落語
店を息子に譲って隠居した人物が、見よう見真似で茶会を開こうとする話。
そもそも抹茶が何からできているかすら知らず青黄粉(青大豆のきなこ)をお湯で溶こうとする。しかし泡が全然出ないので椋の皮を入れてみた。
お茶菓子はさらにひどい。さつまいもを蒸かして黒砂糖を入れるまではいいのだが、型から抜けなくなって、真っ黒になった灯し油を入れてしまう。こんなひどいものに「利休饅頭」なんてたいそうな名前をつけた。
呼ばれた客は皆苦しむばかり。利休饅頭など食べられるはずがなく客は皆隣の畑に投げ捨てていた。饅頭が飛んでくるのを見て百姓は「今日は茶の湯をやっているな」と呟くのであった。