概要
フィクションではSF・ホラー・ファンタジー作品などで用いられる超能力者、新人類、また広義では超人という意味で用いられる単語である。
『予期せぬイレギュラー』的な意味合いがあり、意図的な遺伝子改変であるデザイナーベビーとは概念的に対義語と言える。
多くは科学の力が関わっており、遺伝子の変異などで特殊な超能力の会得や人外への変身が可能となる。代表的なものでは“ミュータント”という単語を世に広めた『X-MEN』や『ミュータントタートルズ』が挙げられる。
日本の創作作品でも同様に、ミュータントという存在は「生体兵器」や「モンスター」の類として用いられることが多く、おおよそ人間同様の扱いを受けている存在は少ない。
外見も様々で、人間とほとんど変わらない容姿のものもいれば、他の動物と混合された半人半獣のようなものもいる。
MARVELにおけるミュータント
マーベルコミックでは、生まれつき超能力を持つ者たちの総称として、ミュータントと呼ばれている(スパイダーマンのように、後天的な能力者は「ミューテイト」と呼ばれる)。
普通の人類から差別されている存在としても描かれており、現実世界における少数民族や障碍者などのメタファーとされることもあり、「人と人とはわかり合えないのか?」という深いメッセージも込められている。
作中のミュータントは非ミュータントの両親から生まれることも多く、概ね異質・危険な存在として扱われている。
社会的にも、その存在は認知されており、ミュータントが生まれたり能力が発現するとミュータントと周囲から呼ばれる。
プロフェッサーXは、そうしたミュータントの被差別的扱いを解決するため、若きミュータントの教育機関「恵まれし子らの学園」を設立している。
学園の教え子たちはヒーローチーム「X-MEN」を結成した。
プロフェッサーXの教育理念の一つは「ミュータントにも正当に生きる権利がある」であるが、マグニートーは「ミュータントこそが人類の進化系であり、上に立つ存在である」という理念のもと、テロ活動を行っている。
彼が設立したのが「ブラザーフッド・オブ・イビルミュータンツ」である。
このように、常人にはない能力を持つという点は共通しているが、行動次第でヒーローにもヴィランにもなる。
それがミュータントである。
ミュータント(突然変異)作品一覧
作品 | 原因・要因 |
---|---|
X-MEN | 先天的に父親から遺伝 |
スパイダーマン | 特殊な蜘蛛に噛まれ、遺伝子配列が変異 |
HEROES | 親から素質が遺伝・日食による覚醒・投薬 |
ミュータントタートルズ | 特殊な化学物質『ミュータンジェン』に接触 |
ゴジラ ファイナルウォーズ | X星人と交配した人類の末裔で、“M塩基”と呼ばれる特殊な塩基を持つ |
イナズマン | 母親からの遺伝。更に敵は自身に機械的及び生態的改造を加えている |
プロメア | ある日突然炎生命体と共振し、本人の意思と関係なく炎を操る力を持つ |