人物
今井宗久や津田宗及とともに茶の湯の天下三宗匠と称せられた、戦国時代・安土桃山時代の茶人。
何も削るものがないところまで無駄を省いて、緊張感を作り出すというわび茶(草庵の茶)の完成者として知られ、「茶聖」とも称せられた。
実家は和泉国(大阪)の納屋衆(倉庫業)の田中さん。若い頃に茶の湯に親しみ、独自の作法を大成させ、禅宗にも帰依し、法名「宗易」を号した。織田信長に茶頭として、本能寺の変後は豊臣秀吉に側近として仕えた。正親町天皇から「利休」号を与えられた。しかし、天正19年(1591年)に秀吉の反感を買い、切腹を命ぜられた。その理由はわかってない。
「花の慶次」
漫画『花の慶次』の登場人物。太閤・秀吉に仕える茶人。慶次にも劣らぬ巨躯の持ち主であり、嘗ては武人として戦場に赴き、その凄惨な有様を嘆いていた(利休=武人と言う描写についてはフィクションであり、史実では武人として戦場に赴いた事は無い)。慶次曰く「あれは茶人というよりいくさ人」。
側近として秀吉に従っているが、同時に秀吉がたびたび見せる傲慢な言動に辟易もしている(秀吉本人も外見は取り繕うものの利休を嫌っている。然し後に切腹させた事を気に病んでいた)。
ラジオドラマ版『花の慶次』では掛川裕彦がcvを担当。
へうげもの
漫画『へうげもの』の登場人物。深遠な精神性を持つ「茶聖」にして、凄まじい業を持った「茶鬼」でもある、稀代の数奇者。主人公・古田織部の茶の師匠であり大きな影響を与える。己の数奇に基づく理想を日本に実現すべく秀吉に謀反を持ちかけ暗躍し、明智光秀を追い込んだ。筆頭茶頭となって秀吉に仕え、政治と文化双方で手腕を発揮するが、秀吉との摩擦が増えて、ある事件を機に再び謀略を画策するも、野望を諦めることに接し、最期へ臨むこととなる。
本作では史実の背の高さがかなり強調されているが、現存している利休所有とされる甲冑から推定される史実の利休の身長は約180cmとなる。