ニセコエクスプレス
にせこえくすぷれす
概要
JR北海道が製作したジョイフルトレインの1つで、北海道リゾート列車第4弾。主に新千歳空港とニセコを結ぶスキー列車を主な目的として1988年に登場。
愛称は北海道虻田郡ニセコ町の地名「ニセコ」(アイヌ語で「峡谷にある川」を意味する「ニセイ・コ・アン・ペッ(nisey-ko-an-pet)」に由来)にちなむ。
国鉄時代に製作したアルファコンチネンタルエクスプレス・フラノエクスプレス・トマムサホロエクスプレスとは異なり、苗穂工場で新製された車両。機能的にはキハ183系に属し、5000番台を称する。
2003年12月からは北海道日本ハムファイターズのロゴをあしらったカラーに変更され、臨時特急「ファイターズ号」などに使われていたこともあった。
2010年12月に元色に復元。2017年退役。
現在は先頭車1両が名前の由来となったニセコ町にクラウドファンディングによって保存されている。
構造
前頭部は傾斜角を大きくとり、大型の曲面ガラスを採用した流線型とされた。JRの鉄道車両として初めてプラグドアを採用し、密閉性の向上と車体外側面の平滑化による着雪防止を図っている。
従来のリゾート列車が客室の一部又は全部を高床式としていたのに対し、曲線の多い山岳路線を走行することから床面はフラットな構造とされ、床面の嵩上げは200mmにとどめられた。屋根の高い車体断面は存置され、広い車内空間が確保される。
座席はリクライニングシートが一般用よりもわずかに広い960mm間隔で設置される。当初は各座席に液晶式モニターが設置されていたが、2004年のシートモケット張替の際に撤去され、オーディオサービスのみ存置されている。
冷房装置は他のキハ183系列とは異なり取外し可能な床置き式で、冬季には取外し後の空間をスキー板等の大型荷物置き場として使用できる。