PMSM
ぴーえむえすえむ
概要
永久磁石型同期電動機の略称でPermanent-Magnet Synchronous Motorの頭文字をとったもの。英語ではPMM(Permanent-Magnet Motor)という略称もある。
誘導モーターに対して高効率な点が特徴で、定格速度でこそ効率は数%の差だが低速~中速域では誘導モーターを遥かに上回る効率で運転できる。その反面、同期モーターそのものが誘導モーターより高価(※)で、各モーターは回転角度に同期(※2)した制御が必要なために主変換機もその分高価になり車両価格がどうしても高価になる。そのため、通勤電車や入換用機関車といった発車・停車・加減速が頻繁で低速~中速の比率の多い路線、車両の採用が主となっている。
pixiv内投稿イラストでは当該タグのついているイラストはメイン画像のみだが、pixiv百科事典内では通勤形電車の記事を中心として該当している記事がいくつかある。
補足
※・・・実用に耐えうる磁石が高価な希土類磁石になってしまうことと、回転子が誘導モーターより複雑なことが主な理由。
※2・・・同期モーターでは回転子と回転磁界の角度差でトルクを生じさせており、一定以上角度がずれると「脱調」といって同期が取れなくなり回転を維持できなくなる。誘導モーターでは回転子と回転磁界の速度差(すべり)でトルクを生じさせているため同期モーターほどの厳密な制御でなくともOK。
大まかな構造の違い
回転子がかご型導体(IM)か永久磁石(PMSM)かの違いでそれ以外は大きな違いはない。しかし、回転子の磁石が非常に強力で異物を引き付けてしまうと除去が困難であり、分解整備・修繕はそれに加えて大きな永久磁石を扱うという非常に危険(※3)な作業のため全閉式になっており軸受以外はメンテナンスフリーになるように作られている。
こぼれ話
近年では、中高速域での電力使用効率に優れ、高価な希土類磁石も不要で、かつ出力も大きい同期リラクタンスモーター(synRM)の鉄道向け開発が行われている。