した雄牛の名前でもある。
ヒブラエル(Jibrael)
DLCで新たに追加されたNPC。「聖線」地下の「錐体」にて悔悟者を待つ。
大昔にねじれ曲がったラッパに両腕を戒められた男。悔悟者に「夜明けが来る」事、それに合わせてアマネシダが復活する事を告げ、彼女達が解放される事を望んでいる。
悔悟者が望めばラッパを吹きならし、アマネシダの棺を出現させる。これを調べると戦闘となる。
ナシミエント(Nacimiento)
DLCで新たに追加されたNPC。「アルベロ」近くの「冒涜の貯水路」の一室にいる。
老いた男の顔を胴体に持つ童顔の男。年を取るにつれて胴体の男は老い、自らは若返り続けるという「奇蹟」に見舞われたと語る。今では失われた錬金術を会得しており、水銀を渡すとフラスコ瓶の効果を強化してくれる。
強化が進行すると胴体の老人が抜け出し、苦痛に苦しむさまを見せる。全ての強化が終わると……。
ミリアム(Miriam)
DLCで新たに追加されたNPC。『Bloodstained: Ritual of the Night』の主人公であり、この世界に迷い込んでしまった。
ボス
おぞましい姿をした異形の存在。「奇蹟」の権化であり、神の側に立つ者からは聖なるものとされる。
黙する悲哀の番人(Warden of the Silent Sorrow)
鉄仮面をつけ、緑の典礼服を着た大男。最初のボス。
手にした燭台を叩きつけ、衝撃波を放つ。撃破後は傷口から流れる血を悔悟者が兜に注いで被るというイベントが発生する。
実は属する『黙する悲哀』修道院の修道士長が奇跡で変わってしまった姿。
かつての仲間を殺しその血を被る悔悟者が何を感じたのか。それは誰にもわからない。
慈悲を施す者(Ten Piedad)
「慈悲なる夢」ボス。三試練のひとつ。
ミケランジェロの「ピエタ」を髣髴とさせる女性の像に抱かれているが、悔悟者と遭遇すると起き上がり、像の首をもいで叩きつけてから襲ってくる。広範囲攻撃と打撃を組み合わせてくるので、適切なパリィと回避を織り交ぜて戦う必要がある。
フレーバーテキストによると元は人間で、眠っている間に「奇蹟」を受けて怪物化し、絶え間ない怒りと痛みに苛まれ続けているという。
焦貌の聖女(Our Lady of the Charred Visage)
「『焦貌の聖女』修道院」ボス。三試練のひとつ。
醜く焼けただれた巨大な顔。左半分は溶けた黄金に覆われ、額からは脳が露出している。
両手からレーザーや火球を放つため、適切な回避が必要。後半になると発狂弾幕になる為、かなりの難易度を誇る。
元はアウレアという名の美少女。あまりの美しさによって崇拝の対象となるが、男達から言い寄られるだけでなく自分の顔が宗教的な偶像化される事を悲しみ、自らの顔に煮えたぎった油を注いだ。火傷は癒える事なく、この行いにより皮肉なことに聖人とされた。修道院が設立するに至り、修道女も信仰の証として自らの顔を焼くならわしとなっている。
元ネタは12世紀頃のセビリアの伝説。マリア・フェルナンデス・コロネルという美女がおり、時の王ペドロ1世に執着された。王は障害となる家族を次々に殺し、マリアは王の追跡から逃れる為に自らの顔を煮えたぎる油で焼いた。これにより王は恐怖して手を引き、マリアはサンタ・イネス修道院を設立。後にその亡骸(不朽体)は掘り起こされ、同修道院の聖遺物とされている。
三苦悶(Tres Angustias)
「怨嗟の縦穴」ボス。三試練のひとつ。
黒いドレスとマスクをまとう三人の女性。一人は槌、二人は槍を操る。
徐々に炎上しながら上昇する空間での戦闘となる。段差を登りつつ適切に攻撃を交わして攻撃を入れると、三人は合体。巨大なレーザーを打ち上げるようになる。
アルタスグラシアスの苦悩を体現する存在である旨がテキストで示唆されている。
ペルペチュア(Perpetva)
「ホンド」手前で遭遇する中ボス。
赤いマントを翼のように翻す女戦士。聖別軍(Anointed Legion)の団員で、エズドラス(後述)の妹。
雷を操るほか、剣での突進攻撃を行う。落雷には事前のモーションがあり、行動後には全体的に隙があるので合間に攻撃を入れる事が可能。
倒すと「ペルペチュアの防具」をドロップ。その後エズドラス戦にも後半に参加してくる。
デオグラシアス曰く、彼女は既に死亡しているのだが、エズドラスはその死を受け入れられず、いまだ傍らにあるかの如く「会話」している。
聖別軍 エズドラス(Esdras, of the Anointed Legion)
「三試練の橋」ボス。金色の鎧をまとい、大槌を振り回す戦士。
聖別軍(Anointed Legion)の団員で、ペルペチュアの兄。
大槌の攻撃に加えて雷を操り、横方向の回転攻撃や飛び道具など幅広い技を持つ。体力が削れて終盤になるとペルペチュアが参戦する為、隙がかなり少なくなる。下手をするとハメ倒されての死亡もあるため、中盤の壁とも言える。
デオグラシアス曰く、兄妹ともども聖下エスクリバーの養子。養父と教会を守る為、贖罪と称して「奇蹟」を破壊する悔悟者を倒す為に戦う。
DLC「Wounds of Eventide」導入後にある条件を満たすと・・・
