概要
元々は、アイドルや声優などのコンサートや路上パフォーマンスにおいて、一部のファンが繰り広げる、独特な動きを伴なう踊りや掛け声、及びその様式のこと。
2010年代に入ってからは『サイリウムダンス』とも呼ばれるようになり、その幅は本来の意味を越えて大きく広がりを見せ始めている。
原型となるアイドルファンの踊りながらのライブ観戦は昔からあったものの、この用語が明確に用いられるようになったのは西暦2000年代に入ってからである。
ヲタ芸をすることを「(ヲタ芸を)打つ」という。
ヲタ芸の傾向
初期のヲタ芸の傾向としては、野太い声で男性がかけ声をかけながらオーバーアクションで行うため、一般的な目からは奇異に思われたりドン引きされることもあった。
その後、『ヲタ芸』という言葉が確立するにつれて、アイドルのライブやコンサートで披露するのではなく、ヲタ芸其の物を純粋に楽しむ者が現れ始めたが、反面、ライブで曲そっちのけで没頭するあまりノリたいのか自分達が芸を楽しみたいのかが既にわからないような迷惑なヲタ芸集団も出始めるようになり、純粋にアイドルを応援するファンからは賛否の激しく別れる行為となっていく。
また、声優やアイドルでもこれを嫌う人もおり、茅原実里、榊原ゆいのライブでは禁止されている。
しかし、こうしてアイドル業界で煙たがられる様になっていく一方で、様々な技が開発され、集団でそれも計算された動きで行うことで、『アイドルの応援』という本来の枠組みを超えた、これ自体が完全な『ダンスパフォーマンス』として確立していくようになる。
更に、ヲタ芸を動画にアップロードするユーチューバーも増えていったことから、その人気は大きく広がり、2017年頃から純粋なパフォーマンスとしてワイドショーで紹介され、テレビCMにもこのヲタ芸が取り入れられるようになる。
こうして一般的に認知されていくようになったことから、徐々に『ヲタ芸』という一種のマニア向けの名称から、より一般人向けの名前である『サイリウムダンス』という名称が使われ始めるようになり、その人気はさらに広がっている。
実際、ただ大きくサイリウムを振り回しているようにしか見えないヲタ芸だが、踊ってみると体幹の筋肉がしっかりしていなければそもそもまともにサイリウムを振り回すことができない。
また、激しい振りつけも多く、一分ちょいの短い音楽を踊っただけでも直後には息切れで会話もできない程となる。
ヲタ芸の源流
1980年代、アイドルファンとして現在のヲタ芸に似たムーブメントがあった・・・それがアイドルファンによって組織された「親衛隊」であり、現在のドルオタの源流ではないかと思われる。
大きく違うのは当時の管理教育を反映してか体育会系や暴走族に近い縦社会であったこと。実際に特攻服や法被にアイドルの名前を刺繍したスタイル、そしてコールも結構野太いものが多かった。もっとも21世紀のドルオタも内輪ルールが存在しており、古典的な文化系型オタクとの相違点が垣間見え、マイルドヤンキーに分類されることもある。
参考資料:かつて親衛隊にいた隊員の証言→外部リンク
参考動画
特に松田聖子の親衛隊は統率がとれていた事で有名だったらしい。
別記・表記ゆれ
関連タグ
女々しくて…振り付けにヲタ芸の要素を取り入れている。
チームレイドワイルド…ヲタ芸を踊るダンスチームという設定。