アスロック米倉
あすろっくよねくら
漫画及びアニメ『ジパング』の作中、1942年(昭和17年)にタイムスリップした架空のイージス艦「みらい」。
米倉薫一等海尉はその砲雷科員(アニメ版では水雷長)である。
その米倉一尉の通称は「アスロック米倉」。
何故このような名前で呼ばれているかは後述する。
1942年6月のミッドウェー沖にタイムスリップした「みらい」を、1隻の潜水艦が魚雷で攻撃をしかけて来る。
それは米海軍のガトー級潜水艦「ガードフィッシュ」(USS Guardfish/SS-217。こちらは実在する)だった。
「みらい」は現代艦艇のガスタービン機関ならではの機動性で魚雷を全弾回避するのだが・・・。
「攻撃してくる……お前らが……悪いんだぞ……」
「やって……やる……殺られる……前に!」
恐怖に苛まれた米倉は、独断で対潜ミサイル「アスロック」の発射ボタンを押してしまう。
艦長・砲雷長の許可なく実弾を発射する(実際は許可がなければそもそも発射ボタンを押しても何も起きない)という大失態を当然見逃すはずはなく、砲雷長である菊池から
「貴様、一人で戦争をおっぱじめるつもりか!」
という怒号が飛んだ。
米倉は震え声でこう答える。
「殺らなければ…殺られます…砲雷長…!」
アスロック発射はヒューマンエラーだと伝えられ、この後米倉1尉はCIC(戦闘指揮所)から叩き出された。
発射されたアスロックはガードフィッシュに向けて一直線。
あと数秒で命中というところで艦橋の角松から「魚雷を自爆させろ!」という命令が飛ぶ。
そして躊躇なくアスロック自爆が下された。
こうしてアスロックは目標に100m付近まで近づいて自爆するのだが、至近距離での爆圧でガードフィッシュは船体を大きく破損し「みらい」への攻撃と追跡を断念した。
・・・というのが一連の流れである。
この出来事から、ジパングの戦闘シーンが絡むたびに「アスロックを発射した米倉一尉」が連想されるようになり、「アスロック米倉」という俗称が誕生した。
補足
前述のように発射ボタンを押すには砲雷長である菊池が発射キーを挿入する必要があるため、一部のファンの間では、
「じつは砲雷長も殺る気まんまんだったのでは?」と言われている。
さすがはトマホーク菊池である。
一応菊池としては艦の安全に万全な態勢を取る為に、万一魚雷の回避が不可能となった際に即座に迎撃兵器を起動出来るように事前に発射キーを挿入していた可能性も無くはない(作者のリサーチ不足の可能性もあるが)。
ちなみに、米倉が発射したのは初期型のランチャーで発射するタイプではなく、その改良型であるVLS搭載型のアスロック、VLA(Vertical Launched ASROC)である。
最近では
原作であるジパングの界隈だけでなく、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」界隈でも使われるようになった。
勿論だが、彼方はWW2世代をモチーフとしており、冷戦期に開発されたアスロックは時代が違いすぎるので実装されていない…のだが、その前身とも言える対潜迫撃砲「ウェポン・アルファ」が実装された為、ひょっとすると……。
だが、アメリ艦娘の本格実装が始まった事によって今後ガードフィッシュが実装される可能性自体は無きにしも非ずであり、そうなれば彼は三度注目を浴びる事になるだろう。
pixivでは丸眼鏡をかけている海防艦娘にこのタグがついているイラストがちらほら。
2021年には同じくWW2世代を題材とするスマホゲー「蒼焔の艦隊」にて正式にジパングコラボが開催。みらいも配布艦として使用可能になった。
そして、戦技「アスロック」を使用すると米倉の原作カットインが挿入される(音声無しで文字演出だけだが、あの台詞付き)というファンには嬉しい演出も実装された。
アスロック米倉、そしてトマホーク菊池のインパクトから、「ジパング」を中心に創作上の自衛官が印象深い装備の運用や言動を行った場合、その装備の名前or代表的な台詞+苗字でニックネームがつけられることがある。これを原点であるアスロック米倉にちなんで「米倉式命名法」と呼ばれることがある。
「ジパング」の主要な登場人物では以下の人物が挙げられる。
通称 | 人物名 | 由来 |
---|---|---|
右ストレート角松 | 角松洋介 | OPで草加を殴り飛ばすシーンから |
アトミック草加 | 草加拓海 | 原爆製造や作戦を主導 |
ドロップタンク尾栗 | 尾栗康平 | 大和攻撃作戦中に同艦の甲板に落下 |
よかろう梅津 | 梅津三郎 | 口癖の「まあよかろう」 |
ハンドアロー青梅 | 青梅鷹志 | 大和攻撃作戦においてハンドアローを装備、命中させた |
スキップボム佐竹 | 佐竹守 | 米軍のスキップボム攻撃から「みらい」を庇い自爆 |
シーホーク林原 | 林原克敏 | 乗機のSH-60シーホークから |
ゲームガイ桜井 | 桜井一彦 | 愛用する携帯ゲーム機「ゲームガイ」から |
ワンダー桃井 | 桃井佐知子 | 「ワンダーモモ」または「ワンダーモモーイ」と掛けたシャレ |
モーゼル如月 | 如月克己 | 得物のモーゼルC96拳銃から |
長らく「ジパング」のほかは「沈黙の艦隊」の海江田四郎が「ハープーン海江田」と呼称されるのみにとどまっていたが、「自衛隊彼の地にて、斯く戦えり」がアニメ化したのを機にかわぐちかいじ作品以外にも広まっている。
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現代艦の鎮守府入り第十三.五話(仮)
Twitter #深夜の艦これSS60分勝負 に投稿した作品の誤字や表現微修正したものでーす 主にツイッター鎮守府をモデルにした世界観で 私、イージス護衛艦こんごうが鎮守府に迷い込んだらのお話でーす 14回目に投降した作品なんですが、UPするのを忘れて居ましたネ なので、13.5話としてますヨ この話UPしてないと辻褄合わない部分が出てくるのデ お題は『長良、名取、五十鈴』デシタ *提督や艦娘にはツイッター鎮守府における提督や艦娘(なりきりさん)のイメージを強く反映してる場合が有りますのデ、ご了承くださいネ *感想等もらえると喜びまーす!(表現が稚拙等は身に染みてますからネ、ご容赦を!)5,216文字pixiv小説作品 - 高校生艦長と自衛艦の航海日誌
高校生艦長と自衛艦の航海日誌 第陸戦目
注意! 作者は現役の海上自衛官でもなければ詳しい方でもございません。(アニメのジパングを見た程度) また文章が変な感じになることもありますのでなにかありましたらコメントしてご報告下さい 今回は遂にあのみんな大好きアスロックの時間だ! 始まりの航海編第七話です。4,001文字pixiv小説作品 - 現代的艦これ
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