前置き
『魔王様、リトライ!』の中には作品の設定上、二人の九内伯斗が登場する。
よって本ページでは、
- 主人公(大野晶)が異世界転移時に変身した九内伯斗→「概要」の項目
- 本来の九内伯斗→関連概要の「九内伯斗(INFINITY GAME)」の項目
をそれぞれ参照。
概要
CV:津田健次郎(大野晶も兼役)
本作の主人公。
元々は大野晶(以下「大野」)という名のごく普通の社会人であり、2001年から15年間もの間「INFINITY GAME」という自作ゲームを運営していた。
2016年、サーバーとの契約期間切れによるサービス終了により、彼が作ったINFINITY GAMEとともに、ゲームのラスボスとしてデザインされていた九内伯斗(以下「九内」)も15年の幕を閉じる予定だった。
しかしサービス終了間際、九内としてゲームにログインしていたところ、終了時刻の0時を迎えた瞬間に異世界へ召喚されてしまい、大野は九内の姿と能力で異世界に滞在することになってしまった。
マフィアのボスのような見た目をしており、マイルドヘブンというタバコのようなアイテムをよく吸っている。無害どころか身体に良いアイテムであり、気力が回復して精神が落ち着く。
マイルドヘブンを吸う場面では、九内は内心テンパっていることが多く、この喫煙動作は精神安定だけでなく時間稼ぎも兼ねている。
「管理者権限(アドミニストレーター)」という能力を活用し、スキルポイントを消費して「INFINITY GAME」に登場していたアイテムを作成したり呼び出したりできる。
異世界転移してから早々に悪魔王グレオールに追われているアクと出会い、彼女を助けたことがきっかけで一緒に行動をすることになる。
その後、成り行きから三聖女の一人ルナ・エレガントも同行することになる。
人物像
高級感あふれるスリーピーススーツに召喚された土地では珍しい漆黒の長髪を携えたその姿や、圧倒的な戦闘力はまさしく魔王と呼べる物だが中身はあくまで一般的な社会人なので、普段の性格は天然かつ常識人。
しかし、たまにエキセントリックに羽目を外したり茶目っ気がある行動をとるときもあるため、ギャグパートと真面目なパートの差が激しい。
九内の年齢設定は45歳だが、大野自身の年齢はおっさん呼ばわりにリーチがかかっている(自称)ため、「オッサン」呼ばわりされると一々反論する。
まるで詐欺師かの如く、交渉を有利に進めることやハッタリの使いどころを見極めることを得意としている。しかし、そんなことをまるで知らない異世界の住人は、その重厚感あふれる佇まいにただならぬ威圧感を感じ、九内に対して畏敬の念を持っている。
自ら異世界に召喚したINFINITY GAME内の側近達からは、かの大帝国で国民幸福管理委員会の長官としてその手腕を発揮していた九内として認識されている。中の人である大野自身は自らが設定した側近達の能力や、残虐な性質などを嫌という程理解しており、側近達にボロを出さないように気をつけている。しかし、彼自身の異世界での行き当たりばったりの行動が、毎度毎度思いがけぬ結果を産んでしまうことから、側近からさらに崇められて話が飛躍するというコントのような関係を築いている。
関連人物
異世界に召喚されて最初に出会った人物。アクが住んでいた村から悪魔王グレオールへの生贄出され、必死に逃げていたところに遭遇した。聖光国において非常に恐れられていたグレオールを危なげなく粉砕し、雑魚呼ばわりする九内の持つ圧倒的な強さを目にし、伝承にある魔王と勘違いされ恐怖される。しかし、村で汚物を虐げられていたアクの境遇を知った後、それに構わず背負って知り合いに聞かれたら10年以上ネタにされるであろうキザなセリフで元気付けたことにより、以降懐かれてともに旅をすることになる。
九内がラビの村を拠点とした後は、ラビの村で生活しながら魔王の帰りを健気に待っている。魔王が村に滞在する際は一緒に眠るなど、まるで親子のような関係を築いている。
九内はアクに対して「なぜだかわからないけど、この子を守らなければいけない」という意識が芽生えている。これといって特殊な能力を持たないアクを実力主義であった九内がなぜか優遇していることに側近などは注目しており、村の住人の中でも最重要人物の一人として扱われている。
三聖女
アクと出会った後、ヤホーの街を目指している最中に遭遇した。その際ルナは自らを討伐することを目的としており、魔法攻撃により九内にダメージを与えた。カンストには程遠い印象のルナが自らにダメージを与えたことに九内は驚いたが、周りの兵士もろとも撃退し、躾と称しお尻をスパンキングした後、有り金を強奪するという鬼のような仕打ちを与える。その後ヤホーの街で彼女のお金で食事をしていたところ再び押しかけられ、以後旅を共にする。
あまりにも古典的なツンデレ的なキャラによるワガママっぷりにうんざりしている反面、自らの才と努力によって貧困から聖女の地位に這い上がったという意志の強さには関心を持っており、彼女が幼い頃に友としていた亜人であるイーグルが見つかったと聞いて他国にまで喧嘩を売ってでも助けようする姿を見た九内は「大した女だよ、お前は」と高く評価している。