埋葬の大司教 メルキアデス(Melquiades, The Exhumed Archbishop)
「万母の母」ボス。
多くの手に支えられて横たわる巨大な骸骨。豪奢な法衣や冠で飾られており、教会の信者達によって生きているかの如く敬われていた。
手に支えられている間は攻撃できないので、雷や錫杖、手の攻撃を避けながら支えている手を攻撃し、降りてきた所に攻撃を加える必要がある。
モチーフは「カタコンブの聖人(Catacomb saints)」。ローマのカタコンベから発掘された古代キリスト教徒の髑髏で、無数の宝飾で飾られ、聖遺物として扱われるものが多数存在する。
放棄の末裔 エスポシト(Exposito, Scion of Abjuration)
「眠れる画廊」ボス。
編み細工の女性人形に抱かれた巨大な赤子。両目は白い布で覆われ、血の涙を流している。人面の蛇のような怪物がこれにつき従う。主に攻撃は蛇が行い、毒や炎、尾で攻撃してくる。また赤子が泣き出すと悔悟者の足元に円が生じ、地面にいる間に赤子に接触すると悔悟者を?み上げてバラバラに引き裂くという即死攻撃を行ってくる。
フレーバーテキストによると、かつて魔女として火炙りに処せられた女性の息子。母親は「赤子が処刑の様子を見ずに済むよう目隠ししてあげてほしい」と望んで聞き入れられ、赤子は刑が終わるまで泣き続けた。また母親はもう一つの願いとして「自分の似姿の編み細工の人形を作り、それで赤子を慰めてほしい」と望む。人形の腕に赤子を預けると、彼はようやく泣き止んだという。
「エスポシト」は、スペイン語で「親がいない孤児」を意味している。
炎による復活者 キルセ(Quirce, Returned By The Flames)
「聖禁の壁」ボス。
赤いカピロテを被り、炎の剣を操る男。アイテムを取ろうとするといきなり床下から襲いかかってきて戦いとなる。
回転する剣のほか、炎の柱や突進攻撃を繰り出してくる。落下攻撃などは隙が生じるため、攻撃を入れるチャンスとなる。
フレーバーテキストによると、かつて異端者として火炙りに処せられた男。凄まじい苦痛に苛まれて焼死したが「奇蹟」により蘇り、灰の中から復活したという。
拘束の苦悶 クリサンタ(Crisanta of the Wrapped Agony)
「大聖堂 屋上」ボス。
黄金の鎧に身を包んでおり、主人公と同じ金属製のカピロテを被る。その面頬は自分の目をふさいでいるかのようなデザインになっている。
ほとんどの攻撃はパリィが可能で、離れて戦うよりも近接の方がやりやすい。ただしワープからの突進攻撃などを織り交ぜてくる為、油断は禁物。
前日譚にて悔悟者を殺害し、同胞と共に修道院に投げ捨てた張本人。
DLC「Wounds of Eventide」では悔悟者との真の決着が描かれる。
聖下 エスクリバー(His Holiness Escribar)
ラスボス……の一つ手前。「教皇の回廊」にて戦闘。
赤い皮膚を持ち、銀色の法衣と仮面に身を包んだ男。手には宝飾された剣を持つ。
複数の遠距離攻撃をしてくるが、あくまでも前哨戦扱い。本番は彼を倒したその後になる。
「万母の母」教会の最高指導者であり「聖別軍」を配下とする。「奇蹟」を否定する「『黙する悲哀』修道院」を襲撃させ、物語の発端を作った。
「奇蹟」により神に選ばれた末子にして、クヴストディアを覆う異変の根源。たびたびカットシーンに登場し、悔悟者に呼び掛けているが、その真なる願いは……。
奇蹟の末子(Last Son of the Miracle)
ラスボス。巨大化したエスクリバー。胸に提げたペンダントの中には、本体の遺骸らしきものが見える。
仮面が閉じている間はいかなる攻撃も通らない為、巨大化した剣を攻撃して仮面を開かせる必要がある。また高い位置にある為、様々な攻撃を掻い潜って足場に昇り、顔を攻撃しなければならない。
倒すと体が溶け崩れるが、五本の腕を持った彼が「昇天」する様が描かれる。この後エンディングとなるが、フラグを立てる事で2種類の終わりが迎えられる。
ラウデス、最初のアマネシダ(Laudes, the First of the Amanecidas)
DLCで追加されたボス。黄金の髑髏マスクを身に着けた女性。
彼女と戦う前にヒブラエルと会話し、硝子の棺に眠る4体の分身を倒す必要がある。斧、弓、剣、ランスで多彩な攻撃を仕掛けてくる分身をすべて倒した後、新エリア「鋼鉄の樹」最上階にある広場にて覚醒した彼女と戦う事が可能。水晶によるバリアを破壊しなければダメージが入らず、時間経過でバリアが再構成されるのを逐一防ぐ必要がある。
はるか古の時代に父なる神を奉じ、祈りの歌「サエタ」を歌い続けた女性。体中の毛穴から流れ出す黄金によって分身を作り出すほどの熱情に嫉妬した「奇蹟」の御業により、長い間封印されていた。
シェルペス(Sierpes)
DLCで追加されたボス。画面には収まらないほどの巨大な大蛇。
死者の歌声 イシドラ(Isidora, Voice of the Dead)
DLCで追加されたボス。死神の鎌を持った女性。
エスクリバー(第三形態)(※ゲーム中の表記が無いため仮名)
DLCで追加されたボス。奇蹟の末子の中身であり、巨大化した赤い大男。