概要
漢字表記は「猫将軍」。
道教の予言と海運の神とされ、世界でも珍しい猫の姿の神様である。
猫将軍は清の黄漢が著した猫に関する書物「猫苑」にて言及され、「安南の猫将軍廟には猫首人身の像が奉安されている。よく霊異を現し、中国の人間でもこの地に来る者は猫将軍廟に参拝する。明の毛(マオ、mào)尚書が安南を平定したのを、猫(ミャオ、mão)将軍と誤り伝えたのかもしれない」旨の記述がされている。
なお、この安南を平定した明の毛尚書という人物だがいかなる歴史書にも登場しない、実際には存在しない人物であり、猫将軍の名の由来は錨(ミャオ、mào)だとされる。猫と錨、両者を結ぶ要素を発音の近似の他に、中国文学者である澤田瑞穂氏が「中国の民間信仰」において「猫は錨で、船の錨を神として航海の安全を祈ったものではなかろうか」と考察している。
また、「猫苑」では同じ経緯で生まれた「鉄猫将軍」という神格を紹介している。その内容は、「天津の造船所には使われなくなった錨がいくつもあり、その中でも大きな錨が年久しくして祟りをなしたので、勅を奉じて封号を賜り、毎年天津から役人が来て祭りを行った。これを称して鉄猫将軍とする」というものであり、これも錨が猫に切り替わって信仰された例である。
創作作品での活躍
『女神転生』シリーズのネコショウグン
アトラスのRPG『女神転生』シリーズ及び『ペルソナ』シリーズにおいて、作中登場する悪魔やペルソナの一体としてネコショウグンが登場する。
いずれにおいても猫型の軍配を片手に中華風の甲冑を着込み、猫の頭と足跡のマークが刻まれた幟を二本背負った黒猫の姿で描かれる。
デザイナーは悪魔絵師として名高い金子一馬氏。軍配と幟が和風デザインなのは「将軍(ショウグン)」の日本におけるステレオタイプなイメージに合わせたため。
初出作品は『真・女神転生デビルサマナー』で、種族は「秘神」。ステータスはレベル36ながらも「知」の値が17ときわめて高く、これは高レベル帯の悪魔でも知の値に関してはネコショウグン以下という者がザラにいる水準である。「放電」や「タル・ンダ」の他にも、敵全体にCLOSEを付与する「薬師仏笑」や味方全体を小回復させる「聖者の歌」などの幅広いスキルを持つ。
『真・女神転生デビルチルドレン』シリーズにもカミ種族のデビルとして登場。こちらでは赤備えの鎧具足に二本の幟を背負った完全に和風の出立ちであり、解説も「ネコの姿になってしまった剣の達人」という本来の猫将軍像から乖離している。
『ペルソナ4』では主人公のペルソナとして登場。アルカナは星。
物理耐性、電撃反射、闇・光無効、疾風弱点とかなり優秀な耐性を持ち、ジオンガ、電撃ブースタの電撃系、メディラマ、マハタルカジャ、真・疾風見切り、神々の加護など、補助向きのスキルを多数習得する。
ミタマ族のペルソナ四体をそろえ、さらに7/20を越える必要があるため、召喚するのは少し手間がかかる。
しかしその手間に見合った性能を発揮してくれるため、中盤では重宝される。
ただしレベル限界も比較的早いため、伸びしろが短いのが玉にキズ。
ファンからもその可愛らしさから人気があり、その影響か『P3P』でも「電撃反射」の特性がないネコショウグンが召喚ペルソナとして登場した。