聖光国の神都で起きたサタニストによる騒乱の後、聖域にて出会う。ルナやマダムといった一癖も二癖もある有力者を次々と取り込んでいく九内に対して警戒心を持地、魔に魅了された妹を連れ戻そうと熾天使の跳躍を用いてラビの村に訪れる。しかし、ひょんなことから温泉旅館で九内と混浴してしまう。その際に九内からINFINITY GAMEのアイテムである天使の輪をプレゼントされたことや、全移動によって聖域まで送られたこと。さらに、九内が自らを座天使に呼ばれたと述べたことから、九内のことを伝承に記された堕天使ルシファーそのものと勘違いしてしまった。
九内はその勘違いを利用して、ラビの村がさらに発展した際、ホワイトの理解を得るために悠による年齢改竄と堕天使の羽などの装備品によりルシファーになりきってホワイトのもとを訪れた。そのことがきっかけで、ホワイトは完全に九内に心酔してしまい、いつか九内を本物の天使に戻すと誓った。
九内としての面識はないが、ヤホーの街でサタニストの暴動が起きた際に、霧雨零として出会っている。零の硬派な気質に一目惚れしており、以降零のことをクイーンは「零様」と呼び、その様子はまさに恋する乙女といった様子である。なお、九内によるクイーンの印象は世紀末の世界の住人であり、その評価通り非常に荒い気質で姉御肌の性格である。
INFINITY GAMEにおける側近
九内がINFINITY GAMEにおいて側近としていた八人の人物。それぞれが大帝国において秀でた部分を持っており、国民幸福管理委員会のメンバーとしてGAMEの運営に携わっていた。
異世界召喚されてからも引き続き九内の元で側近として働いている。しかし、九内に対しては以前までと雰囲気が変わっていることを感じており、九内に触れられたときや頼りにされた時などに形容しがたい歓喜の感情が起こることを、電気が走る様子によって描写されている。
※召喚された順に記述。
・桐乃悠
異世界へ最初に召喚された側近。重度のショタ好きという設定であるが、九内の中にこれまでとは違う「世界」を感じており、召喚されて以降は九内に心酔し、拠点であるラビの村で医師として九内の補佐をしている。マッドサイエンティストとして設定した側の九内としては、悠が自分に好意を抱いているかのような行動をしていることに対して恐怖を抱いている。
非常に冴えた頭脳と、根本的に残虐的な性質を持っており、会議などで度々過激な選択肢を提案することも多く、九内や田原などからは諌められることもある。
・田原勇
INFINITY GAMEにおいて九内に妹共々救われた恩があり、側近となった。設定通り天才的な頭脳を持ってラビの村の運営を九内に任されている。九内の行き当たりばったりな行動による結果があまりにもできすぎているため、田原は九内に対して敵にだけは回したくないと感じている。しかし、当の九内に壮大な計画など全く存在せず、田原がいつの間にか綺麗に後処理し、知らぬ間に大事に巻き込まれていることに内心びびっているなど、なんともちぐはぐな関係である。
・藤崎茜
能天気な性格をしており、九内のことを伯斗と呼んでいる。非常に気まぐれな性格をしており、九内の連絡などを無視するなど自由奔放に行動している。そういった行動からしばしば九内を呆れさせるが、不思議と不快感を感じさせない。茜はギャンブル的な性質のスキルを多く持っているため、ベルフェゴールを倒したのち、茜が自由行動しているのも九内は黙認している。
・近藤友哉
ラビの村の警備のために召喚された。いわゆる引きこもりオタクであるが、九内の元与えられた仕事はしぶしぶ実行している。九内に対しては恐怖心を抱いており、共に大神主の森へ訪れた時など、緊張のあまりオタク知識全開の妄想を早口で喋り、九内に素で突っ込ませることがしばしばある。しかし、他の側近同様、九内の変化に気づいており、ゲートキーパーを訪れた際には自分の素直な感情などを話すなど、ある程度の信頼関係は持っている。
・宮王子蓮
INFINITY GAMEにおいて九内のボディガードとして最も近しい側近として使えていた。にも関わらず。この世界において召喚された順序は5番目と比較的遅く、九内がユーリティアスに赴く直前に九内に召喚された。召喚されると同時に、蓮は九内の中身が大野晶であると見抜いており、「やっと会えましたね、本当のマスター」と発言し、魔王を驚かせた。九内伯斗に対してはドライな関係を築いていたが、大野晶には絶大なる愛情を寄せており、以後九内の行動全てに対してポジティブな捉え方をしたり、公衆の面前で愛の告白をするなど、少々天然な様子を見せている。九内は蓮に茜以外に友達がいないことを心配しており、明智光秀を蓮の余力としてそばにおくなど、遠回しにフォローしている。
関連概要
九内伯斗(INFINITY GAME)
大野が作ったゲーム「INFINITY GAME」に登場するラスボスキャラクター。
ゲーム内で数多のプレイヤーを血と恐怖に染めてきた魔王。
ゲーム内のプレイヤーレベルがLv.30(レベルMAX)に満たないプレイヤーは彼にダメージを与えることが出来ない。
会話時はキザで皮肉屋な口調。
霧雨零
CV:森久保祥太郎
大野…つまり九内が作成している別キャラクターであり、コマンド「キャラクターチェンジ」を使用することで変身が可能。
なお、彼にチェンジしている間はいわゆる零自身の意思と思考で動くオートモード操作状態であり、変身中は身体の制御が出来ない。
※アニメ第3話で元に戻った九内が悶えていたのはこのため。
白色の特攻服に銀髪という暴走族のような見た目をしており、性格は硬派で曲がったことが嫌いな気質を持っている。