概要
2023年2月6日にトルコ南東部のガズィアンテプ付近を震源として発生した大規模な震災。
トルコ南東部、シリアにかけて莫大な被害を出し、レバノンやイラクでも揺れが観測された。
地震発生
- 1回目の大地震
発生日 | 2023年2月6日 |
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発生時刻 | 4時17分頃(トルコ時間)・1時17分頃(UTC)・10時17分頃(日本時間) |
震央(震源地) | トルコ・ガズィアンテプ県(北緯37.174度・東経37.032度) |
震源の深さ | 17.9km |
地震の規模 | Mw7.8 |
最大震度 | IX(日本の気象庁震度階級では震度6弱~7相当) |
津波 | キプロスで最大波高は0.17m |
地震の種類 | 内陸地殻内地震(直下型地震) |
※Mwはモーメントマグニチュード
(出典: USGSより)
- 2回目の大地震
発生日 | 2023年2月6日 |
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発生時刻 | 13時24分頃(トルコ時間)・10時24分頃(UTC)・19時24分頃(日本時間) |
震央(震源地) | トルコ・カフラマンマラシュ県(北緯38.024度・東経37.203度) |
震源の深さ | 10km |
地震の規模 | Mw7.5 |
最大震度 | IX |
地震の種類 | 内陸地殻内地震(直下型地震) |
(出典: USGSより)
2月6日当日、ガズィアンテプ県で現地時間2月6日4時17分にマグニチュード7.8と推定される大規模地震が発生。
その同日、現地時間13時24分カフラマンマラシュ県のエルビスタン地区でM7.5の地震が発生。
この二つの地震は別個の地震と見られているが、その後も広範囲に余震が続いている。
日本の震度に直した揺れの度合いは調査中の点もあるが、震度7に相当する揺れもあったとみられている。
日本の東北地方太平洋沖地震を超える、史上有数の記録的な被害になる見込みである。
地震のメカニズム
米国地質調査所によると、アラビアプレートとアナトリアプレートの境界付近で起きた横ずれ断層の直下型地震と推定されている。
地震活動
1回目のM7.8の大地震を始まりに、地震活動が活発化している状態が続いている。
発生日と発生日時は現地時刻で記載し、ここではM6.0以上の地震を掲載する。
- 2023年
発生日 | 発生時刻 | 地震の規模(M) |
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2月6日 | 4時17分 | M7.8(本震) |
4時28分 | M6.7 | |
13時24分 | M7.5(誘発地震) | |
13時26分 | M6.0 | |
15時2分 | M6.0 |
(出典:USGSより)
現在も地震活動が続いている状態である。
被害
死者数 |
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トルコとシリア両国合わせて4万人超(日本時間: 2023年2月15日現在) |
現地は煉瓦造りの耐震性が低い建物が多く、マンションなどの住宅が「パンケーキクラッシュ」と呼ばれる真下への崩壊に陥り多くの人が瓦礫の下敷きになった。
犠牲者は2万人を超える見込みと言われており、震災関連死も含めると最終的な被害はどれほどになるのか想像もつかない状況となっている。
津波はさほどでもなかったものの、後述する地域の状況により建物の崩壊が多発し、被害が拡大した。
トルコ政府は3ヶ月間の非常事態を宣言。
被害拡大の要因
トルコの耐震性の低い建物については以前も大規模震災が起きたこともあり問題視されており、日本を含む外国の支援もあってテコ入れが進められ、耐震基準も現在では日本並みにまで厳しくされていた。
しかし、トルコ国内の東西の経済格差も手伝い、今回の被災地では古い建物の耐震補強といった対策が立ち遅れ、いわゆる「既存不適格」の建物が大部分を占めていた。
また今回の被災地はシリア難民も多く、貧しい彼らは安く短期間で建てられる耐震性の乏しい家に多く住んでいた。
さらに間の悪いことに現地は厳冬期のまだ夜明け前の早朝であったため、多くの人が寝ていて逃げ遅れた。
雪も降っていたためどうにか逃げ出した人達も寒さに苦しめられることとなった。
シリア国内はさらに悲惨なことになっており、以前からの独裁政権による弾圧や内戦およびそれに伴うコレラなどの感染症蔓延の最中であった。
国内も荒れている状況の上に被災地域は反政府勢力の支配下にある関係上、シリア政府からの援助がない状態にあり、欧州メディアの報道ではアサド大統領の指示によりなんと「被災地に空爆」すら行われたとも報じられている。
こうした混迷の状況により諸外国も支援の手を出しにくい状況となっている。
諸外国の支援
70カ国以上がトルコに支援を申し出て、その日のうちに続々と各国から救援隊などが到着。
日本も発災当日より次々と各地から消防士や医師、災害救助犬などを現地に派遣。
岸田首相もエルドアン大統領に見舞いのメッセージと支援の申し出を行なった。
支援したい方に
現地の状況が混乱しているため、物資を送ろうとすることは厳に慎むように。
必要とされている物資があるのも確かではあるが、個人あるいは小単位で物資を送っては物流網の復旧を妨げ本末転倒になってしまう。ある程度混乱が収束するまでは、物資に関しては外交ルートを通した大規模支援に任せ、募金などでの支援を行おう。
トルコ大使館および総領事館で募金を受け付けており、この資金はトルコ共和国災害緊急事態対策庁(AFAD)を通じて被災地支援に使われる.
もし地元に被災地出身のトルコ人経営の飲食店や雑貨店があれば、そちらで買い物をするのも支援になるであろう。
シリアに関しては現地の状況がさらに混迷しているため、募金を集めている団体には要注意して各団体について信用できるか調べること。
日本赤十字社が2023年5月いっぱいまでの予定で募金を開始しており、トルコ・シリア両国の赤新月社を経由して支援に使われる。