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センシティブな作品

魔法少女プリティ☆ベル

まほうしょうじょぷりてぃべる

『魔法少女プリティ☆ベル』とは、月刊コミックブレイドで配信されていたKAKERU氏による漫画作品。

概要

マッグガーデンから出版されている漫画雑誌月刊コミックブレイド』で、2009年から2019年まで連載されていたKAKERU氏の漫画作品。単行本は全28巻。

主人公の筋骨隆々武闘家ボディビルダーの男性が、幼い女子小学生を危険な戦いに巻き込まないために、自らが魔法少女に変身するという、当時においては従来の魔法少女作品とは一線を画した異色の作品である。

作中に登場する天使魔族などは、神話伝承、『クトゥルフ神話』や『不思議の国のアリス』などのファンタジー作品、たまに近年のアニメや特撮といったサブカル作品のパロディなど幅広い元ネタから取り入れられている。

登場する各勢力の設定上で、実際の社会にも共通する政治経済外交軍事などが取り扱われており、政治思想的な視点にまで言及されていることも特徴である。

ことこの点は作中で述べられる考えに共感できるか否かで大きく作品の評価が変わりやすく、読者のレビューなども割れがちである。

ちなみに作中では、作者のKAKERU氏の別作品である『大江山流護身術道場』と同一の背景設定を共用し、同作に登場する護身術を主人公が身に付けていたり、同じく別作品である『天空の扉』の詳細について作中で言及されたりなど、他作品とのつながり・クロスオーバー化が図られている。

あらすじ

適合者が現われる時、世界に大いなる危機が迫ると伝えられる魔法の杖リィン・ロッドを守り、プリティ☆ベルをサポートする天使ミルクとココアは、敵の攻撃に傷つきながらも、適合者の少女美咲エリの住む街までやってきた。しかし、リィン・ロッドが指し示したのはエリではなく、エリの近所に住むボディビルダーの高田厚志だったのである。

なぜ、厚志はプリティ☆ベルに選ばれたのか? そしてなぜ、エリと厚志の2人の適合者が居るのか? 謎を孕みながらも、世界を巡る危機が静かに幕を開けるのだった。

登場人物

プリティ☆ベル関係者

高田厚志

五代目プリティ☆ベルに選ばれた筋骨隆々のボディビルダー。見た目は常識外れだが、人望に篤い仏の様な人格者であり、その円熟した穏やかで前向きな性格に加えて交渉事にも長けているため、敵味方を問わず一目置かれている。

なお、かつては桜と同様に喧嘩狂で、20年ほど前には狂犬と渾名されていた。プロレス歴と合気道歴はを13年、更に大江山流といわれる護身術を修めている。

美咲エリ

もう1人の五代目プリティ☆ベル。厚志と同じ街に住むごく普通の小学生の女の子。本来はエリがプリティ☆ベルを務めるはずだったが、厚志に正当かつ強引にその座を奪われた。その後、厚志の補欠として厚志の家に通ってプリティ☆ベルになるための勉強を始めるようになり、その危険な能力が明らかになってからは、護衛の利便性を図るため厚志の家に下宿するようになった。

後述のミルココに、たくさん勉強することを勧められた際に、小学4年生でありながら経済学に興味を持つようになり、それによってマクロ経済教育論について大人と議論が出来るほどの高い知性を身に付けている。

“双索敵手(ツイン・レーダー)”ミルク&ココア

リィン・ロッドを守り、歴代のプリティ☆ベルをサポートしてきた2人の天使。エリとほとんど変わらない背格好だが、年齢は33歳。愛称は2人合わせてミルココ。戦闘能力はほとんどないが、異名の通り驚異的な索敵能力を持っている。

かつては天界の精鋭部隊「レギオン」に所属していた天使であり、天界の本来の方針である「魔族から人類と平和を守る」を忠実に守っているが、天界の趣旨が「魔族殲滅」に変わってしまったため、堕天使扱いされている。そのため少なくとも過去10年間は天界にも帰っていない。

“邪眼の病魔”モカ

センシティブな作品

北の魔王軍のダッチ・アイスの部隊「ザイニン」の1人で、相手を麻痺させる「邪眼」や指差した相手を病気にする「ガンド」といった危険な力を持つBC能力者。

リィン・ロッドを奪うためダッチとともにミルココを襲撃したが、厚志によって戦闘を有耶無耶にされた後、ドゥール・ヴァリオンによって厚志の護衛兼家政婦として厚志の家に送り込まれ、住み込みで働き始めた。

筋肉フェチで厚志には好意を抱いている。ミルココとは敵同士のため当初は折り合いが悪かったが、厚志の家に住み込むにつれて次第に仲良くなった。非常に危険な能力の持ち主だが基本的には温厚で世話好きな性格をしている。上司のダッチとはとても仲が良い。

