概要
漫画・アニメ『ニンジャスレイヤー』における用語「忍殺語」のひとつであり作法。ニンジャがイクサにおいて絶対の礼儀として重んじる行為。
詳細
簡単に言うと戦闘に入る前、ニンジャは互いに向かい合って合掌(合拳なども可、好みによる)し、「ドーモ。〇〇・〇〇です」等と名を名乗りあいながらオジギを行わなければならない。この後、オジギ体勢を解いた瞬間からニンジャの戦闘、すなわちイクサが始まるのだ。
そもそも人型ではないニンジャであってもきちんとオジギや合掌等をするし、事情があって喋れないニンジャも仲間に代行してもらったり、ショドーを使って文章でアイサツの意を伝えるなど、状況によってはある程度アイサツのやり方が変化することがある。(例えば高速スプリント中はオジギできないので省略されたり、人などの武器ではない荷物を抱えており、降ろせない場合などは合掌なども省略される)いずれにせよ、「アイサツする意思」を相手に伝えられればよいようだ。
多対多、多対一の場合、代表者が組織名、小隊名でアイサツすることもあり、その場合他の者がアイサツしないのはシツレイ(不名誉、恥)ではない。
基本的にアイサツ中は手を止めなければならず、途中での攻撃はシツレイとされる。ただしアンブッシュ=奇襲ならば、一度だけ認められている。
たった一人だけ、アイサツ中の攻撃「のみ」を得意とするニンジャ界の異端児が登場したが、本人の評価は低く、敵にも味方にも「外道」とこき下ろされる有り様であった。
また、基本的にアイサツの後、返礼を待たず攻撃するのは「一方的アイサツ」としてシツレイだが、こちらのアイサツの後、充分にアイサツする時間を与えても相手が返してこなかったり、関係ない話を始めた場合は「アイサツしなかったのは相手」であるため、付き合わず攻撃を仕掛けても「一方的アイサツ」=シツレイにはあたらない
ニンジャにとってこのアイサツ行為は神聖不可侵とされているため、どんなに邪悪な組織でもニンジャであれば例外なくアイサツを行う。たとえ相手が憎悪の対象であっても(それこそ肉親の仇であろうとも)、アイサツは欠かせない。古事記にもそう書かれている。
これから互いに殺し合う状況で「これから殺す相手へ"恨むべき名を伝え"」、また「逆に自らを殺す者へ"倒したニンジャの名を刻む"」、互いへの礼儀を尽くす姿勢がアイサツの本質であるという。故にルールを破れば相手の礼儀を無下にした=シツレイとなるわけである。
礼儀である一方、先手を取ってアイサツすることで相手への機先を制したり、誇示的な口上や態度を併せる、わざと大袈裟かつ丁寧にアイサツする(死地に赴く直前なのにリラックスしている様な敵はスゴイ・コワイ!、ということである)ことで威圧とする、逆に後攻アイサツの間を取り調整することでイクサが始まる瞬間を調節したりなど、心理戦としての側面も持っている。アイサツの時点で既にイクサは始まっているのだ。
なお、上記の通り省略が許されるため、ごく稀に「アイサツなしでイクサが始まり、そのままアイサツするタイミングをお互い見つけられず最後まで行って片方爆発四散してしまう」事もある。
「アイサツは絶対の礼儀」故に勘違いされがちだが、実は「アイサツ無しのイクサはしてはいけない」"訳ではない"、アイサツにアイサツを返さない、アイサツ中に攻撃するなどでアイサツを無碍にするのはシツレイだが、実はアイサツしない事自体のはシツレイではないのだ。しかし、そういった特殊ケースは「あまり好ましくはない」とされるのでシツレイではないにせよそうならないに越したことはない。温情に甘えるのは実際奥ゆかしくないので、どうしても、という事情がない以上はキチンと手順を踏むのが礼儀である。
以上のようにニンジャの間では厳格に守られ続けるアイサツの作法ではあるが、あくまでも超人たるニンジャ同士のイクサの作法であるため、モータル(一般人)相手には必要ないし実際しない。もちろん、脆弱なモータルを恫喝し畏怖させるなどの目的で、あえてアイサツをするニンジャも少なくはない。そうして挨拶されたモータルは大抵NRSを起こし「アイエエエ!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」と叫んで失禁してしまう。
一方で、たとえモータルからであってもアイサツしてきた場合、ニンジャは本能レベルでアイサツを返してしまう。モータルでありながらニンジャと戦う者などにはそこを突かれて手痛いダメージを負うこともある。やられたニンジャ側からしたら卑怯ではあるが、この場合はモータル相手に不覚を取られてしまったニンジャ側の恥である、ということであるようだ。
関連タグ
おじぎをするのだ:他作品における似て非なるもの。