「あの金髪の孺子(ラインハルト・フォン・ローエングラム)は切れ者だぞ」
概要
デグスビイ主教は、田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』の登場人物である。
フェザーン自治領第5代自治領主・アドリアン・ルビンスキーを監視するため地球教から派遣された人物。
ルビンスキーに「狂信者は困る」と評されながらも、宗教者として禁欲的な生活を送り、知性も充分に備えていると評される人物でもある。
また、上記のセリフのとおり、自信家のルビンスキーよりもゴールデンバウム朝銀河帝国の実権を握ったラインハルト・フォン・ローエングラム公爵を正確に警戒しており、世情の評判に惑わされない鋭さをあわせもった人物でもある。
が、フェザーンにとどまるうち、いつしか食事にサイオキシン麻薬を盛られるようになり、酒と女におぼれるようになり、健康も急速に悪化してしまう。
「陳腐な策だが、効果があるからこそ多用されるし、多用されるから陳腐にもなる」
それらの醜態はルビンスキーの首席補佐官・ルパート・ケッセルリンクに録画されており、ルビンスキーだけでなく彼個人からも脅迫され、
「身のほどを知れ」
と言い返すが歯牙にもかけられず、聖職者としての道を踏み外したことに悔悟の表情を見せる。
健康を害したデグスビイ主教は、帝国軍のフェーザン侵攻(ラグナロック作戦)のどさくさにまぎれるように、同盟軍フェザーン駐在武官・ユリアン・ミンツ中尉、ルイ・マシュンゴ准尉とともにフェーザンから逃亡するが、同盟への航行の最中、衰弱を深めて死亡、ユリアンは彼の死に深い印象を感じることとなった。