解説
3kmの距離から敵戦車を撃破できる戦闘車両を望む前線からの声に答え、ティーガーIIをベースにして開発された128mm砲搭載の重突撃砲(後に駆逐戦車に分類)。
主砲の128mm砲は計画中の超重戦車マウスに搭載予定のものであり、当時のあらゆる連合軍戦車を遠距離から撃破可能だった。
距離1000mで傾斜角60度の200㎜装甲板を貫通させる性能を持ち、家屋の反対側にいたM4シャーマンを家屋もろとも打ち抜いて撃破した記録もある。
砲塔前面の装甲厚は250mmにもおよび、これを貫通可能な連合軍火砲は存在しなかった。
まさしく第二次世界大戦最強の戦闘車両であるが、70tを超える大重量により機動性は劣悪で(ただし残っている記録フィルムだと舗装路面では結構軽快に走っている)、さらに大戦末期の乗員の練度不足および士気の低下、燃料の欠乏によりその性能を十分に発揮したとは言えなかった。
固定戦闘室のため主砲の可動域を超える範囲に照準を合わせるときは巨大な車体を左右に方向転換させる必要があり、走行系統に多大な負荷がかかった。
また全長8mもある長大で重い砲身はトラベリングクランプによる固定なしでは走行時に砲身が大きく揺動し、短距離の移動でも砲架のギアが傷んだ。それによる照準誤差が生じて砲が使えなくなる問題も発生した。
肝心のトラベリングクランプも車体正面に設けられており、解除の際は乗員が身を危険にさらして外に出る必要がある。
生産数には諸説あり、82両完成、もしくは48両完成、部隊への輸送記録では100両を超えているとも言われている。
ちなみに、戦車撃破王として知られるオットー・カリウス(Otto Carius)が敗戦前に最後に指揮していた駆逐戦車中隊が配備していた車両としても知られる。
アニメでの登場
- アニメ「ガールズ&パンツァー」で決勝戦の黒森峰女学園が運用している。
- 重厚な装甲で山頂に陣取る大洗女子チームの砲撃を悉く弾いていた。
- 市街地で背後から来るウサギさんチームを待ち伏せする。ウサギさんチームに間一髪で回避されるが、向い合ったまま追いかける。
- しかし、ウサギさんチームは逆に詰めて来たことで狙うことが出来ず、そのまま河川まで誘導されウサギさんチームが横に回避する前に撃破するが、勢い余ってそのまま河川に転落し、走行不能になる(ついでに主砲も折れる)。