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遠野物語の編集履歴

2012-03-02 21:30:10 バージョン

遠野物語

とおのものがたり

明治43年(1910年)に刊行された説話集。

概要

遠野物語とは、柳田国男の編纂による著作。日本の民俗学研究に関わる書の中でも、特に多くの読者を得た。


岩手県遠野出身の民話研究家佐々木喜善が蒐集した郷里の伝説を、柳田国男が小説のような文体でまとめた。


この前にも柳田は民俗学の書物を記しているが、内容が堅苦しかったため人気が出なかった。こちらは、民俗学の書物というよりも「怪異集」や「童話集」のような扱いを受け、印刷費用を容易に回収できたという。この書物に対する書評は、泉鏡花田山花袋が積極的に記し、近代の幻想文学にも影響を与えた。


内容

よくある昔話のような「昔々あるところに」という形式と違い、具体的な場所や人名が出ているのが特徴である。この書物によって有名になった妖怪や怪異として代表的なものは、座敷童子マヨヒガなど。要するに同人屋にうれしい資料である。原文は簡潔な文語体で、今から手にとろうと思うならば、まずは口語訳から読むといいだろう。古めかしい文章に抵抗がないなら原文で読んでもよいが、遠野の古老の語り口そのままではなく、柳田による手が入っていることに留意が必要。


場所が遠野(岩手山中)であるため、当然ながら山とかかわりのある人々の文化であるので、そういう物を知りたい人にもいい書物と思われる。ただし、海に関わる伝承や妖怪はからっきし登場しないので、そういうものはまた別に調べる必要があるだろう。マタギやサンカなどの記述もちらほら見られる。話は比較的近代のものも含まれており、著作時点(明治43年)の前年、という話すら収録されている。

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