ロバート1世
ろばーといっせい
概要
1274年生~1329年没
スコットランド王(1306年~1329年)
スコットランドのアサル王家の流れを汲むスコットランド貴族ロバート・ド・ブルースの子として生まれる。
1290年にスコットランドの王家であったアサル王家が断絶した際、スコットランドは後継者争いで混乱に陥りイングランド王の支援を受けたジョン・ベイリャルが王位に就き実質的にスコットランドはイングランド王国の支配下となる。当初はイングランド王エドワード1世に臣従したが勃発したスコットランドにおける反イングランド運動に参加し、幾度なくイングランド軍と戦い1306年にスコットランド王に即位した。
一時はイングランド王国の攻勢で劣勢に陥ったが次第に勢力を盛り返し、1314年のバノックバーンの戦いにてエドワード2世率いるイングランド軍を撃破し、スコットランドにおけるイングランド王国の侵攻を押しとどめた。
関連人物
- ロバート・ド・ブルース(1243年~1304年)
父親。スコットランドのアナンディル卿。
系譜としてはアサル王家のスコットランド王ウィリアム1世(1143年~1214年)の弟デイヴィッド(1152年~1219年)の女系の曾孫となる。
- マージョリー(1253年or1256年~1292年)
母親。キャリック女伯。
気の強い人物で夫ロバートとの結婚の際にはロバートを監禁して結婚を強要したとされる。ロバート1世は最初キャリック伯を継いでいた。
- イザベラ・オブ・マー(1277年~1296年)
最初の妻。
イザベラとの間に生まれた一人娘のマージョリーはウォルター・ステュアートの夫となり、間に後のスコットランド王ロバート2世が生まれる。
- エリザベス・ドゥ・バラ(1284年~1327年)
二番目の妻。
- デイヴィッド2世(1324年~1371年)
息子。
ロバート1世の死後に幼くしてスコットランド王となるが一時フランスに亡命し、後にイングランドに捕らえられて虜囚生活を送る等不安定な人生を送った。
- ロバート2世(1316年~1390年)
外孫。
スコットランド執事長ウォルター・ステュアートとロバート1世の長女であるマージョリーの間に生まれ、デイヴィッド2世が国外にいた際には摂政として実質的にスコットランドを統治した。デイヴィッド2世の死後に王となりスコットランド王国は彼の代からステュアート朝となる。
- ジェームズ・ダグラス (1286年頃~1330年)
ロバート1世の腹心である騎士。
数多くの戦いでロバートに尽力し、主君の死後はその心臓を銀の小箱に入れて聖地へと持っていく目的があったがイベリア半島でのイスラム系勢力との戦いで戦死した。
- ジョン・バーバー(1325年頃~1395年)
スコットランドの詩人。
ロバート1世を称える詩を多く残した。
- ウィリアム・ウォレス(1270年頃〜1305年)
ロバート1世と並ぶスコットランド独立の英雄。1297年にイングランドの大軍を破って独立の狼煙を揚げたいわばロバート1世の先駆者。同時代の英雄ながら史実でのロバート1世との関係は謎が多い。身分が低く苦労するウォレスを支援する為ロバートがスコットランド守護者に任じたとも、ベイリャル家を支持したウォレスは政敵だったともいう。