ドーン・オブ・ザ・デッド
どーんおぶざでっど
概要
2004年5月15日に公開されたホラー映画。
1978年に製作された、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロの代表作『ゾンビ(原題は同じ"Dawn of the Dead")』のリメイク作品。
監督はザック・スナイダー。
あらすじ
アナは夫と普通に結婚し、普通に病院に勤務する、正に平穏を絵に描いたような生活を送る看護師で、その日もいつもと変わらぬ日常を過ごしていた。
しかし翌朝、近所に住む少女のヴィヴィアンが顔に重傷を負った姿で寝室の前に立っており、夫のルイスは慌てて駆け寄るが、次の瞬間ヴィヴィアンは彼の首筋に噛みちぎり、凄まじい血飛沫と共に死亡するルイスの姿を目の当たりにしたアナはヴィヴィアンを部屋から追い出して必死に救助を呼ぶが、何故か全く繋がらない。その傍では、死んだはずのルイスが起き上がり、驚くアナに牙を剥いて襲い掛かる。間一髪で逃げ込んだバスルームの窓から外へ脱出したアナが見たのは、見慣れた家屋が炎に包まれ、人が人を襲うという混沌の世界であった。
車に乗り込み辛うじてルイスから逃れ、当ても無く車を走らせ続けていたアナだったが、彼女はまだ知らなかった。人間を感染者に変貌させる謎のウイルスが蔓延したことも、それによって急速に感染者が増え続けていることも。
登場人物
アナ・クラーク
本作の主人公。セント・ドミニク病院に勤務する看護師。26歳。
夫のルイスと平穏に暮らし、近所に住むヴィヴィアンのことも娘同然に可愛がっていたが、ゾンビ化したそのヴィヴィアンやルイスに襲われ、無法地帯となった街を車で駆け抜けた末、大型ショッピングモール「クロスロード・モール」にたどり着く。
働き者かつ温厚な性格で人当たりもよく、友人や職場の同僚から厚い信頼を寄せられており、アンドレやケネス達が屋上で行っていたゾンビ・シューティングもあまり快く思っていない等、人のみならずゾンビに対しても若干の同情心を持っている。
ケネス・ホール
アナが車での逃走後に初めて出会った生存者。黒人警察官で、戦闘も運転も色々こなす貴重な戦力。
非常に屈強でタフな体を持ち、信心深い面も持っている。登場初期は最後の家族であった弟の死やその状況から周りの生存者を一切受け付けない拒絶的な態度をとっており、同僚の死を羨ましがっていたりと自殺願望的な考え方も持っていた。しかしゾンビ達を見て「死後も恐ろしい世界が待っている」と考えを改め、警察官時代に培った戦闘能力と精神力を活かし、進んで危険やゾンビに立ち向かい生存者を守ろうとする。
マイケル・ショーネシー
アナがモール手前で出会った生存者(マイケル、アンドレ、ルーダはアナとケネスに遭遇する直前までは8人で行動していたが、フォート・パスター基地へ向かおうとした道中で5人が犠牲になった)。テレビのセールスマンをしていた40歳の会社員。冷静で頭が切れ、頼りになるが、少々間の抜けた一面もある。
過去に3度の結婚をして子宝にも恵まれていたが、既に妻子共に亡くしてしまったらしい。
モール立て籠もり後、アナと一緒にコメディ映画を観て笑う等と次第に仲が深まり、彼女と恋仲になるが…。
アンドレ・ブライアント
アナがモール手前で出会った生存者。血気盛んな黒人の青年。
かつては様々な犯罪に手を染めていた前科者で、ルーダとそのお腹にいる子供の身を常に案じており、特に子供に対しては「自分とは違う真っ当な道を歩ませたい」と父親として強い愛情を抱いている。
幾多の修羅場をくぐり抜けて来ただけあり、飛びかかるゾンビに自ら組み付き、顎の下から頭を撃ち抜く芸当をやってのけるなど、戦闘能力は高い。
ルーダ
アナがモール手前で出会った生存者。アンドレの妻であるロシア人の女性。
物静かな性格で、臨月間近の不安と世界のパニック時が重なってしまったことから、やや悲観的考えを持つことが多い(所謂マタニティブルー)。
序盤にモール内でゾンビ化した警備員のベンに咬まれ感染するが、(酷く噛みちぎられなかったこともあって)唯一ゾンビ化するという事実を知っていたアンドレによって隠蔽し続けられたため、誰もそのことに気づかなかったが…。
CJ(※メイン画像左の男性)
モール警備員。警備員の中ではリーダー的存在で、仲間意識は強いが排他的。
序盤ではアナ達外部から来た生存者を拒絶し、受け入れる代わりに武器を取り上げるなど慎重かつ高慢な態度をとっていたが、マイケルの機転により逆に警備室に監禁されることになる。
