概要
デルタフォース(英語:Delta Force、正式名称:アメリカ陸軍第1特殊部隊デルタ分遣隊、1st Special Forces Operational Detachment Delta、略称:SFOD-D)は、アメリカ陸軍の特殊部隊。1980年4月に実行されたイーグルクロー作戦で初めて動員され、後述のチャールズ・ベックウィズ大佐はこの作戦に参加していた。本部はノースカロライナ州フォートブラッグにある陸軍特殊作戦軍団基地の一角に設置されており、部隊の訓練は厳重な秘密の壁に守られている。
歴史
1977年11月にイギリス陸軍の特殊部隊であるSAS(特殊空挺部隊)をモデルに創設され、以前からアメリカ陸軍にはグリーンベレーが存在した。SASで訓練を受けたアメリカ陸軍のチャールズ・ベックウィズ大佐が、国防総省に対テロ部隊の必要性を提唱したのが創設のきっかけである。
部隊編制
- 本部
- A中隊
- B中隊
- C中隊
- 支援部隊
ファニー小隊と呼ばれる女性を含む部隊が居るとされている。
ネイビーシールズなどとの違い
アメリカの特殊部隊と言うとネイビーシールズが有名であるが、違いは以下の通りである。
- 所属
ネイビーシールズはアメリカ海軍に所属する特殊部隊である。
- 当初
グリーンベレーとネイビーシールズは正規・非正規関わらず野外戦闘を得意としていたが、これではハイジャック・対テロ作戦と言った室内中心の戦闘にはあまり向いていなかった。これに対して野外戦闘と室内戦闘の両方をこなす部隊が必要となり、グリーンベレーをベースにそれまであったA・B・C部隊の次の部隊としてデルタフォースが設立された。
- 存在
グリーンベレーとネイビーシールズなどは公式に存在が認められているが、デルタフォースはアメリカ政府が公式に存在を認めていない。むしろ「ルーツの関係上デルタフォースと言う部隊は存在しないが、グリーンベレーのD(フォネティックコードでデルタ)部隊ならあるかもね。」という形でシラを切ってる状態だったりする。当然アメリカ陸軍の公式ホームページには記載されておらず、編成・関わっている作戦といった情報は明らかとなっていない。
戦歴
その存在が明らかとなる作戦は、前述のイーグルクロー作戦とソマリアのブラック・シーの戦いなど、失敗した作戦ばかりとなっている。ただ特殊部隊が実行する作戦に於いて、その殆どが公表の難しいものばかりである。特殊部隊が作戦を成功させる理想の条件は1発も撃たない事で、つまり敵と交戦せずに目的を達成する事であり、成功した作戦については我々一般人が知る事は難しい。
数少ない成功した作戦の公表例としては、グレナダ侵攻・パナマ侵攻・イラクのフセイン大統領の拘束作戦など非常に少ない。
現状
近年では正規軍が使用する戦闘服などを着用せず、民間人・PMC(民間軍事会社)のような格好で任務に当たる事が多く、更に様々な職種に溶け込む為の訓練を実施しているという情報もある。その為丸刈りだらけの海兵隊などと違って髪型の自由度が高いとの事である。
2020年9月にデルタフォースの隊員であるトーマス・ペイン少佐が、存命中の隊員として初めてメダル・オブ・オナー(名誉勲章)を受章した。この受章は2015年10月にイラクのキルクーク州ハウィジャの北にあるIS(イスラム国)の刑務所施設で、人質の救出を実行した際のペインの行動に対してのものである。2002年7月にペインは陸軍に入隊しており、2022年11月現在も現役の軍人であり続けている。
部隊章について
公に認められてない部隊故に存在しないが、「デルタフォース 部隊章」と検索すると上のマークが出てくる。このようなナイフとデルタを象ったマークが出てくるが、これはコール・オブ・デューティー・モダン・ウォーフェア3で使用された創作の部隊章であり、実在するものでは無い。