平清盛を父に持ち、高倉天皇の中宮であった平徳子出家後の院号。
思ひきや 深山の奥に 住まひして 雲井の月を よそに見んとは
源平合戦における最後の戦い「壇ノ浦の戦い」にて平家一門が敗れ滅亡、徳子も実子の安徳天皇と共に入水したが源氏方の武将に救われ一命をとりとめた。
戦いの後に出家し、建礼門院と称して戦いで散った平家一門の菩提を弔い続けた。
『平家物語』「灌頂巻」では大原を訪れた後白河法皇に自らの人生を語り『平家物語』全巻の幕引き役となっている。
しば漬
天皇の后、天皇の母であったのに大原の寂光院で質素に閑居していた徳子を哀れみ、地元の民たちは慰めにと紫(当時の高貴色)の漬物を献上した。徳子はこの気遣いに喜んだという。