「私は蜃気楼の国からやってきた幻の怪人、魔天郎!」
「悲しみの涙は、夢の欠片に流し込め!!怒りの涙は炎を燃やし、火の鳥となって空を渡れ!!君たちの挑戦を待っているぞ!!」
概要
仮面とシルクハットで素性を隠す怪人。
元々は竹早小学校5年3組の生徒であるヒロシ・ヤスコ・タケオ・サトル・ススム達5人組が作成した自主撮影ビデオ『怪人魔天郎』に登場する架空の人物であり、その姿もヒロシがパソコンでデザインした物だった。
だが何故かヒロシ達の前に実在の人物として姿を顕在させ、次々と盗犯を繰り返しては気球で逃走してゆく。手下も何人かいる。
上記5人で結成した探偵団覇悪怒組や摩天郎を追う辛切警部は、3学期から5年3組を受け持つ事になった落合先生 (演:秋野太作)が、諸々の共通点からその正体ではないかと疑いを持つが…?
人物像
覇悪怒組のメンバー達に様々な挑戦を仕掛けてくるトリックスター。本業は泥棒であり、高価な宝石などを盗み出す怪盗として世間を騒がしている。変装や手品の名手で、それを駆使して人の目を欺く。
幾度となく覇悪怒組と敵対するが、決して子ども達には危害を加えず、むしろ成長を促すような言動が見受けられる。覇悪怒組が過ちを犯しそうになった時は叱咤する事すらある。
子ども達に危害を加える悪党に対しては容赦せず、怒り仮面となってムチを振るう。
薔薇を投げつけたりキザな立ち回りををする一方で、有刺鉄線にマントが引っかかって落ちたりと意外にドジなところもある。
モチーフは江戸川乱歩の小説『少年探偵団』に登場する怪人二十面相だと思われる。
以下ネタバレ注意。
彼の目的は、大人に抑圧された子ども達の心身を癒すための施設「光の塔」の建設だった。
摩天郎は幾多の試練を乗り越えてきた覇悪怒組に計画の協力を呼びかけるが、犯罪で得た資産をもってそれを実現すべきではないとヒロシにかわされる。その言葉で覇悪怒組への敗北を認め、計画の中止を告げる。そして更なる鍛錬の後にいつか再び挑戦するとする宣言すると、摩天郎はその姿を消し去った。
正体
劇中、仮面の裏が何者かであるかを匂わせる描写は数あれど、それが暴かれる場面は終ぞ無いまま幕は下りる。
終盤、疑惑が付きまとう落合先生へ同僚の純子先生が胸中を尋ね真相に迫ろうとする一幕もあるが、それでも明確な答えが示される事は無かった。
怪人との長い戦いに勝利を収めた覇悪怒組は、落合先生が一身上の都合により帰郷するため竹早小を去る事を手紙で知り、自転車で見送りに駆けつける。
先生は親しんだ地を既に離れ、電車で揺られていた。が、教え子達の惜別の言葉が耳に届くと…
電車の上に摩天郎が姿を現し、耳慣れた高らかな笑いとともに気球で去って行く…という形でストーリーは完結するのだった。
関連イラスト
関連項目
大怪盗ジゴマ…後番組『じゃあまん探偵団魔隣組』に登場する怪盗。
正体が身近にいる人物ではないかと疑われる・敵でありながら主人公である子ども達の導き手となる点は同じで、本作終了後の「探偵団スペシャル 魔隣組対覇悪怒組 ジゴマVS魔天郎」では共演もしている。
魔法少女ちゅうかなぱいぱい!…魔天郎の姿をした人物が登場。(演じたのは岩崎ひろし)