すべては人の心が織りなす綾模様。それを美しいと私は思った
CV:小松未可子
概要
神座万象シリーズ5作目『事象地平戦線アーディティヤ』の主人公。
階級は大尉で優秀な軍人ではあるが、それ故に困難な戦場へと投入されるためその軍歴はほぼ負け戦。影では疫病神扱いされる毀誉褒貶の激しい人物。
後に神座世界の創始者にして第一神座・善悪二元真我(アフラマズダ)の覇道神となる存在。神としての名は真我。
来歴
神座が始まる前の世界、第零神座と呼ぶべき時代の出身。『不死の呪いを征服して、完全な不死を目指す勢力』"連邦(ブラーフマナ)"の軍人。フルネームはミトラ・パラマトマン。
「始まりの地」を巡る戦いはやがて、四つの勢力とミトラ自身を含んだ六人の若者が中核となり、やがて彼女らは「始まりの地」へと到達した。
だがそこで何かが起き、神座という特権を得て初代の神となったのはミトラのみで残りの五人とは訣別し、歴史の闇へと隠れた。
ミトラは訣別したかつての友たちをナラカと呼び、今は相容れない存在と認識している。
彼女が神となった第一神座は、宇宙の生命全てが善悪に分かれて相争う世界であり、2〜3万年もの間の闘争と大義の流転の末に無慙によって討たれる。
だが、討たれた後でも神座に秘められた機構によってか、彼女と深い関わりを持つコウハとナラカ達以外の誰にも気づかれることなく、第六神座の終わりまで神の数が揃うのを長い間待ち続け、ナラカ抹殺計画「パンテオン」を計画していた。
そして、第七神座のある時点において、それまでの滅びたはずの神々が集めさせられパンテオンが始動する。
人物
後の第二神座の神、無慙が人間時代のマグサリオンだった頃とはある理由で人物像で乖離していたように、零の時代と神になった後では戒律で封じているものの関係で乖離している。
人間だった頃は、無関係の民の犠牲にも哀悼の意を示すほど、情に熱く、部下達にも慕われていた。
ある禁句を聞けば、相手が友軍の上官だろうと無関係に、その後のことは一切考えずに暴れるほどに怒り易い。
神としての彼女は関係者のコウハ曰く、イカレバカ女で調和とは縁遠い性格。
クインの印象ではあらゆる事象を内包しながらも、たった一つなにかが欠けており、それを無理矢理補っている歪さを感じている。
あの波旬に対しても逆ハーレム願望を持つなど、覇道神に相応しいイカれぶりではある。
自分の治世の民にも転墜の形で介入するなど、第一神座の民全てから嫌われている。
自分の思い通りにいったことは何一つなく、業というほどに挫折の人生を味わってきた。この性質は彼女の触覚である歴代のナダレ達にも継がされている。
零の時代では髪と瞳が赤一色であるが、神となった後は右目が青のオッドアイ、髪色も青混じりとなっている。
能力
上記にもあるように第零神座時代と覇道神になった後で異なる。
第零神座
武器は赤い両剣。
『コウハ(仮)』
ミトラのアヴァターラ。
観測能力を持つ猫のような生き物を使役する。上記の仮称はその生き物の名前。
覇道神
武器は赤と青の両剣。
第一神座の法である戒律に自身もまた縛られていると語っている。
他作品での活躍
神咒神威神楽
本作では、過去の神格の一柱として語られる。
神座世界における最初の理「二元論」を作り出したはじまりの神。第一天。
己を騙すことに全霊を尽くした余裕の無い女という印象だったが、この印象は神座にまつわるものを全てを憎悪していた邪教団・転輪王の花輪(サンサーラ・ヴァルティン)によるものであり、コウハによればことさら歪んだ形で批判されていたとのこと。
黒白のアヴェスター
第2巻にて初登場。
Dies irae PANTHEON
極奧神座にて他の覇道神たちと共に復活。
相も変わらず他の覇道神たちを引っ掻き回し、コウハや無慙を呆れさせる。
パンテオンが結成されコウハの出立を見届けると、自身はどうやら根回しをやり直すとのことだが・・・
余談
爪牙たちからのあだ名は「綾模様おばさん」。
正田卿曰く、悪女ではなく、物語が進めば印象が変わっていくとのこと。
人物造形のモデルはバック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティ・マクフライと語られており、たった一つの言葉でそれまでの心境を全て投げ捨てて怒る有様を元にしている。
関連タグ
神座万象シリーズ 事象地平戦線アーディティヤ 黒白のアヴェスター DiesiraePANTHEON
ネタバレ注意
すべては人の心が織りなす綾模様
だからこそ不完全で儚くて、尊く、そして美しい
もしもこれがただの■■に堕すとしたなら──そんなことは許せぬだろうと、我らは思った
悠久の果てに集えよ怒りの軍勢(ディエスイレ・パンテオン)
縛り | 「怒りの感情を抱かない」 |
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効果 | 激しく怒ってる者ほど強い世界を生む |
真我の戒律。
これは自己強化である他の戒律とは異なり、後の世界の創造のためのもの。統治する第一神座どころか、後の世界にまで影響を及ぼしている。特に後の時代になるほど、その影響が大きくなっている。
戒律という法を敷いたからこそ、真我自身は誰よりもこの戒律を遵守しなければならない。
最も大事なものを縛りとして差し出したことはとてつもなく重い。つまりは本来の彼女は怒りやすい人柄であり、欠けた感情の正体がこれである。
神座という歴史の原初の祝福にして呪いたるモノ。