“神威の呼び鈴”リィン・ロッド

謎の魔法のロッド。この杖を使うことにより、厚志とエリはプリティ☆ベルに変身し、「神威召喚」を行うための召喚器ともなる。このロッドが覚醒するとき、世界に大きな危機が訪れるという。その正体はミルココにもよく分かっていない。

魔界関係者

“白刃”ジロウ・スズキ

東の魔王。

“黒龍”ドゥール・ヴァリオン

北の魔王。

”大淫婦”シャルエル

南の魔王。“淫婦”の異名を持つ。その能力は「最弱」であると同時に「無敵」とされ、シロウすら「止められる組織はない」「完膚なきまでに皆殺し」と強力さを認めている。

“騎士王”ベルベリオン

西の魔王。四代魔王の中でも特に「王」らしさを備える。自国の軍も極めて精強。

世界観設定&用語

天界と魔界

「広大無辺な思念の大渦」と表現される世界。あらゆる命の負の思念と魂が落ちていくのが魔界であり、その逆が天界であるという。

天使と魔族(悪魔)

天界の中で、魔族を討つという悪意を持って形を成し、現世に降臨するものが天使。魔界の中で、ひとかけらの希望を胸に這い上がるものが魔族であるといわれ、人間くさい者が多い。

天使たちは人を襲いも守りもしない者達がほとんどである。逆に魔族は現世に這い上がっても魔界の重力に引かれて魔界に落ちてしまうため、人を襲ってその負の思念と魂を魔界に落とさなければ存在を保てなかったが、30年前にジロウ・スズキによって生み出された人の負の思念を集める魔術により、人を襲わずとも存在を保てるようになっている。

天界はほぼ一枚岩だが魔界に比べると戦闘力が若干低く、魔族は4大魔王を頂点とする4大国とそれに属さない少数派や海を縄張りとする海魔族などに分かれ、それぞれが対立している。このため、基本的には均衡を保っている関係である。10年前に天界の「レギオン」が魔界に侵攻し、シャルエルに壊滅させられて以降目立った動きが無かったが、近年になって不穏な動きを見せ始めている。

異空間

魔族や天界が多数集まって、元の空間とズレて完全に分離した異空間。各魔王軍の本拠地の都市もこうした異空間に作られている。魔族や天使が戦っている時は空間がズレるため、戦闘が起こっても遠目には分からない。

魔族(悪魔)

魔界よりひとかけらの希望を胸に這い上がって現世に姿を形成する種族。上記の様にかつては人を襲わなければ存在を保つことが出来なかったが、現在では解消されているため基本的には人間に危害を加える者は少数になっている。襲うとすれば犯罪者ぐらいである程。

多種多様の種族に別れており、全体としてのまとまりは無い。

魔王クラス

上・中・下とある魔族の魔力量のピラミッド階級から外れた別次元の存在。

海魔族

広大な海域に生息範囲を広げる海の種族。

大戦期

劇中の時代から100年前に始まった、世界中の魔族たちが天下統一を目指して戦う戦国時代のこと。これにより100を超える魔王軍が現在の4大魔王軍に吸収された。普通の人間は大戦期については何も知らない。

過去の世界の危機

過去にプリティ☆ベルは4人存在し、三代目プリティ☆ベルを除いて大きな危機が起こっている。三代目の時に何故何も起きなかったのかは不明(事前に何者かによって解決されたらしいと推測されている)。

ナイアルラトホテップ事件

初代プリティ☆ベルの頃の事件。魔界を地上に浮上させようとした狂気の魔王ナイアルラトホテップを倒した。

海魔騒動

二代目プリティ☆ベルの頃の事件。南極の氷を全て溶かして世界を海に沈めようとした海魔たちを倒した。

イナゴ襲来

四代目プリティ☆ベルの頃の事件。ドゥール・ヴァリオンが世界征服に乗り出すも、天界の謎の兵「イナゴの穴」が出現し全魔王軍と四代目プリティ☆ベルが共同でこれを撃破。ドゥール・ヴァリオン自身も四代目に倒され、北軍は弱体化する。

天使

レギオン

天界の精鋭部隊。天界屈指のエリート達によって構成された天界最強の戦力を誇る。

「旧」レギオン

10年前魔界に攻め入るも南の魔王シャルエルによって手も足も出せず壊滅される。天界の方針が魔族殲滅に転回する以前にミルココが所属していた。

「新生」レギオン

10年前の大敗後に再編成された。構成員は存在そのものを作り変える何かにより、魔族のようで魔族でもない存在へと変えられ、以前とは比べものにならないほどの強大な戦力を持つようになった。

モチーフ

ナイアルラトホテップ(ニャルラトホテプ)やディープ・ワンズなど、その世界観のモチーフにはクトゥルフ神話の要素が散見される。

関連項目

KAKERU作者

邪道魔法少女関連するジャンル

魔法少女俺特に「高田厚志」においては外見お寄せ状況的には似ている漫画。

魔法ショウジョ男性で魔法少女に変身する点では繋がりのゲームアプリ。

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