物語中盤でモール内が停電した際、地下駐車場にある発電機まで案内することを条件に開放され、バートの死とその後のマイケル達との共闘をきっかけに、以降は一転してアナ達に協力するようになる。
テリー
モール警備員。CJの紹介で今の職に就いたが、バートによると生存していた警備員の中では下っ端らしい。
温厚な青年で、ゾンビ化した末にCJに射殺された同僚を哀れんだり、CJや彼に同調するバートの傍若無人な態度に納得できず、CJらに反発してアナ達に協力する。
パスター基地から逃げてきたニコールと仲が良く、彼女の父の遺志を受け継ぎ、終始進んで彼女を守ろうと動く。
バート
モール警備員。CJの子分的存在で、常に彼のやることに肯定している。
CJと同様に気性の荒い性格で、彼の監禁行為や高慢な行いに同調していたため、彼同様、逆に監禁されてしまうものの、モール内が停電した際に地下駐車場にある発電機まで案内することを条件に釈放される。しかし案内中にスプリンクラーの配管を伝って近づいてきたゾンビに咬まれてしまい、パニックに陥っていたところをゾンビの集団に捕らえられ、死亡。
ニコール・ミラー
フォート・パスター基地から逃げてきた生存者。17歳。
家族想いの少女。騒動で母と兄弟、モール内で父のフランクを失ったショックから一時は閉鎖的になってしまうが、テリーとの関わりや地下駐車場で出会った犬のチップスが心の支えとなり、再び元気を取り戻す。
スティーヴ・マーカス
フォート・パスター基地から逃げてきた生存者。皮肉屋で傲慢な30代前半の男性。
高級スーツを着こなしたビジネスマンだが、自己中心的を絵に描いたような性格をしており、自分が助かるためなら他の生存者を見捨てることも躊躇しない。
クルーザーを所持するほどの裕福生活者で、ミシガン湖に停泊させている。これが終盤で生存者に希望を持たせるきっかけとなるが…。
モニカ・フォリー
フォート・パスター基地から逃げてきた生存者。20代前半のセクシー系な女性。
ノーマとは母娘のように仲が良く、モール立て籠もり後はスティーヴの愛人となる。
グレン・カーティス
フォート・パスター基地から逃げてきた生存者。セント・ヴァーベナ教会でピアノ弾きを務めるが、無神論者である年配の男性。実はゲイでもある。
セント・ヴァーベナ教会にスティーヴ達と立て籠もり、ゾンビに突破されそうになってCB無線で救助を要請し、偶然無線を聞きつけたノーマに救助されたことで無事を得た。
タッカー
演:ボイド・バンクス
フォート・パスター基地から逃げてきた生存者。帽子を被った40歳前後の中年男性。
歳相応に温厚で落ち着いた性格の持ち主。ノーマが運転する生存者を乗せたトラックの助手席に座っており、モールに逃げ込む際に脚を怪我するが、幸い咬まれた訳ではなかったため、無事を得た。
ノーマ
演:ジェイン・イーストウッド、日本語吹替:磯辺万沙子
フォート・パスター基地から逃げてきた生存者。50歳前後の女性で、喫煙家。
生存者を乗せたトラックの運転手で、セント・ヴァーベナ教会に立て籠もっていたグレン達生存者のCB無線によるSOSを聞きつけて救出し、生存者達をモールへ導いた。
男勝りで危険を省みない勇猛果敢な性格で、マイケルにも称賛されていた。
アンディ
モールの向かいにあるガンショップ「アンディ・ディアヘッド銃砲店」の店主である40歳前後の男性。
銃砲店に立て籠もり、遠すぎるモールの生存者には救出不可能だったが、その後も双眼鏡とホワイトボードによる情報交換を行っていた。
その際に意気投合したケネスとはホワイトボードで互いの駒を伝え合う回りくどい方法によるチェスを楽しんでいた。射撃の腕は凄まじく、その実力は数百メートル離れたゾンビを一撃でヘッドショット出来るほど。作中ではハリウッドスターなどに似たゾンビを撃つという名目で「セレブ狩り」や「ハリウッド・ハンティング」と称したゲームを楽しんでいた。
チップス
モールの地下駐車場で出会った犬。人間にしか関心を向けないゾンビに無視されていたため、モール内の地下で生き延びていた。
モール内に住むようになってからはニコールに家族同様の愛情を注がれるようになり、他の生存者の言うことも素直に聞く。
終盤でケネスのアイディアから犬に関心を抱かないという特性を活かされ、ゾンビの群れのいる通りを突破し、食料が尽きたアンディに食料と携帯無線機を届ける役割を担うが、これが結果的に彼のゾンビ化とその後の混乱を招いてしまう。