概要
映画『大怪獣のあとしまつ』に登場する謎の存在。
突如現れて利根川を遡上中の大怪獣「希望」を絶命させたが、その瞬間を捉えた映像などでは激しい光しか映っておらず、光エネルギーを伴った大気中の放電現象ではと推測されているものの、その正体は不明とされていた。
西大立目首相は解決困難な事態を突然解決してしまったその振る舞いを「デウス・エクス・マキナ」と例えている。
その正体は、いわゆる光の巨人である。
本編の3年前に、何らかの使命を帯びて光球の姿をとって地球に飛来し、それを目撃・追跡していた特務隊幹部候補生の帯刀アラタと接触・同化。
一時的にアラタは行方不明となるが(小説版では、地球外でその使命を果たしていたと推測されている)、希望の出現を受けてか3年後に地球へ帰還し、希望を討伐した後もその正体を隠したまま特務隊隊員・帯刀アラタとして活動していた。
アラタの「デウス・エクス・マキナ」のコールとともに頭上に掲げた彼のスマートフォンが発光し、変身する。
本編クライマックス、もはや人の手に負える存在ではなくなってしまった希望の死体を持ち上げ、ともに宇宙へ飛び去って行った。
なお、作中で映ったのは上半身のシルエットと爪先のみであり、詳細な姿は不明である。
余談
アラタを演じた山田涼介本人にも「最初からこれすれば良かったのでは?」とツッコミを受けている、作品の全てをひっくり返す存在である。
監督曰く「正体を明かすと地球を去らねばならない」ために、元恋人達と地球に残りたいアラタは正体を明かさずに事態を終わらせたかったが、それは叶わず別れる運命に……という物語らしいのだが、本編では(薄々察せるネタが散りばめられてるとはいえ)アラタの正体が判明するのはクライマックスであり、何者なのかも地球を去らねばならない理由も説明されていない。
昭和初期のヒーローと異なり、平成以降のヒーローは正体がバレた上で協力者がいるパターンも多いため、解決できる力を持ちながらそれを隠していた主人公という存在は、監督と「特撮を見慣れた客層(の一部)」の前提の違いを産んでしまったと考えられる。
選ばれし者の存在に対して監督は「神風が吹かないと解決しない」という政治風刺だと語っている。
とはいえ、そもそも大怪獣という災害自体が神風よりもハチャメチャな存在であり、また総力戦とテクノロジーで解決する政府を描いた『シン・ゴジラ』の成功もあり、風刺としては少々無理があるか。
関連項目
リピアー - 『シン・ウルトラマン』における同等の存在。こちらもとある禍威獣の後始末を行っている。
ウルトラマンゼット - 選ばれし者と同じく、地球人に敬礼で見送られた同等の存在。