「さすが俺の弟だ」
「……俺の兄貴って事で…」
概要
弟達の為に呪霊側に就いた脹相と呪術師側の悠仁。
序盤での二人は敵対し、悠仁は脹相の最愛の弟達を退治した事により復讐心に駆られた脹相から命を狙われる。
渋谷事変編で悠仁は脹相に敗北してしまうが、脹相は「存在しない記憶」によって殺意を失ったので窮地を脱した。脹相の術式の副次効果により悠仁が「弟」の疑惑が浮上し、確信後は兄弟達の死を事故と割り切り和解した。
悠仁は母親を思い出すまで兄弟の話を信じてはいなかったが、後に兄として受け入れた。
脹相は最後の弟となった悠仁を溺愛し、親バカならぬ兄バカとなる。
上述の通り、二人はある人物と共通した親を持つ実の兄弟である。
異母とも異父とも言える複雑な関係で、二次創作では異父設定を使われる事が多い。
年の差は150年以上。
悠仁は脹相を除いた呪胎九相図の兄弟達とは直接血は繋がっておらず、彼らとは義兄弟となる。
お互いに呼び捨てで、「存在しない記憶」では悠仁は脹相を「兄ちゃん」と呼んでいる。
呪いよりも深い愛
兄の弟への無償の愛は憎む血と連なる尊き絆であり、呪いでもある。
壊相、血塗の死の根本的な起因は呪霊側に就く事を選んだ脹相にある。
脹相は兄弟と穏やかな生活を送りたかっただけなのだが、母の怨敵に気づかず、自らの選択によって同母の弟達を死なせてしまう。
兄である事を存在意義としていた脹相にとって弟達の死には深い自責の念に苛まれたに違いなく、悠仁への憎悪は計り知れないものになったはずである。
しかし「弟」だとわかると、殺意と血に塗れていた掌を返した。八人の弟達を続けて失い、受胎九相図で独りになってしまった脹相には新たな弟である悠仁は「兄」としてまさに救いであったのだろう。
だから悠仁を守る為に行動し、彼の願いを叶えるべく献身的に支える。
たとえ弟達を殺めた相手でも、血の繋がった兄として亡き弟達の分の愛情を彼に注ぐ。
悠仁は最後の弟であるのだから。