漆女房
うるしにょうぼう
「漆女房」は江戸時代の怪談集『諸国百物語』に登場する豊後国の妖怪。別名「黒色の女房」、「漆黒の女」とも。永遠の17歳にしてヤンデレ。
ざっくりした説明
延宝5年(1677年)に刊行された「諸国百物語」巻二に所収される豊後国(現在の大分県)を舞台とした『ぶんごの国何がしの女ばう死骸を漆にて塗りたる事』に登場する妖怪。
元は17歳で風邪をこじらせて病死した幼妻(しかも美少女)で、夫から常日頃「お前が死んだら後妻を迎えない」と言われ続けていた彼女は今わの際に
「自分の死体を火葬も土葬もしないで、腹を裂いて内臓を抜き出して代わりに米を詰めて、漆で14回塗って、その死体に鉦鼓を持たせて、持仏堂に祀り、毎朝毎夕、私の前で念仏を唱えてください」
といった狂気に満ちた遺言を残し、それを実行した愛が重い夫によって生み出された妖怪である。ガチで永遠の17歳。
その2年後に夫が後妻を迎えると次々に夫が迎えた後妻たちを脅して追い出し続けた末に、最終的に自分のことを夫に喋った最後の後妻と罵倒して持仏堂から引きずり下ろした夫とを殺害したヤンデレである。
「諸国百物語」に登場する一部の妖怪同様に怪力で人間の首をねじ切ってお持ち帰りすることができる。
ちなみに名称は、「黒色の女房」、「漆黒の女」などと呼ばれる場合もある。